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悩みと救いは狂気の果てに  作者: 三島三城
その②日常編
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佐倉綾編①:新しい日々とトラウマ邂逅

リアルにロリ恐怖症です。どうしましょう。


 諸君は【ロリ】というものが好きであろうか?

近年増加しつつあるロリコン(犯罪者)が増加しつつあるのも社会現象の一つである。

ロリコンが発生した原因として近年のアニメ作品のロリキャラの完成度が高すぎるのも大きな理由であろう。まあ、基本的に年下と結婚する人が多いから多いといえばそうだが違う。年の差だけではないのだろう…奥が深い。例を挙げると天使〇3pなんて露骨なアニメなんてあるし、エ〇マン画先生もそうといえばそうだろう…だってヒロイン小学生だよ。


恐らく一番を挙げろなんて言われたらメ〇ミンとしか言えない。あれ以前から多かったが…一般人まで汚染されたのはまず間違いなく彼女が原因だ。とまあ、なぜこんな話をしたかというと…ボクのトラウマについてである。


最初に言っておく……ボクはロリ恐怖症だ!

周りに言えば「あり得ない。」 「感性が腐っている。」 

「これだからお姉さま好きという名の熟女好きが。」

などと言われる。あれ?ボクの周りロリコンだらけ?

まあ、それには理由がある。あれは忘れもしない幼稚園年長のとき。


年少であった彼女はボクの事を様付で呼び、後ろをトコトコついてきた。

これ自体は特に何もないが(むしろ程よい愉悦に浸れた)問題は小学生の上学年になったときの事…あの頃のボクは今とは違いそれなりに綺麗で可愛らしい顔立ちをしていた。そのためか年下と年上にそれなりにモテた。それがあの惨劇を巻き起こすとはだれも予想すらしなかっただろう。


 ある日友達と昼休みに遊んでいた時であった。とある一人の少女がボクの前に現れた。彼女はボクに「好きです。」と言ってきた。彼女は小学2年であり、

ボクはそんなに気にすることもなく「ありがとう。」と一言言って終わらせた。

 しかし、終わるようなことはなく…むしろ悪化していた。

彼女がストーカーまがいなことを始めたのである。それ自体は当時の友達の

「こそこそしてるんじゃねえ。」の一言で収束…じゃなくて悪化した。

次のステージは追い掛け回すであった。

その際に、晃司様なんて言ってきたものだから過去の記憶と結びついてただただ恐怖しか湧いてこなかった。その後数か月とある事件が起きるまで続いた。彼女はボクの身を守ってくれていた友達に怪我をさせてしまった。その時の彼の具合は階段から転げ落ちてはいたものの持ち前の頑丈さで大事には至らなかった。


その後…二人そろって転校した……ボクもその数日後に父の転勤が決まった。


 それからというもののロリを見るたびにその記憶を思い出して顔が真っ青になる。もはや美咲をキレさせた時と同様である。要するにトラウマである。


 なぜこんな話をしたかと言われたら。それはこの話に少なからず関係のある

出来事が起こるのだからだろう。正直、この夢を見た時の目覚めはいつにもまして悪かった。

 でも、まだ【アレ】に比べれば断然ましだろう…。




 時は5月下旬。一年で一番点が取りやすいが諸々の理由で結局はむしろ低下することで有名な一学期の中間考査終了後である。

因みにボクの諸々の理由は我が妹君の薊を愛でるか、新作のポ〇モンもしくは希関連であった。

 そんな幸福な時間の朝の通学時間。ボク達はいつものように小鳥遊兄妹と登校していた。そして、ボクの奇妙な縁はまたボクに厄介ごとを押し付けるのであった。

 端的に言おう…美少女が痴漢されていた。しかもどういう訳かボクにしか見えていなかった。まあ、成長のために率先して解決することに決めたので取り敢えず助けに行こう。

「たかし、要時ができた荷物見てて。」

そう言ってボクが二人席から立ち上がると察したたかしから

「おう、頑張ってこい。」などと言われる。

まあ、いっちょ行きますか。

ボクは知りもしない…この少女が何者で…またそれなりの悩みがあったことに。




「おじさあ~ん。ちょっとお話いいかなあ?」

「ア、なんだあクソガキ。」

「言わなきゃわかんねえか能無し。その手をどけろと言ってんだ。」

取り敢えずおじさんに話しかけると予想以上に柄が悪かったので自然と口調が荒くなってしまった。

大丈夫、まだ声色は変わってない。まだ平坦なまま。

「さあ、なんの事かなあ?」

うあ、カチンときた。

「いや、ここで降りて交番まで一緒に行きましょうかと。」

「そんなことできるわけねえだろ。常識的に考えろや。」

「いや、常識的に可能なんですが。」

ごめんごめん。十八になってないボクが言ってはいけなかったね。

『常識とは十八までに得た偏見の事である。』だっけ?

「何を言ってんのか。」

「いや、バスの運転手に言えばすぐに対応してもらえますし、あなた程度だったらボクだけでも連れていける。それよりもあんた捕まりたくないよね?」

この非常識なおじさまに【常識】を授けて差し上げた。こう見事なクズなかなかいないよ。

ちょっと感心しちゃった。

「てめぇ~」

「いや、こっちも内申のために朝自習遅刻したくないし、そっちも会社に遅刻したうえに社会的に死ぬとか嫌だよね?」

「……」

ああ、チョロイチョロイ。こういう人って案外丸め込みやすいんだよねぇ。

「取り敢えずこのバスから降りて次のに乗ってください。そうすれば、ボクは見逃します。いいよね?君?」

「はい。」

ええっと、被害者の同意も得た訳で…さあ、トドメダ。

「オーリーロー、オーリーロー、オーリーロー。」

「わあった。出てくよ。それでいいんだろあんちゃん。」

「欲を言えば彼女に謝ってくれた方が…」

その後文句を言いながらも謝罪をし、バスを降りた。

「あの、この度はありがとうございました。」

「いいんだよ。それより君は?制服着てないみたいだけど?」

それはさっきからの謎だ。彼女の着ていたのは清楚という文字の似合う水色のワンピースであった。

どう見ても制服じゃないし、この辺に私服登校の学校はない。つまり…

「はい、ついこの間引っ越してきたばかりで今から転入手続きに行くところです。ちょうど中間考査が終わり、授業に入りやすくなってきたのでたぶん明日からですね。」

「へえ、どこの学校?」

「上条です。」

ちょっと予想外だった。うちでした。こういうのを運命とかいうのだろうけどボクの場合はよくあることなので特に何も感じない。


上条学園は小中まで編入が可能だが、高校はない。まあ、一応進学校だし。

それと、うちの学校の編入試験といえばかなり難しいことで有名である。

まあ、理由としては編入の手続きがめんどくさいからいっそ入れなくすればいいとの事である。

なぜ知ってるかって?君、ボクはこの学校の裏の経営者と知り合いなのだよ。

それに以前、薊が前にオール満点を取って歴史に名を残したことを覚えている。

流石自慢のマイシスター。あ、目が合った。手を振っておこう。

あ、返してくれた。何これうれしい…昇天しちゃいそう。なんなのその可愛さ

ちょっと恥じらった感じの振り方とかマジ最高…おっと、今別の人と話してるのだった。


「へえ、うちか。まあ、何か分からないことがあったら聞きに来てくれてもいいよ。ボクの名前は村上晃司。高校二年だ。」

「え、晃司?」

「どうかしたかい?」

「いえ、なんでもありません。お世話になるかもしれませんがそのときはお願いいたします。」

そう言ってボク達は別れた。ボクの経験上この後会うことはほとんどないだろう。少なくとも悩みでもない限り。




 晃司…そう言ったよねあの人。確かに面影はあるし何よりもあの性格は大分変わってはいるけれどそうだろう。晃様…また…会えました。綾はこのときを待っていました。ということは…。これからいいことありそうですね。

彼女は心の中でひそかに高揚していたが、本人はこのことを知るまでそう遠くはなかった。




 バスの痴漢事件を解決したボクたちは学校へと向かった。

途中で薊と離れたくない衝動にかられたことはここだけの話(なぜなら、痴漢事件のために話す時間が減ったからだよ。ついでに美咲から『ざまぁない』と鼻で笑われたのでかなりイラっと来ている。)

教室に入ると今回ばかりは少々しなければならないことがあるので一人の生徒に話しかける。

「おはよう委員長。突然だけど少しいいかな?」

「なに?デートの誘いなら日によってはいいわよ。」

「そんな用事はねえ。」

というかいいのかよ!行く気はないけど。この生徒は我がクラスの委員長であり、同時に学年2位(入学当時からずっと)であらせるお方である。同時に教師陣とコネがあり学園内の情報はたいてい持ってらっしゃるいわゆるチート才女である。

 そもそもこの人の悩みで三笠組まで乗り込んだだっけ?その辺は置いておいて、このちょいちょいヨイショしている理由は、ボクが彼女に恩があるからである。その辺はまあ、いつか話せるときは来ないだろう。話す気ないし。取り敢えず、そんな感じです。


「で、話って何かしら?」

「中学の方の編入生についてだけど。」

「なに?もうそんなこと知ってんの。私だってそんなに時間たってないのに。」

けっこう公になってないものらしい。でも知ってるんだね。

「いやあ、今日その子と知り合いになってですね。ついでになんかあったら着ていいよなんて言ってしまったんですよ。」

「うあ、なんつうテンプレ。そしてあんたもさらっとそんなこと言わない。

まあ、大体その後会うことがないのは知ってるけど。今回はちょっとめんどくさそう。」

「そうなんだよね。調子になってさらっと言っちゃった。それだから後の対処よろしくです。」

正直恩人に対する態度じゃないなとは思いますよ。でも、何か頼まれたり命令されたら絶対服従ですよ。


その辺は徹底しているつもりです。というか実質奴隷だよね。向こうはそう思ってないからそこまでひどいのが来たことはないね。そこは素直に喜ばしいことです。

「まあ、あなたから頼まれたのなら引き受けましょう。次はしっかりなさい。」

「はい!しかと心に受け止めました。」

ほんッと…すみませんでしたァァ。


 委員長と話し終えて授業が4コマ終わる…昼休みダァァァ。さ、薊のとこ行くか!…の前に…

「小川先生?ちょっとOHANASHIがあります。」

露骨に怪しかった先生と少し話さなければ…。


「なんだ村上?」

「いえ、この前の話です。」

前回の話のときに少し言っていたとても気になる発言があった…それは…。

「なんで先生…【狂気】のこと知ってたんですか?」

「ああ、もう目覚めたか…。正直、俺はそれの事についてほとんど知らん。前にいた研究室で【狂気】についての研究があった。一応お前達の一族は国から認知され、特殊な手当てが与えられる。ということはそれなりに知られている。だけどだれも手が出せない。まあ、それには色々他あるわけだがその辺は省く。まあ、なんだ…取り敢えずお前がそうだということは知っていただけだ。正直どういう仕組みか知りたいし、本当に近い人しか能力の全貌を知らないから、正直みたい。」


だめだ、この人本当の研究馬鹿だ。もう手遅れだ。ということで…秘奥義だ。TASでサファイアを攻略する際にカイオーガに対してすること叱り、ジョセフ・ジョースターの得意技でもあるアレだ…。

つまり……。

「先生失礼します。」

逃げるんだよォォーースモーーキーーー。逃げるが勝ちである…さあ早く薊のもとへ。騒がしい学園生活である。




 家に帰ると珍しく父さんが家に帰っていた。

こんなに早く帰ってくるのはずいぶんと珍しい。准教授になってから帰るのは大分遅くなった(あれ、助と准どっちがだめだっけ?差別にもなってないから差別用語認定するのやめようよ。名刺の内容変えるの面倒なんだよ。スペアの処理が。)

こんなに早いのは何か重大な話があるからだろう。うああ、大分身に覚えがあるわあ…。

しかし、帰ってきたのはとても予想外で…衝撃的なものであった。

「今日から一人この家で暮らすことになった。」

「「「へっ?」」」

家族そろって素っ頓狂な声を上げる。

にしても薊かわいいなぁ。その鳩が豆鉄砲食らった感じの顔最高。

「前にいた新潟での同僚に佐倉というやつがいたのは覚えているか?」

げっ!それって……。

「そいつは今、自分ででかい医療グループを作り出して今や時の人だ。」

「それがどうしたの…。」

あ、自分でも思ったけどかなり声震えてんな。声色も若干もとに戻ってた。薊の前だけでは取り繕ってたかったけど…ギリギリセーフだよね?そうだよね?

「そこのグループが隣町で何かプロジェクトを進めているらしく本人がそちらに出向くそうだ。そのついでに学校での折り合いが悪くなってしまった一人娘の綾ちゃんを上条に通わせるそうだ。そこで佐倉から家に居候させてくれないかという相談がやってきた。」

マジでっ!それってまさか…今日の子って…。

「晃司…トラウマの遠因だということはわかってはいるんだけど

それを克服するということで受け入れたんだけど…すまない。」

ああ、そのためか。やっぱ父さんは最高だ。ファザコン上等だい!

「いいよ父さん。ありがとう。そのために受けてくれたんならボクが文句は言わないよ。」

「ごめんな…晃司。勝手に進めて。」

そういう風にこの緊急家族会議は閉幕した。余談だけど事情を知らない薊は終始キョトンとしていた。

その顔は脳内に永久保存しました。できれば希にも共有したい…。無理だけど。



実は今回の過去の話、半分以上実話だったりします。

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