4つ目のファール
第2クォーターが終わリベンチに戻る5人。
帰ってきた5人に津堂さんが声をかける。
「よおし!ナイスプレーだ!尚樹、譲二!」
尚樹は鼻を親指でこすりながら言う。
「おいおい!デリックもたいした事ね−な!簡単だぜ!」
「ふん!俺のパスが良かったんだよ」
二人が言い合いしてる様子を見て津堂さんが発言する。
「お前らは譲り合うって事を知らないのか?」
それを聞いてた宇野もこう言う。
「くそぉー!俺も次から活躍してやる!」
それを聞いてた三浦がとどめの発言。
「すごいね。プロになれるんじゃない?僕も負けてられないや!」
「は?プロになれる?NBAか?プロは日本にねーぞ!」
三浦の発言に宇野が言うが,津堂さんがしっかりと言う。
「出来たんだよ。今年からプロがね。」
みんな驚いて盛り上がっていたが、宗孝は何かを考えていた。
(どうするんだ。俺!譲二は川田に勝った。尚樹は久原をあっさり、デリックにも勝った。俺ははっきりしていない。三浦や,宇野は勝てそうなのに,ちきしょう!ちきしょう!)
宗孝は拳をぎゅっと握りくやしがった。
心配した桜庭が昔のなじみで横に座り話し掛ける。
「宗さん!気にしないでバンバン行きましょうって!」
「うるせ!大きなお世話だ!素人のお前に毎日頑張ってた俺の何がわかる!!」
宗孝は毎日不良としながらもバスケはやっていた。
ビー−−−!!第3クォーターが開始。
第3クォーターが開始で両チーム得点の取り合いになった。
譲二がアシストをすれば川田もアシストをする。
久原も点に絡む。
尚樹も絡む。
三浦と古藤がフックの打ち合いをすれば、宇野と吉武の3Pの打ち合いをする。
一気に65対62と点数が跳ね上がるが宗孝はなおもデリックにやられていた。
(ちきしょう!全員波に乗ってる俺だけが!俺だけが!)
「宗孝行ったぞー!!」
川田からのパスがデリックに行く。
慌てて背後に宗孝がつく。
だがデリックが宗孝より激しいあたりをする。
宗孝押し返そうとすると、デリックはターンをしてあっさり宗孝をかわす。
(やべー畜生!)
フリーになったデリックはシュートの構えからシュートに行く。
「うおおおおっぉおぉぉ」
くわっと目を開き宗孝がブロックに行くが、デリックの上に覆い被さった。
「ピィィィーファール!!プッシング!(敵を押した事をあらわす用語)2スロー!」
そのとき宗孝は目を疑った。
ファールカウントを表す札には、4と表示されていた。
(4つ目?あと1つで退場!)
「何やってんだよ宗孝!」
譲二が叫ぶが宗孝は意気消沈したまま俯く。
デリックはこの2スローを2本とも決め1点差になった。
「やばいな。4つめか,とても桜庭や小林じゃなー」
津堂さんも眉間にしわを寄せた。