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ユウと仲間、森へ

今回から、一人称語りは減らします。


私的に本来の物語の書き方にしたいと思います。

前後で違和感やおかしな部分が多ければ、少しずつ修正していくつもりです。

読者の皆様も、お気づきや要望がありましたらどうぞご遠慮無く物語最後下部のフォームよりご投稿頂ければ嬉しいです。

※「感想受付」はログイン無しで投稿可能です。


鬱蒼(うっそう)とした森。

見上げれば、やっと昼の空が見通せる。



リリアがダッシュして正面のゴブリンを一瞬で斬る。


斜め左のは、ユウのファイヤーアローで既に貫かれていた。

火の始末のため、ピンポイントで弱い水魔法を飛ばしておく。

アリアは暇そうに見ていた。


ゴブリンは群れを組まないというけれど、友達と遊んでいたのかも。



そして、こちらの集団は更に謎すぎる。

フード付きのローブ姿の3人。


リリアはローブを着込んで出発したので魔法使いと思っていたが、剣しか使っていない。面倒なのと勿体無いからだと言う。

ユウの魔法を見てからやる気が無くなったのかも。


一流の居合剣とダッシュ力でここまで上がってきたので、剣一本でもやれるようだ。



~~~~~~~~~~~~



山を降りるか降りないかのところで、剣士ウールと別れ、そのままリリアの言う東へ向かったのだ。


東に道はなかった。

魔物や獣にしょっちゅう出くわすが、問題無い。


結構険しい傾斜地の続くこの辺りにオークはいない。

だが、蛇・熊の類や、より奥に行けばオークより面倒なエイプやオーガもいるらしい。


まだまだここは楽勝だとリリアは言う。




ユウは際限なく撃てる魔法で順調にレベルが上がっていた。


実は初日、いや二日目起きてからレベルは既に2になっていたのだが。

(元)リアを治療した時上がったらしい。


ここまでの旅たった一日でレベルは“4”。



ユウにとってはレベルは単なる目安でしかないという割り切りがあった。


努力や鍛錬で成長すると聞いていたので、この世界ではいちいちレベルを気にすることは無いと思っていた。

ネットゲームなら各種パラメータが増えて強くなるのだが、ここでは自分のレベルが分かるだけで、敵との比較ができない。


だから「魔法をうまく使える」くらいの意味だと。



4つのサブ能力で25%の意味をもう一度考える。

最初からベテラン並の魔法が使えた、100%ならどうなっていたか。


いや、【丈夫な体】は恐らく最重要・不可欠なのだろう。

説明では、サブ能力の方は100%で名人級、更に伸びると聞いた。


ひどく曖昧だとその時は思ったが、全くそのままの意味に思える。

つまり、最初からかなりの魔法が使え、更に伸びるということだ。



治癒魔法は確かに凄いようだが、まだ全然本来の力は無理だ。

リリアを助けられこそしたが。


いや、あれで縁が出来、自分のこちらでの方向が決まったのだが。



他にも分からないことや不思議な事が多すぎる。


・最初魔法を教えるのに、ただ見せるだけでいきなりやらせたこと。

・森に入った理由。

・彼らの遭遇している危険とは。


最後の二つはそのうち嫌でも聞かされるはず、魔法の事だけはアリアにすぐに聞いておく。



アリアは事も無げに言う。

「能力だか、貰ったのは本当で間違いないでしょー? だから」

少し悩むが、考えると分かる気がした。


アリアさんは特にだが、“直線思考”になってしまっているのかも。

相手が“本当の事を言った”と分かる。

紛れもなくそれは正しいが、言ったそのまま受け取りすぎのような。


いや実際、受け取ったとおりそのやり方で上手く行った。

実は自分の方が現実に沿っていない浅い考えなのかもしれない。




日が暮れてきた・・・。


いや全く気づかなかったが、いつの間にか空は薄暗い。

日中の暗さとは異なり、不気味にも思える。


「お食事とお泊りにしましょうか」


見つけたここはちょっと岩が多いがそのおかげで傾斜が緩く、腰掛ける場所も多い。

寝るのは大丈夫なのだろうか、もう少し移動するのだろうか。



一体どこにしまっていたのか、現代のキャンプセットに見劣りしないような調理器具が並んでいる。

床らしい板が敷かれて・・・魔法か?



調理道具も動かない床も魔道具というものらしい。


「野菜と木の実たっぷりだよぉ」

アリアが自慢げに袋から調理台に取り出す。


ボケッとしていると思っていたが、仕事はしていたようだ。

というか、野菜じゃなくてシダ類のような山菜か。



「このリリアさんに任せときなさい。不味いゴブ肉も私の手にかかれば・・・」


「ああ、アレ使えば何でもけっこういけるよねえ・・・」

アリアがニヤリとスパイスらしき瓶を見ていた。



「あ、良ければ調理の仕方覚えますんで見させてください。出来ることは手伝いますね」


「そうだ、風魔法使えたっけ?匂いでいろいろ呼び寄せないように・・・もう日が暮れるから明日教えるねー。

注意しとけばここでは見張りもいらないか。

そうだ、この前みたいに詠唱でやってみるから、力弱めで真似してみてー」



“空気がぐるぐる回って”という感じの詠唱らしくない詠唱で周囲の空気が上空に向けて流れるのが分かる。

全く同じに言ってみると、魔力の流れを感じ、同じように僅かずつだが風が起きているのが分かった。


なるほど、こんな感じでいいのか。

前のは見せてくれただけであり、さすがに省略し過ぎ。



「結構おいしいですね」


「そりゃそうでしょ、私が・・・」

アリアがまた例の小瓶を凝視していた。


「料理魔法ですねぇ。あたしも使えますよぅ、イヒヒ」

アリアがキモい。




リリアは元々冒険者である。この辺りも大体ではあるが地理を把握しており、今後の日程など話す。


「ひと月といったところね、恐らくそう危険はない。

もし普通に帰ってたら、町へは一本道だし町に着いたら着いたで大群が待ち構え・・・後で話そうね。


魔道具や調理方法含めて、山中での冒険者スキルはちゃーんと教えてあげますね。

あ、でも下手したら着いた頃には立場逆転してたりして」



収納の魔道具や収納魔法についても教わった。どうりで大量の道具があるわけだ。


魔法の方は魔力の限界があるので、一時的に物を隠蔽しながら運ぶ時に使うらしい。



「今更だけどユウさん、本当にごめんなさい。いや、ありがとう。

あなたが私を助けてくれた時から、もうこうするしか無い事は確定していたの。

あなたを守るために、全力を尽くします」



なぜ東に向かったのか、同行する事になったのかが語られようとしていた。

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