襲来
あの日…
いつもと変わらない日常…
突然俺達の生活を一変させる事件が起きた。
宇宙からの侵略者…
俺達が宇宙人と呼ぶ存在が地球に攻め寄せていた。突然の襲来に世界は初撃をかわすことができなかった。
各国の核戦力は全て抑えられてしまい、その他の軍事基地の多くも多大な被害を受けた。
誰もが何もできずに奴らの侵攻の前に成すすべも無かった。
俺達は一人残らず奴らの奴隷となった。
全員に手錠がかけられた。
若い男性は、宇宙船に乗せられた。反抗しようとした連中は、全員殺された。俺はその光景を見て、死ぬ恐怖心から奴隷としての立場を受け入れてしまった。
その後にどんな運命が待つかも知らぬうちに…
それから半年が過ぎた…
俺は帝国の奴隷部隊の一員として戦っている。俺以外の部隊の奴らは皆死んだ。
何万にもいたのに…
彼らは皆ようやく解放されると、嬉しそうに死んでいった。
俺もおそらく明日、死ぬことになるだろう。
武器も食料も底が尽きた。残すのは、俺達の飼い主であった司令官が持っていたブラスターだけだ。それも一発だけ。
「これで…俺も解放される。」
俺はこめかみに銃口を押し当てると、ふと目をつむった。脳裏に浮かぶのは、親と過ごした楽しい日々。同級生と取り組んだ部活動。
多くのお客様の笑顔を見ていた仕事の日々。
本当に楽しかった…
「さようなら…」
俺は引き金を引いた。