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番外編 協力者の依頼主


皇帝がその知らせを受けたのは、隣国の神殿が何やら怪しい動きをしていたためだ。

大国の皇帝ともなれば、世界各国の、特に近隣諸国の情報を集めるのは、当然のことだった。


情報は、どんな武器よりもはるかに高性能な武器となる。

情報を制する者が、世界を制するとまで言われるほどだ。

情報を集めるために使うのは、皇帝直属の陰か、ある意味信頼できる闇ギルド。


初めは陰を使っていたのだが、聖女召喚などど、いよいよ不穏なことをしでかしたので、よく使う闇ギルドに依頼を出した。

依頼内容は、聖女の能力の確認と、場合によっては消すこと。

皇帝自身、隣国がどうなろうが別に構わないが、帝国に影響があっては困ると考えた結果だ。


皇帝の判断は正しかった。

闇ギルドの者の報告では、神殿と国が癒着しており、聖女を政治に使う動きがあった。

聖女の能力は、調合、治癒、結界、豊穣、祝福の5つ。

どの能力も、国が手を伸ばさざるを得ない力だ。

もちろん、帝国も例外ではなかったが、それ以上に敵に回った時の厄介さに目をつけた。


聖女とそれを擁する神殿や隣国をどうするか悩んでいた頃、急速に事態が動き始めた。


聖女による聖女殺害、市民による聖女殺害、魔虫による飢饉、伝染病、内乱、魔物のスタンピード。


皇帝自身、何も知らなかったら、国の自業自得で済ませていた。

だがこれらは、1人の聖女による緻密な計画の結果だった。


皇帝も、これには非常に驚いた。

この世界のことを満足に知らない異世界から来た聖女が、国1つ潰す計画を立て、着実に進めているのだから。


皇帝は、この聖女をどうするのがいいのか迷った。

たぶん、この聖女は強い。

殺せないと、悟っている。

あと、地味に闇ギルドの者がはしゃいでいるのも、少し気になる。

ここにいたら、遊ぶなと注意していただろう。


闇ギルドの者の機嫌は損ねたくないし、この聖女は殺せない。

皇帝は諦めて、全て見守る方向に方針を変えたのだった。




後に、皇帝は語る。

もっと、聖女と闇ギルドの者の性格と関係性を、調べておくべきであったと。






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