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三題噺もどき5

ケーキ屋さん

作者: 狐彪
掲載日:2026/06/20

三題噺もどき―はっぴゃくきゅうじゅう。

 




 目の前にはさまざまな種類のケーキが並んでいる。

 おなじみのショートケーキから始まり、チョコレート、ロールケーキ。

 三分の一程はホールケーキが占めている。

「……」

 穏やかなBGMが流れる店内は、橙色の穏やかなライトが照らしている。

 ケーキのほかにも、クッキーや和菓子も置かれている。

 ここは確か煎餅とかおかきも置かれているから、お土産選びならまずここに来る程人気の店ではある。

「……」

 今日は土曜日という事もあるからか、少し店内が狭く感じてしまう。

 こういう店に土日とか関係あるのかどうかは分からないんだけど……イベントごとがあればその度に混雑はしている印象はあるが。

「……」

 最近で言えば、先月は母の日があった。

 あとは、今月は父の日もある……明日か。

 もう私には関係のないことだが。

「……」

 隣では、何やら太ももに違和感があるのか、その辺を触りながら、妹が何にしようかとケーキを眺めている。

 末っ子はもう選び終わって……というか、チーズケーキしか食べないので選ぶも何もないので、すでに店内を見て回っている。

 母もまだ悩んでいるようで、どうしたものかと妹とあれこれ言っている。

「……」

 私もまぁ、末っ子と同じく大抵ケーキはショートケーキしか食べない。

 たまにチョコレートが食べたくなるけれど、今日はそんな気分でもないので、いつも通りで良いだろう。

「……」

 父の日限定のケーキは、男性向けというのもあるのか、チョコレートが多いように見える。

 それに関係なく、この店は季節ものの中にはほぼ確実にプリンアラモードが入っている。

 器が可愛いから、妹はよくこれを選んでいる。あとプリン好きだからな。どうせ今回もそれを選ぶんだろう。

「……」

 母はメロンにするか普通のケーキにするかで迷っているらしい。

 たまにはメロンとか食べたらいいのに、まぁ、値が張るから気にしているんだろう。

 ……まだ悩みそうだし、私も他の見て来よう。

「私、ショートケーキで」

「ん……どうしよっかなぁ」

 妹に一応告げ、その場を離れる。

 まぁ、見たところで何かを買うわけでもないのだが。

 特にこれと言って今はスイーツを食べたい気分でもない。

 今日ケーキを買いに来たのは、妹が大会頑張ったからケーキが食べたいと言ったからだ。

 そんなたびに買っていてはいくらあっても足りないという感じだが、そんな頻繁に食べるものでもなし、母も食べたかったのかもしれないし。

 おこぼれ的にケーキが食べられるから、いいのかなと言う感じだな。

「……」

 しかしここはいろんなお菓子を置いている。

 常時置いているものから、季節ものがあるのはどこも一緒だと思うが。

 トランプがモチーフのおかしなんてあまり見ない気がする。

 トランプの模様が入ったクッキーや、薔薇の形をした棒チョコレート…というのかは分からないが…食べやすいサイズのチョコレートもあったりする。

「……」

 これはあれかな、どちらかというとハートの女王とか、不思議の国のアリスがモチーフなのかな。よく見ればウサギもいるし、帽子も並んでいる。

 トランプ柄の隙間には水色と白のチェック模様もある。

 へぇ、可愛いものだな……あの子が喜びそうだ。

「……」

 クッキーなら、溶ける心配もないし、これだけ枚数があればいつものメンバー分くらいはあるだろう。

 これだけ買って置こうかな。

「……」

 クッキーの入った袋を手に取り、つい先ほどまで自分が居たケーキの棚の方を見る。

 もう既にそこには違う客が並んでいた。

 見れば母と妹も同じように店内を見て回っているようだ。

「……、」

 ぱちりと視線が合うと、それを買うのかと問うようなジェスチャーをする。

 末っ子はどこに行ったのかと思い、店内を見渡すと、いつの間にそこに居たのかほぼ真横に立っていた。これが赤の他人だったら気持ち悪くてドン引きしていた。

「なんかあった?」

「ん~いいやぁ」

 手に何も持っていないし、もう既に飽きたような空気を出していたので、母のいる場所へと向かう。よく見れば母もてにお菓子を持っていた。次女もどら焼きを見つけたらしい。

「何もないって」

「これだけ?」

 手にそれぞれお菓子を持ち、ケーキの番号札を持ち、レジに並ぶ。

 思わずいいモノが買えた。

 あの子が、喜んでくれるといい。











 お題:チーズケーキ・太もも・トランプ

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