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マノゼノ大戦  作者: シュート
4章:勝利の方程式
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第1話:任務はいつも突然に

「はぁ……」


 東方との戦いから数日後。雷電は何も無い自分の部屋のベットで独りごちていた。あれから雷電は裏方の仕事に周り、エラーを倒していく日々が続いている。

 ふと雷電は他のアーク達が心配になっていた。昨日は無事だったとしても今日が無事だとは限らない。その事はアークゼノと戦って感じたことだ。


 プルルルルル……プルルルル……


 突然静寂を割くように電話が鳴った。こんな時間に電話が鳴るということはまた緊急なのだろうか。

雷電すぐさま電話に出る。すると御剣の声が聞こえてきた。


「幻夢、幻夢! 緊急事態だ! 外へと向かいながらオレの話を聞いてくれ。第二南都大学の近くでエラーの多数の影を確認した。幻夢、処理を頼むぜ」


 雷電は言われるがままに無限(インフィニティ)を掴んで外への廊下を走っていく。額から首にかけてゆっくりと汗が落ちる。火傷の傷は完治していなかったが、そんなことはどうでもよかった。


「分かりました。しかしどうして僕に――」


「なぜって今第二南都大学にいるのがオレと幻夢しかいないからだ」


 御剣は間髪入れずに言い放つ。声からしてかなり余裕がないことがはっきりと分かる。


「幻夢、今から外へ転送するぜ。今いる場所から動かないでくれよな」


「わ、分かりました」

 

 雷電がその場に止まると突然視界が光によって奪われた。そして目を開けた時にはどこか別の場所にいた。


「きゃぁぁぁ! 」


 近くで絹をさくような悲鳴が上がった。どうやら悲鳴をあげたのは女性のようだ。

 もしかしたらエラーに襲われているかもしれない。雷電はそう思いながら意を決して悲鳴の聞こえる方へと向かう。


「誰かぁ! 誰か助けて! 」


 しばらく走っていると女性がエラーに襲われているのが見えた。女性とは面識はないが、助けなければならないという意識が全身へと駆け抜けていく。


 雷電は無限(インフィニティ)を構えると体当たりする。運良くエラーは気づかずこちらの突撃によって槍がエラーの体を貫いた。

 雷電は倒れたエラーを横目に槍を引き抜くと女性の方を向く。


「あ……あなたは…………? 」


 女性は震える声でぽつりと呟いた。女性はまさか誰かが助けてくれるとなんて思ってもいなかっただろう。雷電は倒れたエラーに刺さっている無限(インフィニティ)をまっすぐに引き抜く。


「大丈夫ですか? 」


 雷電らニコリと笑って手を差し伸べる。しかし女性はこちらの顔すらも見てくれない。


「あ、貴方の名前は…………? 」


 女性は震えた声で名前を尋ねてきた。彼女の困惑した目がこちらを見つめている。


「僕の名前は雷電幻夢です。実は――」


「クギャァァァァ!!! 」


 そう言いかけた時、エラーの声が雷電の言葉をかき消す。後ろを振り向くと二体のエラーがこちらに襲いかかろうとしていた。


 雷電はとっさに槍を構えずに足元を払う。そしてよろめいたところを突くように槍で突き刺した。一体目は体を貫かれたが、残りの一体がこちらに向けて鉤爪を振り下ろそうとした。


 僕は槍を引き抜くと攻撃を槍で受け流す。そして胴体を目掛けて槍を突き刺した。もう片方のエラーもそのまま槍で貫かれて絶命する。


「流石だ。その槍さばき……相当手馴れているな? 」


 突然聞き覚えのない声に思わずそちらの方を向いた。そこには黄色の髪の毛をした大男がいた。彼の手には棍棒が握られており、並々ならぬオーラを漂わせている。


 アークゼノ――

ふと雷電の頭にその単語が文字ではなく音声として蘇ってくる。どこか嫌な予感を感じ、恐怖で足がすくんでいた。

 男の目つきの悪い瞳が威圧するかのようにこちらを見つめている。


「君は何者なんだ」


 雷電はビクビクしながら訊ねた。しかし男はしばらく無言のまま黙り込んでいる。


「何者なんだ! 」


 雷電はあまりにも苛立ち、男に訴えかける。すると男はぽつりと答えた。


「……それは教えられない。なぜならお前はここで死ぬからだ」


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