表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

インダス文字(5.ドラヴィーラの看板ほか)

作者: 板堂研究所(Bando Research Corporation)

12月9日、「5.(2)」、「8.」、「10.」に加筆修正しました。


12月08日、「ドラヴィーラの看板」に加筆修正。

11月3日、末尾の「10.」に「α」を取り入れ、加筆修正。

10月31日、「ドラヴィーラの看板」に加筆修正。

10月25日、末尾に「10.」として、NHKテキストに掲載された印章を追加。

10月4日、「ドラヴィーラの看板」に、加筆修正。

 5.日向数夫編「古代文字」


 グラフィック社の図録(2014年)。インダス印章の写真から。


(1)131頁、下段中央の小さな写真。左を向く豚。


 〇 左端から縦棒が4本並ぶところ、右端は、SUに似ているので、左からSANSU/ SUSANと読み換える。

 〇 右から2番目は、合成記号でWA-ME/MA-NI。

 〇 中央の記号は、TASI/ YOMETASI。しかも上部に、半分、角が見えるので適宜、WAを読み加える。


(左から右へ)SANSU/SUSAN U-SI SITA-WA RAKU-NI WA-ME/MA-NI U

 算数し、私、楽に間に合う。


(右から左へ)U ME/MA-NI-WA NI-KURA SITA-WA NI-SE-NO SANSU

 埋めには、憎らしいわ、偽の算数。


 繋げれば「計算したので、私、楽に帳尻が合う」。「矛盾を埋めるのに、憎らしいわ、計算をごまかして」と解釈できる。豚の肩や腰に多数の斑点が有り、数えたくなるので符合しよう。 


(2)131頁、右下の角の写真。左向く一角獣の印章。


 130~131頁の最上部に、文字列だけ大きく再現されている。A.パルポラ「第2巻: Pakistan」の12頁、M-629A。


 〇右端のテーブル型の記号は、台と見做しDAI/IDA。

 〇右から3番目は、キツネの漫画を縦にした合成記号で、NOYOMESE/ NOSEYOME。


 〇右から4番目の記号は(130~131頁の最上部ではTAWAだが)良く見ると、縦の「目」の中に短い縦棒があるので、TAWASIME/SIMETAWA。


(左から右へ) MASUME/WOTOME NI MESAMU TAWASIME NOYOMESE U DAI

 乙女に目覚め、「私の、嫁(に来て)頂戴」。


(右から左へ) DAI U NOYOMESE SIMETAWA SAMUME NI MASUME/WOTOME

「大夫の嫁、せしめたわ」と寒めに、娘。


 合わせれば、「乙女に目覚め、『私の嫁(に来て)頂戴』。『大夫の嫁(の地位)、せしめたわ』と冷静な娘」。

 右から3番目のキツネの様な合成記号は、角隠しを被る「嫁」の姿を兼ねており「キツネの嫁入り」の民話に通じよう。



 6.「世界の文字の物語」(古代オリエント博物館、大阪府立弥生文化博物館編集・発行。2017年3版)22頁。


(1)「ドラヴィーラの看板」


「Cracking The Indus Script: A Potential Breakthrough」で検索すると、冒頭に登場する。1991年に発見されたもので、近藤英夫「四大文明[インダス]」(NHK出版。2000年)の87~97頁に、長澤智美による現地取材の記録あり。古代のドラヴィーラの北門入り口の上に掲示された看板と見られている。

 記号が横に10個並ぶ。車輪の様な、KAの記号が全部で4つあり、右端近くで2つ連続する。 


(ア)素朴な読み方


 10個の記号に、左から右へ、①から⑩まで番号を付せば、次の通り。


 ①及び④、⑧、⑨ は、KA。

 ②NA/NE。

 ③MOU。

 ⑤WO。

 ⑥KE。

 ⑦SI。

 ⑩SA。


(右から左へ)SA-KA-KA-SI-KE-WO-KA-MOU-NA-KA

 さかかし けを か もう なか(逆毛をかまう中)


(左から右へ)KA-NE-MOU-KA-WO-KE-SI-KA-KA-SA

 かね もうかを けしかかん さ(金儲けをけしかけるさ)


 これならまるで「金儲け話の情報交換も売り」とする床屋の看板である。因みに南インドのカンナダ語(ドラヴィダ系言語)では、「資産」(asset)は、SAMPATTUである由。


(イ)表情の変わる漫画


 SAKA(逆さ)をヒントに、看板の右端を上に、縦にして見ると、中央寄りに、ストレス過剰な表情で、人の顔の漫画が登場する。(KEが両目、WOが口)これは床屋で、絡んだ髪を解いてもらう際に痛みを感じる表情だろう。右端のSAは、ハサミの様な道具、その左隣のKAKAは絡んだ髪の毛を表し、ちょうど顔の上に登場する。

 逆に看板の左端を上に、縦にすると、やはり顔の漫画が登場するが、今度は安堵の表情である。(KEが両目、SIが口)髪の毛の手当が終了したに違いない。


(ウ)読み換え(その1)


 論文掲載用のウェブサイトで、この話を海外の研究者に披露したら、この看板はドラヴィーラの北門入り口に高く掲載され、訪問者へメッセージを送った筈なので「床屋の看板」では不十分との反応だった。そこで再度、検討し、次の修正を加えた。


 〇 KAと読んだ、記号①及び④、⑧、⑨につき、半月を槍で突く記号(TU)を2つ合わせた記号と見做し、TUKINI/ TUKIAIと適宜、読み換える。


 〇 記号⑩(SA)は、合成記号MASAとする。


 すると右から左へ、次の通り。


 MASA (KA- TUKINI)/(NI-TUKIAI) SI KE WO KA MOU NA KA

 まさか、ツキ/月に!/まさにつきあい、時化をかまう中(金儲けをけしかけるさ)


(エ)読み換え(その2)


 〇 KAと読んだ、記号①及び④、⑧、⑨は、(EN)の中に、十字(RO)+ 支線(I/YA/SI/NO)と捉え、EN-RO-(I/YA/SI/NO)と適宜、読み換える。


 〇 SAと読んだ記号⑩は、合成記号SAMUとする。


 すると、右から左へ、次の通り。


 MUSA KA EN--RO-(I/YA/SI/NO)SI KE WO KA MOU NA KA

 まさか(の)遠路や、時化をかまう中(金儲けをけしかけるさ)


(オ)精密な読み方


 上記②(NA/NE):上部の長方形を(MASU)、支えの縦棒を(I/YA/SI/NO)とし、MASU-(I/YA/SI/NO)、と読み換える。


 上記③ (MOU): (4+2) 本の縞模様があるので、MOU-YONI。(2×3)本とすれば、MOU-NISA。

 上記⑧と⑨:2つ合わせて、KA-NIと読み換える。


 〇 右から左へ


 MUSA-KANI- SI-KE -WO-KA-MOUYONI-SUMAI-NITUKI/ KA

 寒気に、時化をかまう世に、住まいに、ツキ/着きか。


 〇 左から右へ


 KA-NE/MASUYA-NISAMOU-KA-WO-KE-SI-KA-KA-SA

 金、増すや。兄さん、儲けをけしかけるさ。


(カ)まとめ


 以上を繋げれば、


「まさか、ツキ/月に! まさかの遠路や、寒気に時化をかまう世に、住まいに着きか! 金増すや。兄さん、まさにつきあい、儲けをけしかけるさ」。


 となり、移住者の勧誘と解釈できる。インダス河流域から見れば、ドラヴィーラは当時、南方の小さな島であり、人口と経済力の維持・増大のため、この看板で宣伝したのだろう。

 この文脈で文字列を見れば、4つの車輪の様なKAの記号は、移民の荷車の漫画となる。また(イ)の通り、看板を縦にすると、人の顔の漫画が現れるが、右端を上にした場合に見られる、ストレス過剰の表情は「時化」を表し、左端を上にした場合の安堵の表情は、緊急避難して世話になった結果だろう。



(2)右下の印章


 左向く一角獣の印章。右端の記号は、RYOの上部にUでRYOUだろうが、印章の右端上部の破損で、Uの右側が欠けている。これを意図的な損壊と見做し、「不」、「破損」、「端欠き」等を読み加える。一角獣の角は、SI/ YA。


(右から左へ)次の2通りに読める。


 不 RYOU NIME YA(不良! 逃げや)


 不 RYOU MENI SI(不良、目にし)


(左から右へ)やはり、2通りに読める。


 YA MEMA RYOU 破損 (やめましょう、は損)


 YA MEMA RYOU 端欠き (やめましょう、恥かき)


 繋げて解釈すれば、


(ア)不良! 逃げや。「やめましょう」言うのは、損。

(イ)不良を目にし、「やめましょう、恥かき!」。


 不良に出会った場合の対応として、2通り示唆している。右端の RYOUの記号が、不良の漫画を兼ねている。



(3)左下の印章


 左向く一角獣の印章。6本の縦棒を(1+2+3)/(2+4)/6本に分け、読み換える。左手の三角形の記号は NA/NE+(横縞3本で)MI/SAN。一角獣の角を NO/SI/YAとする。また一角獣の耳を短い縦棒2本と見做し、適宜 RA/NIと読み込む。


(ア)6本の縦棒を(1+2+3)に分ける場合。


(右から左へ)U SI-RA-MI NA-SAN/MI NO (うちら、皆さん/ 南の)


(左から右へ)SI RA NA-MI SAN-NI-SI U (白波三人衆)


 繋げれば「うちら、皆さん、南の白波三人衆」。


(イ)6本の縦棒を(2+4)に分ける場合。


(右から左へ)USI RA-YO NA-MI NI (うちらよ、波に)


(左から右へ)SI RA NA-MI NI-YO U (白波に酔う)


 繋げれば「うちらよ、波に、白波に酔う」。


(ウ)6本の縦棒をMU/ROと読む場合。


(右から左へ)U MU NE-MI YA (産むね、見や)


(左から右へ)YA MI-NE RO U (闇値を狙う)


 繋げれば「産むね、見や。闇値を狙う」。


(エ)全てを繋げれば「うちら、皆さん、南の白波三人衆。うちらよ、波に、白波に酔う。産むね、見や。闇値を狙う」。当時の流行歌か舞台の演目で、さしずめ「白浪5人男」か。



 7.大城道則編著「図説 古代文字入門」(河出書房新社。2018年)



(1)牛の印章(86頁)


 牛が怒った様子で上部を睨み、背中の毛が反り立っている。


(上段)


(左から右へ)SO RI TA KI KE NO RYU U

  剃りたき/反り立つ 毛の 理由


(右から左へ)U RYU NO KE KI TA RI-SIME SO

  売る気配、来たりし、締め(られ)そう。


(下段)


 左端の縦棒4本はYO、あるいは(2+2)本と見做してRA-NI。その右隣は「男」と「木」の合成記号で、OKI/ KO-O。右端の記号は、重なる「目」の中央に短い縦棒、加えて四隅に縦棒で、SI-NIME-YA、あるいは縦棒を合計(3+2)本として、MI-NIME-NI。


(左から右へ)YO OKI SAMA SINIMEYA

 よう、貴様は死に目や


(右から左へ)MINIMENI SAMA KOO RANI

 惨めな様が、甲羅(背中)に


 上下を繋げて通読すれば「毛が反り立っているが、理由は、売られる気配があり、締められそうだから」。「よう、貴様は死に目だ。惨めな様子が、背中に表れている」。

 この牛は、さんざん畑仕事に使われた挙句、これから肉牛として売られる運命。人間の残酷な仕打ちに対し、怒りを露わにしているのだろう。良く見ると、頭の下の飼い葉桶が空である。



(2)一角獣の印章(114頁)


 パルポラ「第1巻:インド」の12頁、M-18A。またAmit Sengupta Indus Sealsで画像検索すると登場する。右端の合成記号を分解すれば、屋根はRI、加えて(SI-SAN)+TI+NU、あるいは(SAN-ZAN)+NI/(I-SI)、と読める。すると次の通り。


(右から左へ)SAN-ZAN-I-SI U-SENI SI-SAN

 散在し、失せに資産。


(左から右へ)(SI-SAN) U RI-SAN-ZAN-NI

 資産売り、散々に。


 繋げれば「資産売り、散々に散在し、失せに資産」。一角獣が怒った表情なので、教訓と見られる。



 8.「詳説 世界史B(改訂版)」(山川出版社。2019年発行)


 インドの古代文明を解説した53頁に掲載の印章。ネットでは「The Earth is Mysterious, The mystery of Indus script」で検索すると、冒頭に15個の印章が登場するが、そのうち上から2段目、左から2つ目の印章。


(1)試し読み


 大意を掴む為、複雑な記号を簡略化して読めば、次の通り。


(左から右へ)


 MAKE-SO I-YA NI/RA TA RI/TARI MA-SE MI SO NI/RA NA YOSE U/USENI

 負けそう、いや、似ている、たまらんぜ! 溝に、な、寄せ(て)失せに。 


(右から左へ)


 U/USENI  SESI NA NI/RA SI SAN ME-SE RI TA NI/RA NI MAKE-SO

 失せしなら 資産、召せりたら、逃げましょう。


 以上から、アラン・ドロン主演の昔の映画「太陽がいっぱい」に類する話と判明する。


(2)音価


 上部に12個の記号が並ぶところ、左から右へ、番号を付せば、次の通り。なお、(I/YA/SI/NO)は、αと略す。


 ①左端。弓形を5本合わせた記号:分解すれば、左端がSO、その右側が、MAKEと見られるが、全体が中央で折れている事にも着目し、SO+MAKE +2α +ORE、とする。


 ②二本の短い縦棒:NI/RA/HASI。


 ③二本の長い縦棒:NI/RA/HASI。


 ④「魚」の記号:TA/ [ME-(SI/YO)]/ SAKANA。


 ⑤「魚」の記号に屋根:RI。


 ⑥「目」の記号の中に「穂先」の記号:(ME/MA)-SE。


 ⑦短い縦棒3本:MI/SA/DI/KAWA。


 ⑧弓型の縦棒:SO/α。


 ⑨長い縦棒2本:NI/RA/HASI。


 ⑩四角い果物の記号:NA/NE。


 ⑪「穂先」の記号で「羽」が4本:(YO/SI)-SE。


 ⑫右端。「牛の頭」の記号:U/ USENI/ USENIWA。


(3) 解読


(左から右へ)


 SO+MAKE +2α +ORE  NI/RA/HASI  NI/RA/HASI

 TA/ [ME-(SI/YO)]/ SAKANA  RI (ME/MA)-SE  MI/SA/DI/KAWA

 SO/α  NI/RA/HASI  NA/NE (YO/SI)-SE  U/ USENI/ USENIWA


 ORE-SINI-MAKESO NI NITA RI MASE KAWA NO HASI NE/NA SEYO USENI

 俺氏に、負けそうに、似ておられる。川の橋ね。なせよ、失せに。


(右から左へ)


 U/ USENI/ USENIWA (YO/SI)-SE  NA/NE  NI/RA/HASI

 SO/α  MI/SA/DI/KAWA (ME/MA)-SE  RI TA/ [ME-(SI/YO)]/ SAKANA  NI/RA/HASI  NI/RA/HASI

 SO+MAKE +2α +ORE


 U SESI NA RA SISAN MESE RITARA NI KEMASO-ORE-ISI

 失せし(失踪)なら、資産をせしめて、逃げましょう、俺、必死。


 繋げれば「俺氏に、負けそうに似ておられる」。「川の橋ね。なせよ、失せに」。「失踪したら、資産をせしめて、逃げましょう。俺、必死」。


(4)読み換え


(ア)上記②と③の記号を合わせ、4本の縦棒と見做して、SI/YOとする。


(左から右へ)


 SO+MAKE +2α +ORE  SI/YO  TA/ [ME-(SI/YO)]/ SAKANA  RI (ME/MA)-SE  MI/SA/DI/KAWA

 SO/α  NI/RA/HASI  NA/NE (YO/SI)-SE  U/ USENI/ USENIWA


 MASONOKEYA+ORE SI/YO TA RI MASE SAN SI NI NA SEYO U

 まあ、その気や。折れた酔っ払いさんを、死に至らせよう。


(右から左へ)


 U/ USENI/ USENIWA (YO/SI)-SE  NA/NE  NI/RA/HASI SO/α  MI/SA/DI/KAWA (ME/MA)-SE  RI 

 TA/ [ME-(SI/YO)]/ SAKANA  SI/YO SO+MAKE +2α +ORE


 U SEYO NA NI SISAN MISE RITA SIYO MAKESO-ORE-SIYA

 ウソよ。何、資産、見せりた。容姿、負けそう、俺氏や。


 繋げれば「ウソよ。何、資産、見せた。容姿、負けそう。まるで俺氏や」。「まあ、その気や。折れた酔っ払いさんを死に至らせよう」。


(イ)右端、⑫の「牛の頭」の記号が、細長く、上部が縊れている事に着目し、TUBOと読み換える。


(左から右へ)


 SO+MAKE +2α+ORE  NI/RA/HASI  NI/RA/HASI  TA/ [ME-(SI/YO)]/ SAKANA  RI (ME/MA)-SE  MI/SA/DI/KAWA SO/α  NI/RA/HASI  NA/NE (YO/SI)-SE  TUBO


 ORE-SINI-MAKESO NI NITA RI MASE KAWA NO HASI NE/NA SEYO BOTU

 俺氏に、負けそうに、似ておられる。川の橋ね。なせよ、没。


(右から左へ)


 BOTU  (YO/SI)-SE  NA/NE  NI/RA/HASI SO/α  MI/SA/DI/KAWA (ME/MA)-SE  RI 

 TA/ [ME-(SI/YO)]/ SAKANA  NI/RA/HASI  NI/RA/HASI  SO+MAKE +2α+ORE


 BOTU SEYO NA RA SISAN MESE RITARA NI KEMASO-ORE-ISI

 没せよ。なら、資産をせしめて、逃げましょう、俺、必死。


 繋げれば「俺氏に、負けそうに似ておられる」。「川の橋ね。なせよ、没」。「没せよ。なら、資産をせしめて、逃げましょう。俺、必死」。


(5)まとめ


 全てを繋げれば、次の通り。


「俺氏に、負けそうに似ておられる。たまらんぜ!」。「ウソよ。何、資産、見せた?」。「容姿、負けそう、まるで俺氏や」。「川の橋ね。なせよ、没」。「まあ、その気や。折れた酔っ払いさんを死に至らせよう」。「没せよ。そうしたら資産をせしめて、逃げましょう。俺、必死」。


(6)漫画


 この印章を、上下逆さまに見ると、一角獣の首に、魚が一匹、掛かっている様に見える。(一角獣の鼻が、魚の目に変貌)然るに、上記②から④の記号は、左から右へ、HASI NI SAKANA、とも読めるので、符合する。記述の文脈から「橋に、魚(酔っ払い)が乗ってしまったのなら、水に戻したら良い」とのメッセージだろう。



 9.中村元「古代インド」(講談社学術文庫。2004年)より


 33頁に写真掲載の3つの印章について、次の通り。


(右側の印章)


 パルポラ「第1巻:インド」の7頁、M-8A。左向く、背中の黒い一角獣が登場する。左端の6本歯の記号は、HA + ROKU/「2×3」と考える。


(右から左へ) MITI HO HA-KURO(満ち帆は、黒)。


(左から右へ) NISAN-HA HO MITI(兄さんは、帆が満ち/不死身)。


 合わせれば「兄さんは、不死身。満ち帆は黒」となり、ギリシャ神話で、クレタ島に遠征して怪物ミノタウロスを退治した英雄テーセウスが、父王との「生還なら白い帆で」との約束を破り、黒い帆を掲げてアテネへ帰還し、父王の自殺を招いた物語の一節と判明する。

 一角獣の頭の下の「譜面台」を船に見立てれば、帆に相当する上の部分が黒いので符合する。また印章の右端、一角獣の背後に「亡霊」が淡く描かれているが、この文脈なら、テーセウスの帰還を待つ父王アイゲウスで、黒い帆を認めて崩壊する姿かも知れない。一角獣は、不気味な表情であり、テーセウスが、早期の王位継承のため、意図的に黒い帆を掲げたのではないか、と疑いたくなる。


(真ん中の印章) 「四大文明展」図録の印章(336)に同じ。


(左側の印章)


 右向く、痩せた一角獣が登場する。左側の記号は、YOSE。一角獣の長い角をSI/YA、また角の根元の耳と目をMEと読み込む。


(左から右へ)左端の記号、中央の縦棒4本、耳、角、目の順に、

  YOSE YO ME YA ME(よせ、嫁。やめ)


(右から左へ)角、耳、目。縦棒4本[1+(YASI)+2]。そして左端の記号の順に、

  SI NIME I-YA-SI-NI SEYO(死に目、癒しにせよ)。


 繋げば「よせ、嫁。やめてくれ。死に目なので、癒しにせよ」。一角獣の長く、くねる角、また耳と目が怪しげな漫画となり、嫁が何を求めていたのか示唆している。



 10.NHKテキスト「3か月でマスターする古代文明」(2025年10月)

 (69頁下方の、2つの四角い印章)


(1)右側


 右下の角が欠けている。ヤギの様な、曲がった角(2本)の動物が、右を向く。背中の上方に、2つの記号。更に右端寄りに、2本の曲がった角が連なる。


(ア)音価


 棒線/支線に特徴的な音価(I/YA/SI/NO)は「α」と省略する。


 左側の「目」記号:MASUME/WOTOME。

 右側の縦棒2本:NI/RA/2α。

 2本の角:(TUNO-NI/RA)/WANI。


(イ)解読


(右から左へ) (TUNO-NI/RA)/WANI  NI/RA/2α  MASUME/WOTOME

  (庭に、娘/乙女)


(左から右へ) MASUME/WOTOME  NI/RA/2α  (TUNO-NI/RA)/WANI

  (乙女に、つのらん)


「庭に、乙女。乙女に(思い)つのらん」。ヤギを乙女に見立てているのだろう。


(ウ)読み換え(2本の角)


(a)湾曲した角をそれぞれ、SOとし、2本並ぶので、NI/RAを加える。


(右から左へ)SO-(NI/RA)  NI/RA/2α  MASUME/WOTOME


 ⇒  SORA NIYA MEMASU (空に矢、見ます)


(左から右へ)MASUME/WOTOME NI/RA/2α SO-(NI/RA) (乙女に矢、そら)


「乙女に矢、そら」。「空に矢、見えます」。


(b)角をそれぞれ、縦と横の支線に分け、4(I/YA/SI/NO)とし、2本あるので、NI/RAを加える。


(右から左へ)4(I/YA/SI/NO)-(NI/RA)  NI/RA/2α  MASUME/WOTOME

 ISINOYANI NIRA MEMASU (石の様に、睨みます)


(エ)まとめ


「庭に、乙女。乙女に(思い)つのらん」。「乙女に矢、そら」。「空に矢、見えます」。「石の様に、睨みます」。


 乙女の心を射ようとしたが、的から外れた、との趣旨。挿絵のヤギは、矢を追跡し、飛んだ方向を見ているのだろう。ギリシャ神話に登場する、キューピッドの矢を想起させる。


(オ)漫画


「石の様に睨みます」をヒントに、上部中央の縦棒2本のうち、左側の縦棒の上に指を置き、印章の左側を隠すと、右側に、獰猛な魚/獣が、口を大きく開いた漫画が現れ、石の様に見える。乙女の親が、睨むのだろうか。


(2)左側


 2本の角を付けたトラが、首を上げて右を向く。背中の上方に、3つの記号のクラスター。右端の方で、2本の角がこれに並ぶ。


(ア)音価


 トラの肩の上の、屋根付き「魚」記号は、周囲の「雨つぶ4滴」と合わせる。文字列の左から右へ、番号を付せば、次の通り。なお支線に特徴的な音価(I/YA/SI/NO)は「α」と省略する。


 ①「男」が「ボード」に乗った記号:(OTOKO/O)-α。腕から、右方向に短い横棒が出ているので、更に、αを加える。


 ②弓型、3~4本の束の様な記号:上部—折れ-下部と分ければ、上部(3本の「バナナ」)は、TI/[(MI/SAN)-YORI]。下部(4本の足)は、SI/YO。合わせれば、TI/[(MI/SAN)-YORI]-ORE-(SI/YO)。


 ③上記②の右肩の、「雨だれ」:2つとすれば、NI/RA。1つとすれば、α。


 ④屋根付きの「魚」記号+「雨つぶ4滴」:(RI/TA)-(YO/SI)。


 2本の角:WA/WASI。


(イ)解読


(右から左へ)


 WA/WASI  (RI/TA)-(YO/SI) (雨だれ) TI/[(MI/SAN)-YORI]-ORE-(SI/YO)

(OTOKO/O)-2α


 〇 シワ寄りた、やや、しおれし親や。 

 〇 (角を省けば)たよりしや、身寄り、しおれし親に。

 (あるいは)頼り氏の身寄り、俺氏、いい男。


(左から右へ)


(OTOKO/O)-2α TI/[(MI/SAN)-YORI]-ORE-(SI/YO) (雨だれ)

(RI/TA)-(YO/SI)  WA/WASI


 親の資産より俺や、頼り氏は。


(ウ)読み換え


 記号④:魚記号を分解し、RI+ME+4α。周囲の「雨つぶ」4滴を、YO/4αとすれば、合わせて、MERI-4α-YO/4α。


(右から左へ) 「2本の角」を省略して読む。


 MERI-4α-YO/4α (雨だれ)TI/[(MI/SAN)-YORI]-ORE-(SI/YO) (OTOKO/O)-2α


 YASINOSI-YOMERI YA  TI/[(MI/SAN)-YORI]-ORE-(SI/YO) (OTOKO/O)-2α

 野心の氏、読めりや。俺/折れ、資産より、良い男。


(左から右へ) 「2本の角」は省略。


(OTOKO/O)-2α TI/[(MI/SAN)-YORI]-ORE-(SI/YO)(雨だれ)MERI-4α-YO/4α 


 O-NI-YA SI-SAN-ORE-YORI YAYA IYASINO-MERI-YO

 鬼や、「俺、資産寄り。やや、卑しいのめりよ」。


(エ)まとめ


 〇 シワ寄りた、やや、しおれし親や。便りしや、身寄り、しおれし親に。

 〇 「親の資産より俺や、頼り氏は」。

 〇 野心の氏、読めりや。「俺、折れ資産より、良い男」。

 〇 「鬼や、俺、資産寄り。やや、卑しいのめりよ」。


 トラの首の下には、財宝の集積らしい置物があるが、角の生えたトラが寄りかかる結果、置物(財産)が右に押され、傾くので「鬼や、俺、資産寄り。やや、卑しいのめりよ」と符号する。トラは「ドラ息子」を表すのだろう。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ