12話 ブレイクファースト
新キャラがでます!!
「星夏゛様゛。珈琲はいかがでしょうか?」
メイド服の女性。(決して可愛いメイド服ではない。)
「あ、えっと、大丈夫です....。」
ん?
「星夏゛様゛、寒かったり暑かったりしませんか?室内温度調節しますので。」
執事服の男性。
「あ、大丈夫です.....。」
ん???
「星夏さん、どうしたんですか?」
「る、ルミナス........。」
「はい。」
「こんなの聞いてないぞっ!?!?」
ガタッ!!
おっと、思わず立ってしまった。
「静かにしてください。朝食くらい黙ってられないんですか?」
「黙ってられるかっ!!なんでダイニングルームだけで普通の一軒家超える広さがあるんだよっ!!」
ついでに天井にはシャンデリア。
「なんの事ですか。」
珈琲をひと口すすり。
「惚けるなっ!そもそも何でこんなに召使いが沢山いるんだよ!お前はどっかの金持ちか!!」
さらに言うと、俺とルミナスはキラキラの正装姿。
「自分は『使者』として大切な人材なんです。これくらいは当然でしょう?」
「お前なぁ....。」
「珈琲お代わり。」
「はい。今いれてきますね。」
さり気なく、隣にいたメイド服の女性召使いに珈琲をお代わりしている。
「....で?」
「....で?じゃねぇよっ!お前相当裕福何だなっ!」
「ありがとうございます。」
「褒めてないから!」
「いちいちうるさいです。」
「容赦ねぇえっ!!」
あぁもう、疲れる.....。
言い返してても仕方ないので辞める事にした。
それよりも気になることがあったからだ。
「というかだな、そんなに『使者』って凄いのか.......?」
「他の世界ではそこまでではありません。《魔水邪悪》では別の話ですけどね。」
ルミナスは直ぐに態度を変えて真面目に返事をする。
「《魔水邪悪》には、『使者』の人材が少ないのか?」
「『使者』になるには、地球語をほぼ全て取得しなければなりません。」
あぁ、確かそんなことを言っていたな。
「地球語を全て取得する程の能力の持ち主がこの《魔水邪悪》に居る訳ありませんよ。仮に居たならば、とっくに別の世界に引き取られているはずです。」
「つまり、地球語が完璧なのはこの《魔水邪悪》ではルミナスだけなのか?」
「そうです。だから、この世界の唯一の『使者』なんです。」
朝食を終え、珈琲のお代わりが机に並ぶ。
「そうなのか...。でも、ならどうしてルミナスは他の世界に引き取られないんだ?お前相当頭良いだろうし、ここの《魔水邪悪》に居る必要無いんじゃないのか?」
「それは...、」
ルミナスが口を開く前に一人の執事が俺の前に立つ。
「ルミナス様に必要以上の質問をしないで頂けますか。」
問いかけられているはずなのに、言葉に拒否権が存在していないみたいだ。
「え....っと、すみません。」
冷たい視線が痛々しく感じたので一歩引いた。
にしても、なんだこの男......。
随分ルミナスの事を知っている様子だ。
「゛ルナ゛、気にしなくていいです。」
「すみません。」
一礼して執事服の彼は下がる。
ルナ.....。彼の名前はルナというみたいだ。
漢字は分からないが、日本人っぽい名前ではない。かといって外国にいる名前でもない。
もしかしたら、ルミナスの様にこの世界の人なのかもしれない。
まぁ、一応覚えておこう。次何言われるか分からないからな。
「ご馳走様でした。」
と、色々考えているあいだにルミナスは二杯目の珈琲も飲み終わっていた。
「あ、ご馳走様でした。」
俺もご馳走になったので両手を合わせた。
「星夏さん、少し話があるのでついてきて貰えますか?」
「え、あ、あぁ、わかった。」
俺はルミナスについて行き、ダイニングルームから出ていった。
後ろからの目線には気づかずに。