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少女  作者: VISIA
13/17

 「ハハ、元気なお嬢さんだ。」


 投げつけられたテレビが、黒い布の男を素通りし、後ろのドアに当たった。


「では、お邪魔しますよ皆さん。」

 黒い布の男は、音もなく直立のまま、床を移動してきた。

 歩いている、という感じはしなかった。


「改めまして、皆さん。私は死神です。」


 少女2人に向かって、死神は話しを続ける。


「こんな所にいらしたのですね。迷子になったかと思って捜しましたよ。」


 ¨ことみさん¨は、表情を険しくして言い返した。


「本当の事を言ったらどうですか?」

「本当の事?」



「あなたは、死神より¨たち¨の悪いアレなんでしょ?」

「ハハ、想像は自由ですよ。…時間が無いので手短に話しますが、ココにもう直ぐ人が来ます。」



「それが、どうかしましたか?」

「ココに居られなくなりますよ。まあ、2人ともそれだけ腐敗が進めば、先は永くはないでしょうが…」


「………。」

「そこで、提案があります。」


「………。」

「あなた方2人を別の体で生き返らせる代わり、今のその体2つを私に譲って欲しいのです。」


「…取引ですか?」

「そうです。悪くない話でしょう?」



「…私達の体はどうなるのですか?」

「欲しがる者は、あの世この世に限らず沢山いますよ。どう使うのか分かりませんが…」


「……断ったら?」

「体が更に腐っても、この世にとどまり続けるでしょうね。そして、体が血肉を失い、動かせなくなった場所から魂が身動き出来なくなります。」


「地縛化?」

「あなた方2人、ココでそれを望むなら仕方ないですが、どうしますか?」


 ¨ことみさん¨は、のりこちゃんの顔を暫く見ていた。

 彼女は、迷っているようだった。



 死神は、私の方を向くと口を開いた。


「あなたは、席を外してくれませんか?…取引の妨げになっているようですからね。」


……?


 死神の目から赤い血が流れ、床にその雫が落ちる。

 すると、そこから黒い闇のような煙が吹き出し部屋に充満していった。





──暫くして、上に丸い形が見えてきた。


…太陽?


 それが、段々眩しくなっていくのを静かに見ていた。



──突然、後ろから車のクラクションが鳴り、慌てて避けた。周りをみると、先ほど訪れたコンビニの前に立っていた。


 裸足だった。

 2人が気になって、走って帰った。


 部屋に戻る途中、大家さんに見つかり、部屋を水浸しにした事をガミガミ怒られた。


「あんた、友達来てたんだろう?騒ぐんなら外でやんなさいよ。…あと、ペットは禁止だからね。」

「えっ?」



「苦情きて、部屋みさせて貰ったけど、何だい?あの臭いは。…ナニもいなかったけどさ、ちゃんと掃除してんだろうね?」

「………。」

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