表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
83/115

集結?

ゴザに馬車が来なかったので帰れず、一日投稿が遅れました。



まだこの世界に来て4ヶ月になるかどうか。

気候変化は殆ど感じないが、季節や地域による差はどうなっているのか。


ここゴザは世界地図では最北端だが、上が北とは限らない。

いや、最初に聞いた話では『最北端の町』で、北という概念は同じはずだが。



ザンが目覚めたのは、感覚的には7時くらいか、そんなに遅くはないが全員の一番最後だった。


食事は“湯の宿”特製だ。

遠慮無く食べられるように、ギルドからの使いのものが人数分の葉っぱに包まれた弁当を持ってきてくれていた。


獣人達と約束した話が出来なくて申し訳なかった。

彼らはオーク狩りに本腰を入れ、Cランクに昇格したと聞いた。

武勇伝というか、正直な苦労話を話したくてウズウズしているだろう。



弁当を食べているとジェギから狼煙(のろし)と発光弾の話があった。

ザンが夜間、例の魔物誘導のために出かけている時出た話だそう。

ザンは自由に戻れるが、こちらから有事を知らせる手立てが無かった。


昼は色で緊急度を知らせるが、日本の信号機と同じ赤・黄・緑だ。



ザンからは、改めてユウの能力、というよりこれからの戦いでの役割を説明する。

昨晩話そうかと思ったが、信じられないような能力を説明するよりも実際どう使うか言う方がいいだろうと、【多】でパターン分析した。


戦いの方法とも言える解析結果はユウにもまだ話していない。

多少違いがあっても、ユウの能力で導き出した結果であれば更に洗練させられるに違いない。



作戦というより、ユウとザンの立ち位置だ。


まずあちらのシンヨルリーダー、茶さんが敵の特徴や弱点を見抜く。

説明が長くなるので、『シンヨル・茶さん』の呼び名で通そう。


ザンが遊撃なのは同じ。

問題はユウ。


ユウは、呪法陣に対抗可能な強力な魔法陣を作ったまま維持できる。

距離が相当離れない限り、恐らく本人の意思に関わらず、ずっと維持される。

その効果を確認の上で、仲間全員は触手のみを防げばいい。


可能なら、ユウ自身が攻撃に回ることが出来る。



一応ザンのマントのパーティー強化も伝えられる。

一緒に戦うにつれて徐々に効果が現れるはずだ。

結構効果が高く、離れる時は注意するように伝える。




その魔物であるが、各所に点在する監視塔などから、あくまで見える範囲だが動きが報告されている。

最初こそ西へ向かうと予測されていたが、今朝方から南進しているらしい。

実際は北にも移動したのだが。


ほとんどのゴザ付近の冒険者は休業しているが、日銭に困る者たちは東側に出ているという。



ザンには予想通りの動きだが、もしもユウとザンを結ぶ直線上に来たら。

当然ザンのいるギルドへ向かうのでは。


ザンはその予想を言い、行動に移す。

「ユウ達が到着するまで、再度北に向かうよう誘導します」


乗り手がいないのでシルバーモードは発動されず、普通に窓から出ていく。



~~~~~~~~~~~~



爽やかな朝だった。

そのままギルドで寝たが、茶さんと一緒の部屋だった。

ユウは妄想も控えめにしつつ、いつの間にか眠りに落ちた。



シンヨルもアンテ提供の魔法袋に寝具は常備していたが、ルナノが普通に大容量の物を持っていると知り羨ましかった。

それと引き換えに起こった事件のあらましを聞いて複雑だったが。


シンヨルメンバーは重量を減らすため、溢れた荷物はゴザで買いなおす事に。



いざ出発、というところで問題が発生。

ロロ(ろろ)が前回暗闇の森に取り残された恐怖体験で怖気づき、触れようとしない。


そんな子供のようなと思いそうだが、エルフはかつて“次元の門”を使って各国へ行き来し、様々な言い伝えがあるらしい。

闇へ飛ばされる逸話は彼の最も恐れている物で、夢で幾度も見たそうだ。


いつもと違い、それがどれだけ恐ろしいものかを長文で語るロロ(ろろ)に全員考え込んでしまう。



ロロ(ろろ)さん、少しずつ慣れましょうね」

ユウがなぜかアリアと手を繋ぎ、ロロ(ろろ)の手を握る。

「なんであたしもーっ?」


「アリアさん、ロロ(ろろ)さんの方と手をつないで。

ロロ(ろろ)さんが手を離すとふたりとも置き去りですよ。

狙って離すのは無しですよ」


「んまー、ロロ(ろろ)さんたら、あたしにみゃくありなのーっ?」

「んなわけねーだろっ!」

「アリアさん、語尾を伸ばすのやめてください」


ちょこちょこ部屋内を転移で飛んでいるが、会話に気を取られている。



やがてギルドから3人が消え、30分は経っただろうか。


「ただいまもどりました」

「ただいまなのです」

「結構楽しかったぜ」


種を明かすと、単にロロ(ろろ)が思わず手を離さないよう人質を付け、ついでに耳触りなアリアの喋りをロリキャラ風定形にするレッスンをしただけ。

レッスンを面白がることでロロ(ろろ)の気が()れたのかもしれない。


もしかしたら【勘】の働きなのかもしれないがよくは分からない。



15000キロの道のりに比べれば僅か過ぎる距離、小柄な3人でもありほぼ魔力は満杯だが、念の為少しだけ踊る。


ギルド長が話すには、シンヨルやユウ達メンバーは火山から戻ってすぐにゴザに旅立った事にするようだ。

どうやってと聞くと、全てアンテ任せだという。




ゴザのギルドを目指し、全員揃って跳ぶ。

相変わらず魔力は半分残しだが、半分以上は跳んだ。


もうそこまで分かるようになった、転移石とはそういうものらしい。

あるいはユウの能力が作用しているのかもしれない。


次の跳躍で到着した。


「ただいま!心配かけました」


「もどりました」


「はじめましてなのです、アンテのアリアなのです。

15歳なのです」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ