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ユウ、異世界での目標

無理、他の人を・・・。


あ、顔だけでも。

顔というか、脳なんかも欠損状態になっているかもしれない。


その記憶は戻らないだろうけれど、普通の状態だけにでもしてあげられたら。


基本知識を知らないことに気づく。

アリアの呪いの時は数日置かなければダメだったが、治癒は・・・。



「部分別でも、違う魔法師が続けて治すのも問題無い、わよー。

戦争とかじゃ、要人や主力の戦士に何人もが治癒するのは普通なのよっ」

ウザいが、聞く価値はあった。


【無・舞】、連動して効く時はこんな感じで脳内で呼ぶ。

200%満杯発光状態へ戻す、少しでも満杯近くしておけば回復も早い。



【無・聴・勘】を使い頭部へ集中する。

9割点滅だ。


部分部分で治せるかどうこうよりも、自分がこんな体を本当に治せるのか。

心配なのはそこだけだ。


気合を入れる。

「いきます」


明るい、というよりも純粋なくっきりした緑色。

8割の魔力を消耗し、ルーナの胸に倒れかかる。

【想】による光が残っている。



「ああああああ!」

青年は残った手で顔を隠し、恐怖に叫ぶ。


「大丈夫ですよ! 安心して!」


「やめて! やめてください!」

カーシャの言葉は通じていない。



「おにいちゃん、だいじょうぶよ。

わたしが見つけてあげたの、みんないい人よ」

アリアが手を握ってニッコリと目を見つめる。


大ウソだが、こうかはばつぐんだった。


「まだ体が痛いでしょ?

すっごい魔法使いの友達がなおしてくれてるの。

どくとかのろいも解いたのよ、すごいでしょ!」


「父さん母さん、それにエリザベートは?」


「うん今ね、城塞都市ナーラの病院に運ばれてるの。

治ったら帰れると思うけど、他の人のことは何も聞いてないの、ごめんね」


青年は周囲を見回す。

ロロ(ろろ)はそっぽを向いているが、他の全員がニコニコ作り笑いを浮かべる。


「ごめんなさい、助けてくれたのに。

恐ろしいことをされたもので・・・」


ユウが残った魔力で白金の癒やしをかける。

青年の表情が落ち着く。



「できるだけやってみます!」

踊りだすユウ。


「あ、この友達は変な踊りをやるけど、女神様の神聖な踊りだから我慢して見ててね(はあと)」


『へんなおどり』・・・・・・魔力を吸い取りそうだ。


めっちゃムカつくが、アリアのやっているやっていることは正しい。

医者のカーシャもタジタジの患者への対応だった。




腕へ【無・聴・勘】を向けると、7割点滅だ。

あれだけで上達したのか、部位の問題か、両方なのか。


左腕を見せてもらい、同じ様にイメージして“癒やす”。

生えてくるのではなく、腕全体がベッド上に実体化し、繋がり、更に傷も消えてゆく。


消費は半分、元の100%で行けた。



そっぽを向いていたロロ(ろろ)をふと見ると、涙を流していた。

あまのじゃくな人(エルフ?)だ。





「おにいちゃん、はやくよくなってね。それじゃあ」

もうベッドに起き上がってアリアに手を振り返す青年。

ユウには一礼する。


よく考えれば、ユウの方が明らかに見た目は年下で、アリアは成人の15歳位。

しかし、ちょっと真似できそうにないので諦める。


自分は医者の魔法使いという立ち位置でもいい・・・。


結局、心理的なケアは必要かもしれないが、体も記憶も全て戻った。

記憶があるだけに厄介かもしれないが・・・。



脳や意識が修復されたようだが、これは・・・確かテレビで見た。

記憶は、なんとか馬とか名前のついた所にあって、脳の中央か後ろ側だったはず。


後で確認しないと記憶や他の機能など完全に戻ったかは分からないが、全て戻ったとするとやはり女神様の力だろう。



『世界の理から外れた力』などと部下の人に言われたが、結局は神の力を貰っている。

完全にそれを受けるには、レベルと修練なのだとユウは理解していた。


神、女神様の力はナイアガラの滝、いや多分そんな物質的な言い換えはできない程の光の奔流なのだろう。


そのごくごく一部を受け止めて溜められだけの器、そしてその光を損なわずに使う技量さえ揃えば、本当に世界を変えられるのだ。


なんでこんな事を思いついて考えられているのか、ユウ自身も不思議だった。




茶さんが久々に声を発した。

「まだ何人もいるようですが、情報が漏れるのでは?」


「何人かっていうか、すうじゅうにんです、よーっ。

もうわかってると思うけどカーシャもアンテだし、抜かりはないわよーっ」


ユウは廊下で踊って充電、しながら喋る。

「この部屋には4人ですね。

呪いと欠損ですね、少なくともこの部屋だけは終わらせます」





宿での食事後、ユウはぐったりしていた。


「あー、完全に【無】の集中疲れです、他は大丈夫。

でも、新たにそれで魔力の『質』を上げることができましたし。

あと、アリアさんがウザすぎて・・・・・・」


触れてはならない禁断に触れた・・・と思えばそのまま眠っていた。

疲れている上に、調子に乗って飲むからだ。



~~~~~~~~~~~~



朝の瞑想、今日の目標設定をする。

風呂は浄化で省略した。


第1の目標は茶さんの返事をもらうこと。

第2は今の所アリアさんのおしり・おっぱい観察だが昨日は失敗した。


長期になるが、リリアさんのおっぱいは必ずモノにしてみせる。



ユウの異世界冒険は終わらない。

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