表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
少女  作者: VISIA
7/17

会いたい人、いますか


話したい人、いますか


触れたい人、いますか



それは、


自分の命が消える時も

同じ人ですか?

──その夜


 熱は、それほど高くはなかったが、体のだるさがひどく、夜7時にはもう布団の中だった。


 それから急に、顔の熱っぽさが酷くなってきた感じがする。


…こういう時こそ、いい夢が見れますように



 意識が、少しずつ遠くなっていく。

 下に落ちていくような感覚だった。





──夢を見ていた


にやにや笑っている男の人


横になっている女の子


整頓された部屋


ハサミで髪が切られて


振り向く男の人


ニヤニヤニヤニヤ


その男の人から逃げる


逃げる


逃げる


髪を掴まれる



───目が覚めた。



 辺りは暗かった。



 喉が乾いていた。


 枕元のヤカンから、水を一口飲む。


 それからは、夢のことが気になって眠れなかった。

 体のだるさを感じながら、暗い部屋で、天井をずっと見ていた。


……?


 鉛筆が床に落ちて、こちらに転がってきた。


 体が、何故か動かなかった為、首だけ横に向けると、枕元に誰かが座っていた。


……ママ?じゃないの?


「だれ?」



 見上げると、よく知った顔が悲しそうに、こちらを見ていた。


 綺麗な髪が、ザクザクに切られていた。


「ことみちゃんなの?」


 少女は黙って頷いた。


 すると、少女の頭が、体から離れて、私の顔へ落ちてきた。


「痛あああっ」


 少女は慌てて、自分の頭を拾い上げ、体につけた。


「ことみちゃん!今の、わざとでしょ!」


 少女は、再び頷く。


「ぐっ」


 テレビで見たサッカー選手のように、ヘディングシュート?をしようとして、更に痛い目にあった。


 少女が、頭を体に戻すのを見ながら、


「ことみちゃん、家に帰ったんじゃ…」


 少女は、首を横に振った。

 その勢いで、部屋の端まで、少女の頭が転がっていく。


…もう、いいよ。ことみちゃん。


 頭のない少女は、手を私の額に優しく当てた。

 冷たい手が心地よかった。


……冷たい?


 気がつくと、少女の姿は消えていた。


 辺りは明るくなり、朝になっていた。


 風邪も治っていた。

 布団から出て、床に落ちていた鉛筆を、机の上の缶の入れ物に戻す。


 その缶の隣に、赤い物が置いてあった。


 ことみちゃんのチョコレートだった。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ