男として逃げらんね―よ
「あーあ、ビラ配りなんてやってらんね-よ」
誠也が愚痴をこぼす。
「うるさいわね!まじめにやりなさいよ!あっ!お願いしマース」
誠也と永野亜由美はビラ配り。
「ふん!あんた最初は普通のおとなしい子だと思ってたのに、うるせーやつだった。」
そう、誠也が言うと永野は少し顔を赤くして
「大きなお世話よ!あんたわかってんの?女バスの存続もかかってるの!まじめにやんないと負けちゃうよ!」
「うるせーよー。俺がいればかてるっつ−の!それにあんた怒んねー方がいいぜ?笑ってる方がかわいいから。」
さりげなく普通にさっらという誠也だがこんなのは日常茶飯事。まぁ確かに永野は藤崎に並んでかわいい、ショートカットで、どんぐり眼、それはどこかの恋愛ゲームに出てきそうなろロリキャラである、でもさすがに永野は赤くなる。
「あ、あんたじゃないわよ!永野亜由美って名前があるんだから!」
「ふーん。わかりましたー亜由美ちゃーーーん!てね」
その瞬間、誠也の顔に音速をも越える鉄拳が飛んできた。
その鉄拳は誠也の顔にあたった時に、おそろしい轟音をたてる。
「ぐうああああ」
たまらず誠也も吹っ飛ぶ。
「あたし、空手2段なんだからね!これ以上ふざけたらもっとやるからね」
そういうが、もうすでに誠也は鼻血が出ていた。
そしてこっちは尚樹と鈴木藍。
二人はずっと沈黙したままだ。
この二人は一番字が上手なのでビラを書いている。カリカリとシャープペンの芯が紙にこすれる音しかしない。カリカリカリカリカリカリカリカリカリそのうちに尚樹が吹っ切れる。
「あああああ!カリカリカリカリって何なんだ畜生ー!」
「うるさいよ!しっかりやりなさいよ!」
叫ぶ尚樹に鈴木の喝が飛ぶ。
「っておい!あんたおかしくならないのか?こんなに同じ物を書いて!せめて話ぐらい、しようぜ」
「やだ!あんたと話すのストレスたまりそうだし、私こういうの慣れてるし。」
そういえばかなりの達筆、たぶんいつもこの役なんだろう。
少し、哀れみを感じるな。
「ねえー沖田君?いいの?さぼったりして、あたし達って勧誘だよね?」
譲二と藤崎は二人で勧誘に行くことになっている。
「いやさぼりじゃあ、ねーし作戦会議だ。」
そう言い沖田がやってるのは石で何かやっている。
耳を澄ますと何かぶつぶつ言っている、かなりあやしい。
「ヒューあついのかいお二人さん?」
このする方を向くと柄の悪そうな3人。
「ねぇ沖田君?どうしよー。あれ?武宮くん?武宮聡くんだよね!?」
どうやら藤崎は真中の奴は知ってるらしい。
「知ってるのか?あいつの事」
「え?知ってるも何も同じクラスじゃない」
「ふーん。同じクラスか?武宮君!バスケットをやらないか?」
「あ゛?なめてんじゃねーよ!」
そう言い拳を振りかぶり譲二のほほへと一直線にいき直撃する弾けるような音をして当たり,譲二は倒れこむ。
「てめー、いきなり何すんだよ!ちょっとでかいからって図にのんなよ」
口をぬぐいながら譲二はそういうと拳を出す。
「ダメだよ沖田君!そんなことしたら部ができないよ!」
藤崎が止める。
「わりいーな、男として逃げらんね―よ!」
まるで
鞭のようにしならせたパンチを当てる。
「どーしよ?喧嘩になっちゃたよ。そうだ携帯で亜由美ちゃんに」
藤崎は勢いよく走るがさっきの不良の二人につかまった。