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協力者


夜、真っ暗になった室内に、月明かりが微かに差し込む。

閉じられているはずの窓が音を立てずに開き、カーテンが揺れる。

入って来たのは、1人の男性。

真っ黒な服と口布をつけた、いかにも怪しい風貌だ。


「よう!上手くいったみたいだな。」


「ええ。手伝ってくれて、ありがとう。」


「大したことねぇよ。ほとんどはお前の計画通りだろ?」


「そうよ。私1人でもできたことだけど、それをするには危険を犯さないといけない。だから、あなたがいてよかったわ。」


「そりゃ、どうも。次は?」


「次は…………よ。またよろしく。」


「おう!それじゃあな!」


彼は来た時と同じように、音もなく去って行った。


彼の名は、カルヴァノス。

本名かどうかなんて知らない。


カルヴァノスと出会ったのは、2人目の聖女がわがまま放題している時。


私は時々、能力を最大にして神殿を探っている。

カルヴァノスと会ったのも、その時だ。

カルヴァノス自身は、誰にも見つからないと自信満々で潜入したのにも関わらず、私に見つかったから、非常に焦っていた。


カルヴァノスがこの国の神殿に来たのは、他国に優秀な能力が知れ渡っている聖女を確認するため。

……と、表向きは言っているが、実際は依頼主の脅威になるなら殺せと命じられている。

カルヴァノスにバレないようにこっそり確認したから、多分間違っていない。


だから私は、私の願いを叶えるために、いくつかの計画を立てた。

私はカルヴァノスと交渉し、協力を取り付けることができた。

利用できるものは、なんでも利用しようと思ったからだ。

カルヴァノスが欲しがる対価がどんなものか、まだ提示されてないが、なんだって支払おう。


今回の聖女毒殺事件は、その計画の一つ。


聖女アカリは、お茶を飲んだ後、唇の触れたところを触る癖があった。

今回は、それを利用した。

会議の前には必ず身支度を整える。

カルヴァノスに事前に毒入りリップをすり替えてもらい、会議前にそれを使ってもらった。

もちろん、使った後は、カルヴァノスが処分している。

毒の調合は聖女サラ……ではなく、聖女サラの聖力を模倣した私が調合した。


だから聖女アカリが毒で死ぬのも、聖女サラが犯人として捕まって処分されるのも、全て計画通り。


私の本当の能力は、あらゆるものを模倣すること。

人であれ、物であれ、力であれ、感情であれ、なんでも模倣できる。

そして模倣した力の強さは、元の人物に依存するが、そこから自由に成長させることができる。

また、一度模倣すれば、それは私自身の能力になる。

まさにイカサマ、チートと呼ばれる能力だ。

だからこそ、利用されないために、知られないようにしているのだ。






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