帝国
ようやくギエール帝国に到着した。
そういえば、俺の名前が決まった。ヒイロ・デルインフェルノ。とんでもない名前になったもんだ。英雄と地獄の王が名前の中にあるなんて。
見た目はス◯ー・ウォーズにでてくる未来都市によく似ている。俺はつい、警戒心を強めてしまった。
「ヒイロ。落ち着け。ここにはお前に手出しできるやつはいない。」
アルマンド大公様は怒るわけではなく、俺を諌めてくれた。
そうか…そうかも知れない。
俺は深呼吸を何度かして、落ち着きを取り戻すと俺の周りに宿っていた警戒心とともに漏れていた魔力が戻っていた。
そんな俺を確認すると…
「それでは行こうか。」
大公様に付き従って宇宙船を降りるとそこには圧巻な光景が広がっていた。
数百…数千では効かない。何万…何十万の武装した兵が一糸乱れる姿で整列していた。
俺達が進んでいくと全員が敬礼しだした。
圧巻だった。一人一人の戦闘力というか強さ自体はそれほどでもない。よっぽどベルジーナ王国の兵士のほうが強い印象があるがそれでも…これだけ集まると。
そして俺達は用意されていた豪華に装飾されている車?タイヤのない車に乗り込んだ。
「大公様。先ほどの彼らはいつもあそこにいるのですか?軍部用のドッグにはあれだけの数の兵が常駐しているのですか?」
「圧巻だったろう?彼らのほとんどは技師だ。勿論、兵士もちらほらいたが。」
技師だったのか。どうりで…
「何故その様な疑問を?」
「いえ…ベルジーナ王国の兵士と比較致しまして…」
「やつらのほうが強かったか?」
「ええ…まぁ。」
「それはそうだろうな。だからこそ、奴らとの戦闘は非常に長引いていたのだ。数では圧倒的に優勢だったのにもかかわらず、こちらだけが消耗していた。だが、始めてしまった戦をこちら都合で終わらせる方法は、勝利しかなかった。だからこそ、君には本当に感謝している。」
「それは…まぁ…」