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ユウ、また会う日まで

昨日は病院の体制が整うのを待ったので、昼過ぎからだったらしい。



病院の隔離棟へ向かうと、昨日治した5人の気配が消えていた。

いち早く退院させたのだろうが、それを他の者がどう思うだろうか。


隔離棟全員の気配を探るが、平穏で希望さえ持っていると思えた。

一部を除き。



カーシャは語る。


「アリアを信じたからです。

昨日ここに来る際、全員に彼の症状を見せました。

治った彼と他の4人には、残った全員に明日から起こるだろう事を話して貰いました。


彼には、被害者として酷い記憶を持つ立場から、他の人を庇護する立場になってもらいました。

恐らくその覚悟で彼は変わったし、これからも自信を持って働いてくれるはずです。」



何かで見たことがある。


PTSDや痴呆の患者に他者やペットの世話をするような仕事をしてもらう事で、その本人にも治療効果があるのだ。

経験的なものか、この世界の治療法としてあるのかは分からないが。



今日は薬漬けにされた患者。


体はどこも失っていないので暴れたり奇声を発するため、魔法で眠らせてある。

念の為鍵をかけ、防音の魔法具も設置してある。


ユウ自身、昨日よりもゲージの輝きは増えた。

必要魔力も消費魔力も激減したが、上達具合が分かりにくい。

まあとにかく上達することが先なので、仕方無い。




結局20数人を解毒・解呪・治癒で完治させた。


昨日は最初が重症だったとはいえ、凄まじい進歩だった。

ゲージが明るくなり、必要魔力が劇的に減った事もあった。





宿で3杯目のウイスキーもどきを飲みながら、ユウは・・・・・・



~~~~~~~~~~~~






朝の瞑想、今日の目標設定は特に変わりなし!


ゴンタマ・・・違った、言霊(ことだま)だ。


言ったことは叶う、かもしれない。

言ってないが。





「今日もよろしくお願いいたします」

カーシャさんだ。


どうやって治った患者を運び出すのか聞くと、合図で近所の屋敷に馬車を置いているメンバーが来るそうだ。



ゲージの明るさは限界のようだ。

レベルを上げる前にここまで出来て良かった、後は個別の癒やし能力を伸ばすことか。






最後の患者は両手欠損と呪いでの治癒不能がなされていたが、一気に治せた。

ゲージは100+数%残し、つまり半分を切る消費。


途中から治癒前のゲージ点滅と消費量が一致するようになっていた。

いつからか気づかなかったが・・・。



【無】による集中にもほとんど疲れを感じない。


今日は早く終わったので、ぞろぞろと裏口へ向かう元患者達が手を振ってくる。

近所の待避所までピストン輸送しているようだ。


「まさか全員完治させてしまうとは思ってもいませんでした。

本当にありがとう」

カーシャさんの目からは涙が。


ふとロロ(ろろ)を見るが、そっぽを向いているが泣いてはいない。

面白かったのに、残念だ。



「きょうは早いけど、帰ろ、かえりましょーっ!

これからのこともはなすから、ぜんいんでねーっ!」





女性の部屋に全員集合だ。


まだ5時くらいだが。


「ユウ、恩恵はあったのー?

分かればでいいけどーっ!」


「上がらなかったようですねー。

技量は凄く上がったので満足できましたけどー。

集中の能力にも相当慣れましたしー」


「ユウちゃん、ややこしいから語尾伸ばすのやめて欲しいんだけど・・・。

頭に入らなかったのでもう一回お願い。」


「はい、ごめんなさい。

恩恵は無かったようですが、技術的に目一杯上げることができ、集中の能力にもそれほど疲労はありません」


「しかし、最後も一気に直しやがったからな。奇跡だ」

遠くを見るようなロロ(ろろ)




「もう何もないならじゆうにしていいけど、ユウからあまりはなれないでねーっ!」



「ちょっと待って頂いていいですが?」

茶さんだ。


そういえば、告白してから翌日くらいに聞いたきりで、あれから返事を確認できなかった。

色々と夢中になりすぎ、必死過ぎた。


毎朝誓いは立てているのに・・・。


「ユウさん、お返事ですがお待たせしました。

最初は年齢がどうとか、そんな事ばかりに考えがとらわれて本当の気持ちを考える余裕がありませんでした」


他の者は誰も知らないが、『見た目は子供、心は大人(33歳)』である。

2人だけの甘い秘密だ。


「僕にはあまりにも勿体のない、手の届かない存在だと思い知った後ですが・・・。

まだ有効であれば、お付き合いいただけますか?

できれば結婚を前提として」



信じられなかった。

茶ユウさんはしっかりとこちらを見ていた。

嬉しい。

ボロボロ涙がこぼれた。


まだ距離感が分からないので、抱きついたりはできなかった。

「おねがいします」

それだけで精一杯だった。



ルーナたちがおめでとうと言ってくるが、一刻も早く茶さんと近づいて話がしたかった。


やっと食事では並んで座れたが、何を喋ればいいのかわからない。


「休みができたらどこかにでかけましょうか・・・あ、全員ついてくることになりそうですが」

「そうですね」


こんなに他の人に、男性に認めてもらえたのは初めてかもしれない。

見た目のせいではなく、必死に何もかも忘れるほどに“癒やし”の技量を磨き続けていたおかげだ。


今までは、『茶さんをモノにする』とか“いやらし”の技量を上げようと必死過ぎた。

うまいこと言った。



アリアやリリアのおっぱいやおしりは地平線の彼方に消えていた。


また会う日まで。

↑ なんかひどいw


次回より第四章です。

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