ユウ、喉を痛める
おっぱいおっぱい。
違った
おふろおふろ。
リリアさんの全裸を拝むのは初めてだ。
おっさん臭いとか思わないで欲しい。
女だって、いいおっぱいを見るのは好きなのだ。
雑誌の記事か何かで、自分だけじゃなったと安心した覚えがある。
そして、ある仮説を試さなければならない。
巨乳を脳裏に焼き付けてザンさんに【想】で“想いをこめる”のだ。
成功すればザンさんは元気になる。光を取り戻す、はず。
泥石鹸はここ専用しかダメらしく、宿代に込みで貰っていく。
湯に浸かる前に体を流す。
リリアさんは全裸だ。
当たり前だ。
湯船に揃って浸かる。
中央にガードされるようにユウがいる。
右のリリアさんのを見る。少し浮いてる、かな。
「ふふ、ユウもきっと大きくなればこうなりますよ。
たまにそうでない人もいますけど」
「ああ?たまの人で悪かったなー」
「え、何の事でしょう」
とぼけ方がひどい。
「あ、あの、アリアさんみたいな人のほうが好きだって人も、確か」
元の世界の話だが、多分似たようなものだとは思う・・・。
そうだ、ザンさんももしかしたら。
今は湯に浸かっていて見えないので、体を洗う時に目に焼き付けておこう。
斜め後ろからがベストか。本人にバレたら殴られそうだが。
ここでユウは行動に出た。
純真無垢〔のふり〕モード発動、中1の心に戻り、行動するのだ。
リリアの真正面に行き、
「ねえリリアさん、ちょっとだけ、ちょっとだけなんで触ってもいい?」
「しょうがないわね、ちょっとだけよ」
指先でちょこっと触る、数度。
「もうちょっと大胆でいいわよ」
言葉には乗らず、指三本でそっと撫でる。
「あのー、もう少しだけ、手のひらでいいですか?」
にこやかに頷くリリア。
手のひらをそーっとそーっと近づける。
外側から全体をそっと包むように触れた。
一気に揉みしだく!
この感触、ザンさんに【想】で届けーーー!!
手を払い、横を向くリリア。顔が引き攣っている。
「ちょ、ちょっとびっくりしちゃったわ」
いい画だ。これもザンさんに【想】で届けーー!
一仕事終えて心地よい汗をかくユウ。
次のターゲットはアリアだ。
ユウ自ら動く。
「背中の流しっこしましょう」
先に髪を洗った。ここの泥、良いもののようだ。
キューティクルにも良さそう。
泥によっては髪や肌に栄養分を補ってくれるそうだ。
背中流しは、自然と大(一部除き普通)・中・小という並びになる。
(計画通り!)
と思ったら、ユウが一番前にされた。
「今度は逆向きで、リリアさんも洗ってあげないと」
(計画通り!)
泥にまみれる女子高生くらいの少女(顔除く)アリア。
まず、泥をつけながらお尻の割れ目まで脳裏に刻む。
(略)届けーー!
背中を洗いながら、腋や横側を洗いつつ胸を覗き込む。
ザンさんがそっち系なら一発KOだ。
(略)届けーー!
更に仕事を終え、充実感を味わう。一服したい気分だ。
あ、もしかして・・・。
ネットで読んだことがある、ロリけふんけふんの事。
本物は12歳以下、いやもっと下かも、本物なら。
もう1度、自分でやるしか無い。
もう1度自分の胸やいけなげふんげふんの感触を確かめながら、自ら凝視する。
残念ながら、大きな姿見は無い。
確か手鏡は見たが、風呂に鏡は置かないものなのか。
感覚を研ぎ澄ます。ザンさんの存在を探る。
ユウ自身のまだ膨らみかけの胸の感触とともに・・・
光が少しずつ強くなっていく!
間違いない、【想】でザンさんにイメージを送れたと確信した。
ザンさんは『本物』だったのだ!
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言うまでもないが、その時傷心のザンはルナノの温もりを思い出しながら眠りに就こうとしていた。それをユウは知る由もなかった。
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翌朝は全員、昼前頃にゆっくりと起きた。
なにしろ、1ヶ月間以上魔物の蔓延る森の中、常に緊張を強いられながら過ごしたのだ。
部屋で1日中ごろごろするか、観光にでも出掛けたいところだ。
ローブにフード姿の3人の怪しさはどうしようもないが。
「ユウの服でも買いましょうか、普段着に」
「あの、皆さんも、ですよね?」
「リリアは顔出ししないのが無難だからねぇ、鎧でも新調するかい?
あたしは特に欲しくもないけど。気に入れば買うよ」
「お金の心配は無いですよ。
魔石と蛇革を取れる時に取ったから。
どれだけ倒したか・・・覚えてないでしょうけど。
まあ全部で、軽く100万ジョネンは行ってるでしょう。
まだ一部しか換金してないですが」
確か・・・色々な物の物価を聞いて総合すると10倍くらいで元の世界の価値に近い。
1000万か・・・・・。
高いという透明ヘビも相当狩ったし、後は・・・やっぱり覚えきれない。
マグロ漁船に乗ったような感じかも・・・漫画知識だが。
聞くと、着てきたローブは相当な銘品で、かなりの防護力があるそうだ。
もっとも、ほぼすべての戦闘で前衛のリリア以外は敵に近づかせさえしなかったが。
ふと、ザンさんが気になって探ると・・・
昨日より光って、しかも安定している。
アレが功を奏したのか?それにしては徐々に強く・・・。
何故かは分からないが、立ち直ったのか。
「外出とか、ギルド依頼というか何か戦闘でも起こる前にうちらのスタンスを決めておきたいねー。
リリア、任せる」
「わかりました。そうですね・・・」
リリアはいつものように思考を巡らせ、いやすぐに答えた。
「基本的には全力で戦うのは最初に決めたとおりですね。
問題はユウです。
魔法に関して、ユウの特徴・・・人智を超えた部分と普通の部分、私も一緒にいて何となくはわかったつもりですが。
アリアに、勿論本人にも、もう一度確認しておきたいです」
「ユウ、違ってたら言うんだよ。
まずユウには二種類の“授かった”能力がある。
特化という“世界の理から外れた力”、それとサブ能力という“名人級”の力。
後者は体を丈夫にするのと、三つの属性の魔法で四分の一になった。
それらは普通とは言えないが、鍛えればあり得る強さで、このひと月魔物を倒すことで更に向上した。
後は【聴】と【想】だが恐らくこれは特殊すぎて外からは分からない。
ただ一つ、最初の力が問題で、力自体は未発達だけれど大きな恩恵を受けた。
後は分かるね、リリア」
「ありがとう。全て整理でき、納得できました。
ユウの最も畏れるべきところは、その魔力量です。
無限にも思えるほどの。
つまり、ユウ、あなたは『これくらいの魔力量』という建前を決めて、人前では使わなければなりません。
実際どのくらい、どの魔法が何回分というのは、これから狩りに行く数日間でアリアに見定めてもらいましょう。
王級でしたか?あの種類のものは命が懸からなければ禁止ですね。
せめて、上級魔法を覚えてそれに留めておくべきです」
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服を買いに出かけた。その他の必要な道具なども。
いろいろ一気に見てしまい、混乱とまでは行かないが覚えきれない。
王都ほどではないが、ここは城壁のおかげでこの世界でも大都市と言えるそうだ。
服屋や宝石屋だけでなく、魔法屋や本屋、錬金具屋すべて楽しかった。
ちなみに宝石は一部除き実用品や装備、魔法屋は魔道具や杖など様々置いてある。
おまけとして、アリアと私の杖も買った。
というのも、アリアにとって体術の妨げになる杖は物理で殴る棒。
私の杖に至っては、魔力増幅の効果のない貴族が見栄えのために持つレプリカだった・・・。
もう夕方。
一日買い物と、ウインドウショッピングというか勉強を兼ねたひやかしで結構疲れた。
森より疲れたような気もする。
ザンさんはまた弱ってはいないだろうか・・・。
遠く、遠く、集中して探る。
あれ?結構強く、自信・・・いや決意の光か、元気だ!
おっぱいはどうなった。ロリげふんげふんは?
【想】つかえねーわ。
「元気にする」のいみがまちがってますね。