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ザンと、ルナノへの祝福

目が覚めた。


朝日が差し込み、ルナノは幸せそうに眠っている。

よかった。





現実はエロ小説やAVとは違った。


痛い痛いというルナノの声が記憶に蘇る。

気持ちが良くなったのは自分だけだったと思う。



でも、ルナノは嬉しそうだった。幸せそうだった。


直後に『清浄』の魔法を使ったようで、清潔になったし、妊娠もしないそうだ。

風呂に行くルナノを見送って、一気に現実に引き戻された。



やるべき事が、考えるべきことがオレには沢山ある。増えた。





ルナノを守る、同時に強くなる。


やるしか無い。



~~~~~~~~~~~~



朝は・・・昨夜は、現代の巷に溢れていたエロと、現実の差にびっくりし過ぎた。



一体自分って何歳なんだか・・・13歳くらいか。

うおっ、13歳で結婚かよ。


本当は15歳ということに変更するか・・・どうでもいい。

15歳で成人、普通の家でも祝うし貴族などは決められた許嫁とさせられる事が多いという。


しかし、家族や身分を隠したり、孤独の身ならそんなものは意味がない。

権力者に訴えられでもしなければ問題になどならないのだ。




朝食は、部屋でやはり3人。


ルナノは手伝わないよう我慢しているようだ。

もう結婚したんだから「あーん」とかしてくれて良さそうな・・・

ああ、イジワも居るしな。


食器はまたイジワが下げるようだ。



イジワが消えるとなにかモジモジしているが、もう「あーん」は無理だ。


「ザン君」

「ルナノ、ザンでいいよ。もしくは『アナタ』でも」


「もう!」

ポカポカと肩を殴って・・・いや叩いてくる。

これ漫画で見たやつだ。



「さっきから変、ザン」


観察されてたのは自分の方だった。




イジワが戻り、ルナノは言い放った。

「ねえザン、狩りに出たくてうずうずしてるでしょ?」


「さすがに昨日の今日だし、そういう訳には」

「俺はザン次第だが。思ってること言えよ」


少し考えて、正直に言った。

「体を動かさずには耐えられそうもない・・・。

せめて一緒に練習に行ってくれる?」





ルナノは指輪をチラチラ見ながら一緒に歩く。


今日はぴったりくっついている。

指輪、気に入ってもらえて本当に良かった。


夜を思い出し・・・いかんいかん、練習で怪我しそうだ。



練習場を過ぎていた。


面白いことに?3人が皆、思い思いに考え事をしていたようだ。

「あ、ファイヤーアロー!」

ルナノが偶然見つけたようだが、ヤバいところだ。


全員気を抜きすぎ。



と、どんだけ本気かというような巨大な炎の矢がオークへ。


オークは消えていた、あ、下半身が残ってた。

火事火事!

消防士はルナノだ。




全員ほぼ無言で焼け跡から魔石だけ探し、無事な魔石をルナノが見つけた。

魔法の軌道が分かっているからだろう。


嬉しさで魔法をぶちかます、か。



「魔力大丈夫?」

妻を心配する夫、オレ。


「普通?」

首を傾げるルナノ。



普通って、それなりに消費しただろう。

限界などは本人がいちばん分かっているので、心配は不要だろうけど。




何故か普通にオークを狩る流れになっていた。


今度は注意しながら、イジワ、ザンの順に1匹づつ倒し、血抜きし食用部位だけ魔法袋に詰める。

いちいち帰らずに済むし、全く重さを感じない。

楽過ぎた、狩りも含め。


ザンの時は、跳んでそのままオークの後ろに回って首に1発だった。




そのまま勢いで奥へ来てしまう。


ザン以外は言わなかったが、実のところは3人全員が戦闘へ欲求不満を持っていたのだろう・・・。


ザンに対しての心配なども必要無い。

腕を失ったにもかかわらず。


習慣化していた交代での、落ちてくるスパイダー監視も忘れない。



「久々に歩いたね」


荷物こそ軽いが、ルナノは疲れたのだろうか。

よし。

「ひゃあ」


この腕では少し難しいが、ルナノをなんとかお姫様抱っこ。

それ!

ルナノの重さ分ベクトルを上に向け、20メートルくらい跳ぶ。



「おい!」

後方からイジワの呆れた声がした。


後ろを振り向き、「ごめ・・・」言おうとしたところでイジワに横から飛びつく卑怯な奴が見えた。


たまたまかもしれないが、オーガはそういう魔物だ。



こちらから跳んでも間に合わないし、ルナノを置いていけない。

一瞬の動きだが、ザンははっきり見えた。


イジワは瞬時に左へ避け、オーガの伸ばす腕を切り、返す剣で首をはねた。

3つの動きは一瞬に、1度におこなわれた。



ルナノを抱き直すとしっかりしがみついてきた。

イジワのすぐ側へ跳び、戻った。




オーガ戦においては、イジワがどの程度対応できるか気にはなっていた。

なにせ、人間の体を引きちぎる魔物だ、充分安全が確認できなければ試すのは怖い。



イジワはオーガを全く問題にしなかった。

怪我の功名というか。ひとつ間違えばヤバいのだが。


考えれば、ザンと狩りや訓練をともにして、レベルとしては同様に上がっているはず。

もう、オーガ十数匹、いやもっとか狩らなければ上がらないレベルである。


強くなっていないほうがおかしいのだが、凄い。




次はルナノの番か。近づかれればザンが仕留める。

割と見通しの良いところを進み、魔法で狙撃してみる事に。


前言っていたが、素早い魔物は動き出せばもう狙撃は至難の技だ。



一瞬オーガが見えて跳ぶ瞬間が見えた。もう撃墜は無理・・・

「えい!」


ほぼ無詠唱での氷の矢がオーガの頭部を吹き飛ばした。

オーガの体はそのまま飛んできて目の前に落ちた。

「すごいね」「やったな」


「ありがと、でもちょっと変かも」


ルナノの言葉に男二人は首を傾げた。



「さっきのがあったから、大きくならないように撃ったけど。

それに魔法名無しじゃ威力も落ちるのに。

多分・・・ずっ気になってたけど、これ」


ルナノは“女神の祝福”を見せた。



光っていた。


R15なので大幅に自主規制されました。

ザン編続きます。

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