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少女  作者: VISIA
2/17

再開

雨が好き


優しい音が好き


今日の雨は嫌い


うるさくて、冷たくて


痛い

 私の手を、爪を食い込ませるほどに強く握り締め続ける少女のそれは、まるで意志を持っているようだった。


 一瞬、義手かとも思ったが、こんなにも腕は生暖かく、柔らかく、産毛やほくろ、擦り傷まであるのだ。


…手の冷たさは異常だけど


 少女のそれは¨作り物¨ではないと思う。(でも、腕の断面がギザギザなのは何故だろう?)


…さて、どうしたものか


 すぐそこに見える交番に、落とし物として届けるのも、面倒な事になる感じがする。



…あの少女を捜すしかないのだろうか。


 とりあえず、来た道を戻ることにした。

 

「…のりこちゃーん」



 少女の名前を小さな声で呼びながら、薄暗い道を戻っていると、足で何かを踏んだ


……?


 少し太めの棒状の何かだったが、気にせず道を戻る。


 暫く歩くと、先程の物より太い¨棒¨につまづいて転びそうになる。


…危ないな、全く。


 少女の事が気になるのと雨が降っている事で、道に落ちているゴミまで確認していられない。


「…のりこちゃーん」



…どこに、行ったんだろう?


 私の手に食い込む爪が痛い。血が出ているかもしれない。

 少女にしては、すごい握力だと思う。


「…のりこち…!?」


 また何かにつまづき、今度は転んでしまった。

 転んだ痛さで、顔を横に向けた状態でうつ伏せのまま、暫く動けなかった。


 そこへ、ゴロゴロと重たそうな何かが転がってきて、私の目の前で止まった。

 そして、こちらに顔を向けるとニッコリと微笑んだ。


フフフフフフ。

うわあああああっ!

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