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第二話 日向先生の艦魂講座

せっかくの休日ですが、日向からのお願いのため、今日第二話を投稿します。日向、今回が最後のわがままにしてくれ。昨日の心の傷が…

登場人物紹介


・加藤 正樹 (かとう・まさき)

戦艦日向 航海科(新入り)

年齢…18(7月4日生まれ)

好きなもの…日向、戦艦(特に日向)、平和、柑橘系、みんなの笑顔

嫌いなもの…戦争、敵空母、甘すぎるもの、大切な人を傷つける事、傷つけさせる人


この物語の主人公。18歳ながらも抜群のセンスで中尉で日向に配属される。始めての配属先が日向なので、艦自体も、そしてその艦魂である日向の事も好きである。普段は気さくで明るく優しく、誰とでも同じように接することができる。しかし大事な人を裏切ったり、傷つけさせたりする人に対しては本気でキレる事がある。優しい性格のくせして甘すぎるものが嫌いという性格が少しコンプレックスでもある。



・日向 (ひゅうが)

伊勢型戦艦二番艦 日向の艦魂。

年齢…見た目16〜17くらい(実年齢は21歳、誕生日は4月30日)

好きなもの…正樹、正樹と一緒にいる事、イチゴ、みんなの笑顔、姉(伊勢)、艦魂のみんな、平和

嫌いなもの…戦争、正樹とケンカする事、苦いもの、みんなが泣く事、ケンカ

伊勢型戦艦二番艦、日向の艦魂。基本的にはしっかりしているが、随所に天然っ子ぶりを発揮するなど、意外な一面を見せる事もある。よく強がるが、実は寂しがりやで甘えん坊。正樹が来るまでは他の艦魂や姉である伊勢と一緒にいたが、正樹が来てからはほぼ一緒にいる。かなりの平和思考で、ほんの少しの小競り合いでも心の底から嫌う。




第二話 日向先生の艦魂講座



日向と出会って三日。この二人はもうすでに打ち解けてすっかり仲良くなっていた。

『おぉ、日向!おはよう!』

『あ、正樹さん!おはようございます!』

挨拶は当たり前の日課であるが、日向の毎日の日課である早朝艦内散歩に、この前から正樹も参加するようになっていた。

そんな早朝散歩の最中、日向が提案をして来た。

『そういえば、正樹さんはまだ私以外の艦魂とは会っていませんよね?今日の夜、私が今呉にいる艦魂の紹介をしようと思っているのですが、いいですか?』

日向からの提案に、正樹も同意した。

『あ、そういえばまだ日向以外の艦魂とは会ってないな。日向先生!よろしくお願いします!』

正樹から、『先生』と言われて、日向の頬が驚くぐらいの早さで頬が赤くなり、

『い、いやぁ〜。先生だなんてぇ〜。て、照れちゃいますぅ〜。』と言った。顔は美人なのに素直に認めないのが玉に瑕である。まぁ、それが日向の魅力の一部なのだが…

そんなやり取りをしているうちに、艦内を一周していた。

『ありゃ?こんなに早く終わるもんだっけ?』

『仕方ないですよ。楽しい時間は早く過ぎる、逆にイヤな時間は永遠に続くくらい長く感じる。神様はややこしい事を作ってしまったみたいです。』

『はは、神様もやっかいな事を作ったな。んじゃ、夜に俺の部屋に来てねー!』

『了解ですぅー!』

そう言って、二人はそれぞれの持ち場に着いた。



『まーさきさーん♪お迎えに来ましたぁー!』

自分の部屋で本を読んでいた正樹は、日向の声を聞いて、今読んでいるページに栞を入れた。

『おう、お待たせ!んで先生、どこでやるんですか?』

『それがですよぉ〜、せっかく会議室を用意していたのに緊急の上官会議が入っちゃって、やる場所がないんですよぉ〜』

『日向…俺の手をつかんで波を作らないでくれ。すげー肩が痛くなる。』

日向は気づかなかった。いつの間にか正樹の手をつかんで、上下に動かして波を作っていた事を。

日向は、神の領域にはいるんじゃないかくらいの早さで正樹の手を離した。

『ッ!!ご、ごめんなさい!!ついうっかりしていました!!何でもするのでどうかお許しください!!』

いつも以上に慌てる日向は、どこか子どものように見えた。そんな日向をみて、正樹は笑いながら許した。

『いいよ日向。そんな事でいちいち謝るな。人生どんだけミスるかわからないんだから。』

そして、日向を立たせると、いきなり彼女の頭を撫で始めた。急に頭を撫でられた日向はビックリするものの、天使のように嬉しそうな笑顔を見せた。これまたカワイイ。

そして、二人は歩き始めた。その手はしっかりと握り締められていた。


急遽防空指揮所でやる事になった講座。もちろん講師は日向である。

『それでは正樹さん、本日の主役が登場です!』

そう言って、出て来たのはみんな同じくらいの年齢に見える少女がいっぱいきた。一通り並ばせて、講座が始まった。

『それでは、まず最初に私の姉である伊勢さんから』

そう言って出てきたのは、黒髪清楚と大和撫子という言葉がとても似合う方が出てきた。

『始めまして。伊勢型戦艦一番艦伊勢の艦魂、『伊勢』よ。いつも妹がお世話になってます。』伊勢は、正樹が今までみてきた中で一番綺麗なお辞儀をした。艦魂界ではみんな礼儀やマナーを大事にしていると日向から聞いていたが、ここまで大事にするとは思っていなく、少しビックリした。

そんな事を考えてると、日向はどんどん紹介をしていく。

『えーっと、次は我が帝国海軍の連合艦隊旗艦である戦艦長門の艦魂、長門と、その妹に当たる陸奥です。二人はとーっても顔が似てる姉妹だから間違えないようにしてくださいよ?』日向は、優しく微笑みながら正樹に言った。

すると、右側の方から、ショートヘアーの艦魂二人が出てきた。本当に顔が似ている。

『始めまして、加藤中尉。私が現連合艦隊旗艦、戦艦長門の艦魂、長門です。そして、私の後ろにくっついているのは、私の妹の戦艦陸奥の艦魂、陸奥よ。陸奥はかなりの人見知りだから、最初はかなり気を使うと思うけど少し我慢してね』

そう言って、長門は後ろに隠れている妹の陸奥を前に出させた。相当の人見知りなのと恥ずかしがり屋なのか、顔を真っ赤にさせて、とても小さな声で自己紹介を始めた。

『…あ、あの…。わ、私が…姉さんの妹の…む、陸奥……です…。か、加藤中尉…。よ、よろしくお願い…しますッ!』

自己紹介が終わった後、陸奥は物凄いスピードで姉の背中に隠れた。長門はそんな妹をみて呆れながらも優しく微笑んだ。


その後も、日向による艦魂の紹介は続いた。

機動部隊の旗艦で、長門に並ぶお姉さん的な性格の赤城など、沢山の艦魂を紹介してくれた。今日は日向に感謝です。

講座が終わり、指揮所で二人っきりになった正樹と日向は、しばらく夜空を見ていたが、しばらくして、正樹が静寂を破った。

『日向、今日はありがと。いろんな艦魂がいるんだな。全員覚えられるかなぁ?』

『いえいえ、感謝されるほどのことはしてませんよ。まぁ、艦魂はみんな見た目は同じくらいですが、顔や性格がみんな微妙にちがうので大変ですよ。私も前はよく間違えていたものですよ』

『へー。お前でも間違えることもあったんだ』

『まぁ、海軍休日の前まではすごいペースで艦艇が建造されていたので、新しい子が来たと思ったら、一週間後にまた新しい子が来たら、『また来た!』っていう感じでしたよ』

『はは、艦魂もいろいろ苦労するんだな。』

そう言って、正樹は笑った。

ふと、時計をみたら、もう少しで消灯時間であることに気づいた。

『日向、もう少しで消灯時間だからそろそろ帰ろうか?』

『はい!では、今日は正樹さんの部屋で寝てもよろしいでしょうか?』

日向のいきなりのお願いに、正樹はびっくりした。が、まぁいいだろうと思い快諾した。

そうして、正樹と日向は部屋に向かって歩き出した。その手はしっかりと握り締められていた。


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