蘇り
俺は、ベルジーナ王国討伐の英雄として帝都に訪問することとなった。狼のような姿をしていた姿も人の姿に戻した。
まぁ…腕と足を戻しただけで獣人のような姿ではあるのだが。
アルマンド大公の権限によって奴隷の身分から解放され、奴隷紋も消し去られた。ただ、俺は貴族ではないため、賓客扱いとなり、
彼らが乗ってきた宇宙船で帰ることとなった。
そこで…
「申し訳ないのだが…」
「もしや、私が先に殺したせいで宇宙船が動かせないとかですか?」
「言葉を繕わなければそのとおりだ。」
「では、蘇らせれば良いわけですね?」
「…なに?」
俺は想像した、王都前で俺の殺意によって死んだ兵達は自分達がこの星で何を見たかを忘れた状態で生き返る。そしてその際に、魔法を使っているように見えるように巨大な魔法陣が現れる。
巨大な魔法陣と圧倒的な魔力の前に優秀なはずな魔法使いたちが尻込んでいるのが見える。
俺が想像すると、俺の周りに巨大な魔法陣が現れ、その中で兵達が蘇った。
アルマンド大公は驚愕を隠さずに、
「君は人を蘇らせることができるのか?」
「まぁ…制限はありますが。」
そこからだろうか…。
アルマンド大公の言葉遣いが明らかに敬語を使うようになったと感じているのは。
食事も貴族の方々と同じものが提供された。
特に大広間まで来ていた実力のある方々からは船内ですれ違うたびに丁寧に礼をされるようになった。
…なんか気持ち悪い。




