11話 目覚め
無事、更新できました〜!!
次話の投稿もお待ちください!
ピピピ、ピピピ
アラームの音が響く。
これは、多分スマホのアラームだな。
聞き慣れているからすぐ分かる。
いつも、お世話になっているしな。
よし、起きるか。
手探りで瞳を閉じたまま、俺はアラームの鳴っているスマホを探す。
...........。
...........。
.......あれ?ない???
おかしいな。どこにやったかな。
眠気を覚まして体を起こす。
あれ、ここ、俺の布団じゃない??
俺は布団で寝ていたけど、ここはベッドだ。
というか、言われてみたら、色々全部違うし、そもそもここ何処だっけ????
あー、やばい、頭の回転が悪すぎる。
そういえば、スマホのアラームの音聞こえなくなってるし。
と、そこに
「大丈夫ですか。星夏さん。」
一定のペースを保ちながら、接してくるルミナス。 部屋の入口に寄りかかっている。腕も組んでいる。一言で、態度がでかい。
心配する気あるのかこいつ。
「何だか、寝ぼけてるようですね。」
「え?あ、あぁ、多分そう....。」
寝ぼけすぎて、返事するのも面倒くさい。
とはいっても、いつまでも寝ているわけにはいかないので、仕方なく洗面所に向かおうとした。
そう、洗面所に。
........。
.......って、だからここどこだよ!?!
「自分の家です。」
「ルミナスの!?!」
そうだ、そうだ、そうだった。
俺は、異世界に来てしまったんだった。
それで、《魔炎邪悪》が起きて、収まって、一段落したんだった。
でも、泊まるとこがないからルミナスの家に連れていってもらったんだった。
「普通にやばいじゃねぇかよぉ....。」
ここまでポンポン進んで来たけどさ、普通にやばいじゃんか.....。
「今更何を落ち込んでるんですか。」
「落ち込んでねぇよっ!」
相変わらずだし。
「とりあえず、洗面所でしたっけ。」
「あ、いや、その前にさ、俺のスマホ知らない?」
「...スマホ?星夏さん、スマホなんてこの世界に持ってきてましたっけ?」
「え?あ、持ってきてなかったか。あれ、じゃあアラームは?」
「アラーム?鳴ってませんよ。」
あぁ、そうか。
これは、幻覚ってやつか。まだこの異世界に来てから、約一日しか経ってないしな。
不慣れで当然か。
そう考えると、一日長かったな.....。
「一人で思い返しタイムなんて、図々しいです。」
「君に図々しいって言われる資格ないよね!?!」
...........。
「資格??」
「.....は?」
ルミナスは「なにそれ」と言った顔だ。いや、仮面付けてて見えないけど。首傾げてるし。
え?資格って言葉の意味がわからないの?
「資格ってなんですか?」
「え、おま、日本語できないのか!?」
「し、失礼ですね。自分はこれでも、この世界の中では地球語は一番よく知ってますよ!?」
ムキになって言い返すルミナス。
地球語??てかまてよ?
よくよく考えてみれば、こいつは異世界の人(?)なんだよな。
ってことは、日本語出来るって実は凄い感じだったのか!?!
さやかは日本語出来てたけど、名前から日本人だしな。多分、日本から来たんだろう。
「日本語難しいのによく分かるな。」
「全くです。日本語は各国の中でも一番難しくて、習得するのに時間がかかりました。」
ルミナスって意外と頭が良いのかもしれない。
各国の色んな言葉を理解するなんて、普通に考えて相当な勉強しなければならない。
「まぁ、使者になる前に日本には行ったことありましたから、他の方よりは直ぐに覚えましたけどね。」
「そうなのか。」
使者になる前か。
使者になる前はルミナスは何をしていたのだろう。
「でも、大変なだけじゃないんですよ。日本語を理解したおかげで、自分は『怪盗』の存在を知ることが出来たんです!本当に素敵です♪」
ルミナスは浮かれ顔している。
なるほど、怪盗好きは日本のアニメや漫画からか......。
にしても、自分を怪盗と名乗るくらい好きって、どんだけだよ。
「まぁ話を戻して、地球語ってことは、英語とかもできるのか......」
「できますよ、使者ですし、色んな言葉が出来ないと困るんです。」
そうだよな、別に日本だけからダメ人間が来てるわけじゃないもんな......。
ちなみに、俺は理数系だから英語は苦手だ。
「自分は文系です。」
「聞いてないからね?」
「独り言ですが?」
言い合いは初対面の時から何も変わってなさそう。
「あー、はいはい。」
呆れるようにため息をした。
「話がずれましたが、朝ご飯を用意したので準備が出来たら、ダイニングルームに来てください。」
と一礼。
「あぁ、わかったよ。」
そして、ルミナスは一旦部屋を退出した。