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魔法少女が来た?

「わっ私ですか!? 私はただ家が汚れていたから掃除していただけです」

 彼女はうろたえていながらも、何故か掃除機を持ちながら誇らしげに掃除していましたよアピールをし出した。


「それは見たらわかる。俺はお前が誰なんだと聞いている。そして、なんでお前が見ず知らずの赤の他人の家を掃除している?」

「えー、なんでそんな事言われなくちゃいけないんですか? はぁ私とてもショックです。人々はいつから助け合いの精神を忘れてたしまったんでしょう」

「赤の他人に家掃除されても嬉しくないし、寧ろ警察に通報したくなるわ。てかさっさと教えろボケ」 


 少女が名前を教えてくれないことに対して苛立った俺は思わずキツい言葉を投げ掛けてしまう。


「それがですね……自分の名前を忘れてしまったんです」

「はぁ? この期に及んでふざけるとはいい度胸してやがるな。こちとらイライラしてんだよ。さっさと教えろやゴラッ」

「ひぃ。そんなこと言われても本当に覚えてないんですよ」

 俺がヤンキーみたいに少女を睨み付けた後に、少女は涙目になりながら身を伏せる。


「マ……マジかよ。じゃあお前は本当に誰なんだ?」


 あまりにも少女が泣きじゃくるもんだから俺も怒る気が失せ、逆に問い掛けてしまう。


「わからないから聞いているんです。じゃああなたが私の名前を付けて下さい」

「決めろって、おまっ、犬や猫の名前を付けるみたいに人の名前付けちゃダメだろ。つーか、お前は人間としてのプライドを持て」

「うーん、じゃあ私は今からものわすれ きゃくこです。よろしくお願いします」

「おいおい、即興で自虐的な名前付けてんじゃねぇよ」

「あっ、えーと。苗字の漢字はものは乗り物の(物)で、わすは忘れたの(忘)で、れは劣化の(劣)で、それと名前の漢字はきゃくは忘却の(きゃく)でこは子供の(子)です」

「漢字に変換したらなんかダメダメな感じか際立ってるぜ」

「えへへっ」

「……」


 自ら自虐的な名前を付けて笑うなんて能天気にも程があるだろ。

 てかそんな夢も希望もない名前を付けるなんてどんな物好きなんだよ。


「で、俺の名前は覚得田野 太郎だ」

「ぶっ、変な名前」

「うるせー、お前よりマシだ。で、物忘劣。お前は何故人ん家で掃除をしていて、なんの目的があってここにいるんだ?」

「うーん。それも覚えてないんですよね。ただ1つ分かるのは、どうやら私は誰かと戦っていたのですが、負けてしまって吹き飛ばされてしまった後に、あなたの家に墜落してしまって、ずっと気絶してしまった様ですね」

「はぁ? お前は一体何者なんだ? 戦っていたって誰と? てか吹き飛ばされて俺ん家に墜落したってどういう事なんだよ」


 俺は訳が分からなかった。彼女はまるでアニメのワンシーンにありそうな出来事を淡々と説明していた。

 おいおい、小説は事実より奇なりっていうけど、そんな事絶対起こるわけねぇだろ。

 もしかして普通じゃない何者かなんか?

 と言われても信じれる訳ねーだろうが。


「さぁ? 私にもさっぱりわかりません」

「わからないのかい」

「はい、ていう事で私はこの家の一部を壊してしまったので私が今すぐ治して差し上げますね。えいっ」


 却子はそう言うと背中からステッキらしき物を取り出すと、ステッキらしき物の先っぽから光が灯りだした。


 すると、

「きゃああああああああああ」

「うわああああああああああ」

 突如家が倒壊し出した。

 でっ、俺達は家の下敷きになってしまった。

「ぷはっ、おい、家が崩れてしまってんじゃねーか。どうしてくれんだよ」

「えーっと、それ、失敗してしまいましたね」

「失敗してしまいましたねじゃねーだろ」

 

 命に別状はなかったものの、却子のせいで家が崩れてしまいましたとさ。



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