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「おいしいカレー」の作り方

作者: 八百坂藍

「カレーを作ります。」

そう女性が宣言した時、沈黙が流れた。

「簡単でいいね、作ろうか」

「違うの」

宣言された意味がわからずとりあえず賛成したら否定された。

「おいしいカレーを作ります。」

「おいしいカレーねぇ…どうするの?」

「まずはいいものを作って考えます。」

OK。出来る限り純粋にいい素材のカレーを作ろう。

スパイスを手作り(既に純粋か?)、牛肉、にんじん、じゃがいも、玉ねぎを用意して、順序通り作っていく。

そして出来るだけ煮詰めた。(4時間)

「いただきます」

「おいしい」

「これ結論でいいんじゃないのか?」

初手から普通のカレーより明らかにおいしいのが出来た。

「てかどっちかって言うとスパイスが市販と違う味出してるからこう感じるのでは…?」

「え、そう言う考えが出るなら市販のカレールーに制限したらよかったんじゃ」

「うるさい。」

頑固だ。気になったら止まらない質だから仕方ない。

でも止める。

「でも今日はこれで終了だ。2人とも腹一杯だ。」

「むぅ。」

渋々諦めた。



次の日、仕事から帰ってきた家の玄関を開けた時点でカレーの匂いが鼻を抜けてきた。まぁまぁ、気になったから作るよなぁ、あいつは。ちょっと笑みが溢れる。

「今日はどんなカレー?」

「最愛の家族が作ったカレーですよ」

リビングに入るとさぁ食えと言わんばかりに盛り付け始める。

ちなみにいつもは風呂に入ってから自分で盛り付けて食べている。正直風呂には入れて欲しかったが、感想が聞きたそうにされてる今風呂に入るとは言えないな。

「いただきます」

見た目は正直言って普段のカレーだ。うん、市販のルーに変えた事以外昨日と大した変化は見られない。

「おいしいよ」

「昨日と今日どっちがおいしい?」

うーん。

「昨日。」

「わかった。情報を加えてもまぁ私には影響ないしそう言ってもらえてよかった。」

あぁ、そういう…。

「明日は」

「夜はカレー。」

「せめて変わり種がいいなぁ…」

こんな感じで1週間、夜はカレーだった。




次の週からの夕飯はカレーではなかった。

飯を作ってくれてることには感謝しかないが食い飽きかけてるところだったので、なんだか普段より美味しく感じた。

「おいしいカレーは出来たの?」と聞くと

「まだ途中、試したい事全部試すわ。」

そう言ったのとは裏腹に、その月に我が家にカレーが出てくることはなかった。



『夕飯何食べたい?』

そう言ったラインが昼休みに来ていた。

『カレー』

作らないのには理由があるとは思うが、それはそれとしてカレーは食べたい。断られるかもしれないが

『わかった』

と即返事が来たのでそういう計画だったのかも。

そう後昼の作業を終え、ウキウキで帰宅する。

「今日は先に風呂に入らせてくれ」

「わかった」

俺自身食べたい気持ちもあったが今日は汗だくだったのでまずは風呂。

その後リビングへ。

待っていたのは2日目の時のいつものカレーである。

「いただきます」

食べる。おいしいのと共に一つの結論が頭の中で出来た。

「俺の中で結論が出たんだけど。」

「何?」

「このカレーが1番おいしいんじゃないか?」

そういうと笑った。

「私もそういう結論になった。」

住み出してから味の好みでたまに相違が出る自分達が、このカレーに対して文句を言うことはここ数年なかった。

とても当たり前のことだが、何年も味について2人して文句を出してないカレーが不味い訳がないのだ。

結局2人の好みでおいしいカレーはこの味だったのである。

我が家にはこれからも、定期的に「おいしいカレー」が出る。

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