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ユウ、夜の高給バイト

解呪で“授与魔法”の魔物をロックオン・・・捉えることが出来る。



それらは『アリアの腕の呪法陣』と同じ性質のものだから、ということをユウは説明する。


「試す価値はありそうだけど。

みんなはどう思うかい?」

声も姿も相当若くなって、偉そうな言い方はそのままで変な感じだ。


リリアだけが何か思うことがあるようだ。


「倒せなくても無力化だけでもできるとしたら凄いですが。

だとしたら、決して近い魔物から狙うべきではありません。

少なくとも、ここからだと決して気づかせないようにするべきでしょうね」



「ユウ、相手の強さや距離と、自分の癒やしの効果の予想はできる?

大体でも分かれば」


「はい、まず言えるのは、アリアさんにかけられてた呪い、すごく強いものでした。

やっと薄まったんですが・・・わたしの力も上がったので」


“34”にさっきの解呪の瞬間変わったのは分かっていた。

いつも、上がる瞬間は分かるがスルーしていた。


“癒やし”の強さや大きさ、魔力の減りに直結している事が分かった今、意識せざるを得ない。


「アリアさんの薄まった呪いと似た強さの呪いが世界中から伝わってきたんです。

ザンさんの存在が分かったのと似た感じで、場所ははっきりしないですが呪いの程度と存在だけは分かります。

魔物の強さにもよるんですが、呪いは弱いです」



「うーん、おおむね、距離によってユウの力がどう働くか、魔力が足りるかってことかねぇ。

今日はある程度離れたところで・・・それは分かるんだね?」


「はい、大体ですけど」


「うん、一度試そうかねぇ。」


「あ、さっきの繰り返しだけど大事なことよ。

ここを中心にバラバラに狙っては駄目よ。

似た場所を潰していく、ユウ自身移動しているように見えればいいわね」


「はい」



ユウは距離が離れていて、大丈夫そうな場所を探す。


ザンのいる地域は遠すぎる。

ロワの町の南側辺りからやってみよう。


「アリアさん、この世界の地図はないんですか?」

「王国や教会その他に都合が悪かったり、入れない地域は切れてたり、わざわざ変えてたりする場所もありますから・・・」


リリアさんが代わりに答えた。

“新たなる夜明け”の3人も頷いている。



「アンテ作成の地図を手配するよ。

ここのギルド長にこの事を話せば大丈夫だろうさ」


「わかりました。ロワのかなり南方から左回りにやります。

あっ、出来たらの話ですけど」



見つけるのはすぐだったが、初めての経験にユウの心臓は早まる。

いや、興奮せずに落ち着こう・・・狙いを定める。


両手を上げ、違う意味で魔法の呪文を唱える。


「ユウ、イッキまーす!」


全力だ、【想】ももちろん使った。


敵の種類は分かっていたが、視覚的に見えた気がした、オーガだ。

干からびて、魔力のようなものが清められ空に昇る。



「終わりました。

オーガが干からびて死んだように見えましたが・・・。

とにかく解呪できたのは間違いないです!」


全員の表情が明るくなった。

ルーナの目が潤む。


「魔力はどうだい?」

「全体の半分消費です、回復もしてるので残り4割です」


「明日からは、癒やしも使いつつ、魔力と魔物退治の“恩恵”での底上げしかないね。

そして、寝る前に試そう」



いきなり光が飛び込んできた。


さっきのだ!

“38”


いきなり4レベル?


アリアの治療と似た、初めての何かを経験した上がり方なんだろうか。

いずれ分かるけれど。



「今のは?! 光が飛んできた」

茶さんには見えたようだ。

アリアも見えてたような気がするが。


「“恩恵”のようなもの、でしょうか・・・。

魔力も半分以上に戻ってます!」



「うん、色々楽しみができたねぇ。

シンヨルの3人も気を抜かず頑張るんだよ。

ギルドの依頼も押さえてあるし、ユウがいれば大丈夫だろうけど」


「シンヨル?」


「“新たなるなんとか”って面倒だろ。

今からこれで行こう」

ヨルとまで分かっているから、わざと省略した可能性大だ・・・。


シンヨルの3人は口をあんぐり開けて納得できないようだが。

心の中ではこれで行こう、バレなければいい。



「さあさあ、男は帰る時間だよ。

それとも、若く戻ったあたしを、お・そ・う?」


「じゃあな」「おやすみなさい」

なぜか駆け足で茶さんとロロ(ろろ)が出ていった・・・。




「でも、びっくりしました。

アリアさんがこんなに若かったとは。

リリアさんは知ってたんですか?」


ルーナがユウの代わりに聞いてくれた。



「私も最近知り合いましたから。

ロワでの事件の少し前ですよ。

それから年齢は聞かないほうがいいと・・・」


リリアがハッと何かに気づいて口を押さえる。



「永遠に、ひ・み・ちゅ!」

バサッとベッドの上段に飛び込み寝息をたてる(?)アリア。



“里”の人には色々ありそうだけど、歳は別に知らなくてもいいし。



~~~~~~~~~~~~



翌日は以前に戻っていつものパターンで狩りである。



昼でも、昨夜のような狙撃は出来なくはないが、魔力消費など不明要素が多い。

今は“呪われ”は周囲にいないが、発生の仕組みが分からずいきなり生まれる可能性もあるのだ。



“呪われ”というのは、昨日の出来事を踏まえギルドの命名した名前よりふさわしいという全員の考えだった。


最初にザンさんが倒し、“悪魔教”がそれをおこなったらしい事からギルドは“授与魔法”と呼ぶ。

だが、ユウがそれは呪いであることを見破ったのだ。




“癒やし”による治癒練習だけはおこなう。

魔力消費がかなり限定的であるし、自然回復で割合すぐ戻るからである。



そういえば、【舞】は放置したままだ。


サーシャの言うように、魔法師の舞闘術だとしたら重要な意味があるはずだが・・・。



既にユウの灰色の脳細胞は、夜のおっぱいミッションを練っていた。


サブタイトル詐欺、というかそんなわけないですw

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