トラック2-04 |図書室でのキス(美羽視点)
「ねぇ……ここで出して」
言葉にした瞬間、
君の顔が一瞬固まるの、ちゃんと見えてた。
「ここじゃまずい?」
小声で聞き返す。
本当は答えなんて分かってるくせに。
「私もダメって言ったのに……やめなかったじゃん」
責めるみたいに言いながら、
内心では、少しだけ楽しくなってるのが自分でも分かる。
「じゃあ下着の上から……当ててみようかw」
軽く言ったつもりなのに、
君の反応が思った以上で、思わず笑いそうになる。
「まさかそんな雑魚雑魚じゃないよね? クスクス」
ここで終わりにしたくなくて、
わざと挑発して言ってみた。
私って、イジワルなセンスあるのかも?
・・・
・・
・
「あれ? なんか顔……我慢してない?」
あー、ヤバいなぁ……
君が我慢してる顔、結構クるかも。
「ねぇ、まだ何人か、こっち見てるよ」
もっと欲しくなって、
いっぱい囁いちゃう。
「今さ、誰か近くまで来たら……絶対バレるよね」
「だって君、今すっごくピクってなってるの、気づいてる?」
「なにかやってるって、気付かれちゃうよ?」
だからわざと、
耳の奥に届くように息を吹きかける。
「ふぅ~~~~~~~っ」
……我ながら、性格悪い
こんな女、絶対彼女なんかにしたくない
「あっ、いま女子3人こっち見てたよ」
「もしバレたら……女子全員に広まるだろうね」
「そしたらもう彼女ムリだね」
でも、なんでだろ
「嫌ならキスの音で誤魔化して」
君なら受け入れてくれる気がして
甘えちゃってる。
「でもしょうがないよね?」
「図書室で勉強している真面目そうな子達に見られながらだもんね」
だからね……
もうちょっとだけ、
「でもダメ。焦らす」
「君がいじわるしたお返し」
……したい事していい?
・・・
・・
・
私、君にひどい事しちゃった
キスしたい、って言っても我慢させて
いっぱい、いっぱい焦らして
君の事、試すような事して
自分だけ、満足して
でも、
それでも
私を見る君の眼は、
何も変わらなくて。
ずっと受け入れてくれた。
「頑張ったご褒美に、キスしながらしてあげる」
耳元で、低く。
「今までで一番の体験、させてあげる」
分かんないけど、
一番だった、って君に言わせたいって思った。
・・・
・・
・
えっと……周りの視線が痛い
ちょっとやりすぎちゃった……かな?
「もう当分、図書室には近寄らないほうがいいかもね」
まぁ図書館は普段来ないし、いいよね?
「それじゃぁ会うのはもう……?」
不安そうな君の声。
「何言ってるの?」
私キモ、即答じゃん。
「残り日数少ないんだし、明日も会うに決まってるじゃん」
でも、そう思ってるの私だけ……?
「フッ……なに? 今日出し過ぎてもう出ない?」
だからすぐに反応が欲しくてからかって
「出るよ」
「そ?さすが童貞君。性欲強いね」
君の声を聴いて安心してる。
自分だって処女のくせに偉そう。
「んじゃ、また明日」
「会う場所は連絡するから」
振り返って。
「またね」
図書室を出てから、
少しだけ深呼吸する。
……やりすぎたかな。
でも、後悔はしてない。
明日も、君と会う。
それだけは、決まってる。




