表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
80/115

続・愛馬とともに

ほぼ説明回ですが、復習も含めて読んでいただければさいわいです。


4つ足になってユウを騎乗させたまま、急降下後速度を落とす。

2・3階側にゆっくり近づく。




改めて説明すると、各ギルドの基本の構造は似ている。

3階建てで、1階の事務・受付・喫茶スペースがバカ広い。

あとは、収穫物の解体・保管・保冷スペース、そして中庭。


2・3階はマスター(ギルド長)ルームや応接があり、本や資料、貴重品などはランダムに配置。

だから2・3階は狭く、中庭からみるとへこんでいる。


外観は3階建ての()()()としたホールで、庭への搬入用の門はあるが全面壁である。

中庭から構造が見えないよう、内側に壁のある所もあるらしい。




マスターのところへ再度行こうかと思ったが、すぐ下に見慣れた面々が。

空いていた応接の窓から侵入する。


全員何事もないようだ、ほっとする。


「どうどう」

「ぶるるるっ」

まだやっている。



「無事だったか! ルナノさんは?」

当然イジワが聞く。


「全員無事だった、もちろんルナノも完治した。

理由があって、一旦ユウさんを連れてきた」

「ユウです、これから行ったり来たりしますけど、お願いします」


行ったり来たりと言っても、意味は伝わってないだろう。



「マスター呼ぼうか?」

「呼ぶなら私が」

エリルとモスコが気を遣う。



「上の部屋でしたよね?」

ユウがザンの肩に手を触れると、消えた。


「・・・魔法、でしょうか」

「聞いたことも見たこともないわ・・・」




いきなり、というよりいつの間にかいたザンともうひとりの少女。

ギルド長は椅子からひっくり・・・耐えた。


「ただいまもどりました」

「ユウです、はじめまして。

今お話だいじょうぶですか?」


「ええ、待っておりました」

ザンとユウが近づき、ユウは立ち上がったギルド長の肩に触れ、ザンはユウの肩に。




「おお、おかえり」

「さっき帰ったばっかりだけど、ただいま」


ギルド長は驚く余裕も無いようで、やっと尋ねた。

「ユウさんの力ですか?」



「ユウ、オレから説明する、必要があれば補足を頼む」

「おーけー」


「椅子も足りないし、ちょうど広くなってるので腰掛けましょう」

寝るために空けたままのスペースに全員腰を下ろす。



「これをくれたのは・・・」

ユウを見る、転移石をつまむように見せている。

「ウインドさんです。

彼は、これは恐らくですが、“悪魔教”からこれを奪うために裏切りました。

そして、黒煙を焚き、ルナノの懐にこれを入れ、オレ達を会わせるために敢えてルナノを襲いました」


「転移石です。解呪が必要でしたが、問題なくつかえます」

ユウが付け加えた、転移の石だと言い忘れた。


「ウインドさんが裏切った、ように見せた理由の全てまでは不明です。

ですが、起こったことは確定です。

襲撃前にはわざと記憶を読み、存在を知らせてくれました」


「ルナノがもし死んだら・・・」

イジワの疑問は当然だ。


「エリルさん、ハイヒールで少し魔力が通ったって言ってましたね」

「ええ」


「腹部の表面だけ出血を止めない呪法陣をかけ、内臓はハイヒールで治ったのではないかという事です。

状況と合っています」



後は、ウインドが『予言成就』を目指し、実際()()()黒いモヤが来ない事。

ユウによる“授与魔物”退治の広報で即、例の魔物が出現したのは敵が焦ったらしく、先んじて『予言成就』させる理由になった事。


この事が起こらなければ、ユウと会う時期は分からなかったという事も言っておく。


そのかわり、例の魔物がふたりに向かっている事を伝える。



「それで今後は、ユウとともに魔物のルート誘導しつつ、ユウの仲間5人とルナノを転移で連れてきます。

討伐できる可能性は大きく高まります」


「こちらの都合になりますけど、私の仲間のシン・・・“新たなる夜明け”のメンバーは理由があって一緒にいて守らなければなりません。

リーダーは敵の弱点が分かります」



「城塞都市ナーラまでは3月はかかる遠さです。

あっ、ザン君は一日で往復しましたが。

転移といっても魔力はどうなんでしょう」


「だいじょうぶです。

数時間で20人の呪法陣の解除と欠損の回復を、つい最近しました」

ユウは【舞】・・・武闘を見せる。


「本物の武闘術だな、旅芸人で見たことがあるが、これが?」

ジェギだ。

「充電・・・魔力回復です。」


「でも、ザンさんの怪我はまだ・・・」

やはりエリルさんが疑問をはさんだ。


「バカを言うな。

いきなり間合いが変わったらマトモに戦えんし、余計危険だ。

アレを倒して落ち着いてからになるだろう」



その後は、早速ふたりで出かけるがザンがずっと付いていくかどうか、

または送っていくかどうかの話に。


ここで、『視界内か一旦訪れた場所にしか行けない』事を忘れていて説明。


ユウが思わぬことを言った。

「人に対しても有効なようです、はっきりイメージできれば」


どこかに出かけたり、旅に出ていても会えるわけだ。



「私に関してですが、今回は何回かかるか分かりませんが、出来ればひとりでの最大距離で行きたいです。

他の能力はザンに話してありますが、中級魔法なら無限に撃てますし」


「ユウの索敵能力は、“授与魔物”を殲滅したことで分かると思う。

少なくとも最初だけ、例の魔物誘導も兼ねて付いていこうかと。

帰ったらまた詳しく話します」



「じゃあ、窓は開いてるからそこに」

「日が暮れるけど・・・大丈夫だったっけ」

「転移しつつ索敵するから問題なし、さあ早く」


「えーと、それ必要?」

「森へは初めてだから移動できないでしょ」


「はい」

あれ? 意味違うような。



四つん這いのザンにユウが颯爽と跨った。


「ハイヨー、シルバー!」

「ひひーん」



残された全員無言で見送る。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ