表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
41/115

ユウ、新たなるミッション

馬車がゆっくりと止まるようだ。


「警戒を!」

これは・・・御者さんの声だ。


さすがVIP専用御者というか馬車、ボアを狙撃した事に気づいたらしい。


余計なことを。



アリアとリリアが前の馬車の左右窓から顔を出して見ている。


アリアが大声で叫んだ。

「ボアの群れをうちの魔法師が掃討しただけ。

そのままいきなさーい」


まともに目撃したのはロロ(ろろ)さんだけだ。



「何が見えたの?」

「ボアが一斉に・・・あれは順序よく撃たれただけか・・・でも何秒もかからずに・・・」


要領を得ない説明だが、ルーナは理解した様子。

弓師だけあって、着弾だけで同時射出ではないことを見抜いたようだ。



「はい、あのままではぶつかると思ったんで」


「見たかったけど、一緒にいるからまたいつでも見れるわよね」






その後、夜までは私はそのまま、ロロ(ろろ)さんがあっちの馬車へ。


私はもういらない子なのかもしれない。

ルーナお姉ちゃんと一生暮らすのだ・・・などと妄想する。


茶さんは隅っこに座っている。

触れても大丈夫なのにいまさらだが、習慣になっているのかも。



「そうだ! ユウさんも私をユウちゃんと呼んでください」

「分かりやすくていいかもね。それでいきましょうよ」


茶さんの意向無視である。

何も言わないところをみると大丈夫そうだ。


ルーナさんに仲間内で実年齢を伝えられる懸念があったが、その確率はぐんと下がった。

計画通り!



次の宿には温泉があるそうだ。

普通のお湯も混ぜてあるそうだが。


本物の温泉に入るには南の火山地帯のボルケ周辺まで行かなければならない。



で、ルーナさんの胸は普通より大きいくらいか。

茶さんのことも気になるのだが。


だが、不確実な男より確実なおっぱい、である。




馬車がゆっくりと止まる。


茶さんに「ユウちゃん」と半分無理矢理言わせることに成功。

思春期少女によるルーナさんへの質問大会をこなしているうち、いつの間にか日が暮れかかっていた。


初日は野営だった。



調理道具の充実ぶりとニオイ防止の風魔法に驚かれたくらいで、魔物などは現れず。


「ユウちゃん」呼びにアリアさんもリリアさんも最初びっくりしたが、喜んでくれたようだ。


そういえば、練習時に飛び回ったせいか風魔法は精度も威力も上がっている。

できるのは吹き飛ばすか吹き飛ぶだけだが。





翌日は、いらない子の私はそのままで、ルーナさんがあっちへ行った。

さみしい。


茶さんもすでにロロ(ろろ)さんから聞いているはずだが、魔法お披露目大会に専念。

それを話の種に、会話も広がるはずである。



突然天窓を使うとせがみ、その少し後で獲物を仕留めるので、不自然さに多少2人とも気づいているようだ。


今回は獲物が姿を見せてから2人に窓から覗いてもらった。

全部でベア1・ボア4だった。


特に話は広げられなかったが、ロロ(ろろ)さんの

「魔法っていいな」

という言葉が印象的だった。





やがて夕刻を待たずに町に到着。


“竜の湯”、ドラゴンはたまに近隣に出るので名物にしているらしい。

あ、風呂の名前じゃなくて宿の名前。


「今日はゆっくり休もうねー。

明日から強行軍だよぉ」



竜料理というのが出てきたが、ボア肉らしい。

美味しいので誰も文句は言わない。



「ねえねえお風呂いっしょにいきましょう、ルーナお姉ちゃん」

いつのまにか、『お姉さん』が『お姉ちゃん』に変わっていた。


アリアとリリアが微笑ましく見る。


茶さんは無表情だ。





「リリアさんうらやましいです」

ルーナさんが、何がとは言わないがほめる。


ルーナさんが全裸だ。いい形だ。上を向いてる。

「もう、ユウちゃん見すぎ!」

おっと、じっくり見過ぎた。


「ルーナお姉ちゃんみたいになりたいなぁ」

「ふふっ、あとそうねえ、5年もすれば大丈夫よ」



軽く湯をかけ、入浴。

神経痛に効くそうだ・・・。


皆、風呂や温泉には慣れているようだ。



「お姉ちゃん、こっちこっち」

お湯を軽くルーナさんの顔にかけながら逃げる。


「もう、ユウちゃんったら」

追いかけて来た、仲間2人から離れた位置へ誘導するのだ。


「ほら、つかまえた」

「あーあ、やられたー」

抱きつく。


肩と首に感触が。

張りのあるアリアさんと違い、吸い付くような感じだ。



他の2人や周囲が微笑ましく見ているのを確認、次のミッションへ。


小声で言う。

「ねえ、おねえちゃんあのー・・・さわってみていい?

ちょっとでいいけど」


「ちょっとだけよ」

(計画通り!)



以前の黄金パターンを再現する。


ちょちょっ、と指先で。

「遠慮しすぎよ」

3本指で乳首を避けながら触りなおす。


「あのー、手のひらで触っていいです?」

「しょうがないわね、1回だけよ」

そろそろと両手を近づける、計算通りルーナの背中でユウは隠れている。



一気に揉みしだいた。

吸い付く! これは魔性のおっぱいだ!


妙なことに気づく。

ルーナさんは一向に逃げず、声もあげない。

「ユウちゃん、も、もうダメよ・・・」


えーと、これを送信・・・できないし必要ないのか。

なごり惜しいが手を離す。



「ごめんなさい、すごくやわらかいんで夢中になっちゃって」


「ううん、いいって言ったんだからいいのよ」



ユウはいつもの仕事をやり終えた心地良い汗とともに、違った感覚を味わった。


体が熱い。



若干興奮の余韻を残しながら、背中を流しあったり入浴中はずっとルーナと一緒だった。




女性陣4人揃って魔法でキンキンに冷やしたジュースを飲む。


「ルーナさんとユウが仲良くなれて本当によかったです」

「ああ、今回一番の心配だったからねぇ」


「妹みたいに思えてきたので・・・」

ルーナが悲しげな顔をした。

誰もそれ以上聞かない。




就寝は女性4人部屋と男性2人に分かれたが、百合展開が無かった事だけは書いておこう。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ