表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ご都合主義なんてありません  作者: よーや
第一幕 二章~異世界転移の場合~
21/54

異世界転移の場合┈┈case-8


よろしくお願いします。




校内の秩序を守る。

それが風紀委員としてのおれの役割。



学校的に見たらとてもいい事。

生徒的に見たら余計なお世話。



でも必要な事だと思うから注意する。

悪い事は悪いと指摘する。


誰かがやらなきゃならない役割。


誰かがやってくれるって皆考えてると思う。

その“誰か”がおれなだけ。


別に嫌われるとかもどうでもいいし。



他人に興味がない。

自分にも興味がない。



人間は自分に求められた役割だけやればいい。

それが社会を円滑に回す事に繋がるから。


父だった人の受け売りだけど。



仕事という分野で父を超える人物は出ないだろう。

自らを歯車と認識出来る人が現れない限り。



仕事の影響か生来の気質なのかは知らない。

ただ家庭でも社会でも求められれば行動する。


そういう人らしかった。




おれが生まれたのも母が求めたから。


それ以上でもそれ以下でもないだろう。



おれの母は父の生き方に耐えられない弱い人だった。

母が父へと離婚を求めたらすんなりと離婚。



母が親権を得た理由について。

父に教育を任せられないという点は同意できる。

父に人間性がないというのは同意できない。


周りを見ても父より人間性の高い人はいない。


自己犠牲をしてでも歯車として社会を支える。

父の言うことはそういう事だから。



そう理解したから。








いつも通りの授業中。

突然教室が眩い光に包まれた。



誰かの悪戯なら指摘しないと。


位置的に実行したのは…





┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈





悪戯だと思った出来事。


実行者はクラスメイトではなかった。



機械と人体が融合した人物。

無機質な鉄仮面。

表面のディスプレイに映る表情の様な線。


よく街中で見かける接客用ロボ。

それの身体が人間的なフォルム。

そんな感じ。



その人物の話を鵜呑みにするならここは未来。



ただ考えられる技術力に相違が出る。

ならば恐らくここは未来的な別時空の世界。



信用は現状ない。

けど今は他に判断材料もない。

つまりこの人物の話を信じるしかない。



仮にヒューマノイドと称する。


ヒューマノイド曰く異界コレクターがいる。

異界コレクターは今回おれたちを収集する気だ。

以上。


そういう事らしい。



ならコレクターが起動した時空ワープ装置を使えば帰れる筈。



加えて時空を超えた事でおれたちは脳が進化している。

所謂超能力が使えるらしかった。



脳を保護するという機械。

それがおれたち全員の頭に取り付けられる。

いきなり超能力は負荷が強すぎるとの事。




そして意識。


物の記憶が読み取れる。

おれの超能力はサイコメトリーと言われるものだった。



ここにある物達の記憶がおれに集約する。




目の前の出来事の様に。

情景が思い浮かぶ。



神魔の存在した時代の事。


機械の文明社会から人が召喚された事。

神自身がいなくなってもいい様にと。




情景が思い浮かぶ。



神が去った事。

その後機械により文明が繁栄した事。






















情景が思い浮かぶ。



それが召喚された機械工学のプロフェッショナル。


おれの父(・・・・)による功績だという事。



















情景が思い浮かぶ。



目の前のヒューマノイドが。


身体の殆どを機械化する事で生き長らえた父である(・・・・)事。




情景が思い浮かぶ。



異世界コレクターなんていないという事。



今まで何人も父によりワープさせられてきた人達がいた事。

ワープはあちらからこちらへの一方通行しかないという事。



情景が思い浮かぶ。



超能力に目覚めたら寿命が一気に縮む事。




情景が思い浮かぶ。



頭に取り付けられた機械。

これが実際は付けた者が父へ敵意を向けた時。

肉体を崩壊させる抑止的装置だという事。


合わせて脳波や思考も読み取っている事。




情景が思い浮かぶ。



これら全て父が元の世界へ帰る為。

その方法を見つける為に繰り返してきたという事。






おれの思考を読み取ったからか。

同時におれがいると分かったからか。


こちらに顔を向け唖然とした表情を映す父。





不思議だ。



何時だって淡々と自分に求められた役割をこなしていた。

そんな父が明らかに役割に反した行いをしている事が。



実の()が父の真似をした一人称を使っても無反応を貫いた。

そんな父が今おれの存在に気付いて動揺した事が。




情景が思い浮かぶ。



神が去った後父がワープ装置を開発し出した事。




情景が思い浮かぶ。



ワープ装置では一方通行である理由。


それは膨大な数の別時空から自分の住んでいた世界が見付ける事が難しいから。

座標が不安定だからだと分かった時。


父が暴れる程悔しがり嘆いた事。




情景が思い浮かぶ。



機械だけで無理なら超能力を取り入れようとした事。

必要としていた能力の持ち主が現れなかった事。



父のデータベースと化した脳から。


父の思い描く世界を鮮明に映し出す程の(・・・・・・・・・)強力なサイコメトリー(・・・・・・・・・・)保持者が現れなかった事。





情景が思い浮かぶ。



…もし父がおれの想像していた様な人物じゃなかったなら。







この軽薄そうなロキ(・・)とかいう奴だけは。










絶対に許さない。







--------------------















転移例 No.8 …成人:E

転移先 …機械文明の発展した世界

死亡原因 …肉体のバランス崩壊




一言…昔、おでんのちくわぶを歯車みたいに噛み合わせて回す遊びにハマってました。


順次更新予定。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ