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おねーちゃん! さらおねーちゃんはすごくおおきかった!

田中さんが号泣し終えたところで、サラダさんとくるみが手を繋いで銭湯から出てきた。


「おねーちゃん! さらおねーちゃんはすごくおおきかった!」


開口一番そんなことを言う。

なにが大きかったのか詳しく聞きたい衝動を抑えながら平然を装った。


「そうですか。よかったですねくるみさん」

「どうした! 顔が赤いぞハル! のぼせたか!」

「あ、あぁ。まぁ」

「軟弱な男だ!」


うるせぇよ。誰の所為だと思ってんだ。


「みはるおねーちゃんものぼせたんだよねー だいじょうぶだったー?」

「うん大丈夫だったよ。ありがとね、くるみちゃん」

「えへへ」


うむ。美少女二人が仲睦まじくやってる光景はいいもんだ。

仲良く笑い合う田中さんとくるみを見て、そう思う。


「ハル! 顔がきもいぞ! 大丈夫か!」

「うっせーな!?」



そんなこんなで橋下へ戻ってくる頃、辺りは暗くなっていた。

もう7時半か。そろそろ夕飯にしねーと。


「なぁ皆? 今日の夕飯どうすんだ?」


焚き火の準備をしていた女性陣に訊ねると、


「私は知らないぞ! てっきり誰かが用意すると思っていた!」


ダメ人間かテメーは!?


「え? わたしてっきり真鍋さんが食材を確保しているのかと思ってなにも……」

「う、嘘? マジで?」


んな話初めて聞いたんだけど。

あれ? もしかして食材が無いのって僕のせい?


「おねーちゃん、くるみおなかすいたー」

「ああ、そうだな。スマン」


明日は学校だから今晩飯抜きというのはキツイ。仕方ない、何か買ってくるか。


「悪い皆、ちょっと商店街行ってくるわ!」


そう言うと皆がいってらっしゃい、と見送ってくれた。



さて、やってきました商店街。この時間になるとあまり賑わってないらしく人も疎らだ。

てか閉まってる店もあるし。どうしよう。


「とりあえず米は買っとくか」


田中さんが飯盒持ってた気がするし。

あとはどうすっか。適当におかずになりそうなものは、


「春、よね?」

「はい?」


適当な店の前で悩んでいると後ろから声をかけられた。


「咲? なんでまた?」


ふりかえると今朝ぶりの咲がいた。

あれ? 今朝も買い物してましたよね? なにか買い忘れですか?


「醤油切れちゃって。また買いに来たの、そっちは?」

「僕は夕飯の食材買いに」

「親の変わりに、ってこと?」

「は? まぁ、言い方によっちゃそうなるけどな。なんで咲が知ってんの?」

「お母さんに聞いた」


あぁそっか、由紀さんね。そこは納得したけど……


「えっと、なんでそんな不機嫌?」


なんか、咲さんの顔がめっちゃ怖いんですけど。

僕なんかしましたっけ? あ、いきなり帰ったこと怒ってんのかな?


「今朝は悪かったよ、いきなり帰って」

「そんな理由で怒ってない」


違うらしい。


「じゃあなんでしょうか?」


「……お茶漬け、二杯も食べる羽目になったから」


え? そんだけっすか?


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