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フィットおじさんと両親を探しにいく

「お父さんとお母さんと妹、今日は家族皆でバーベキューだ!」

肉を食べようとした時、ホワイトアウトした。僕は家族の夢を見ていたんだ。

「うーん、ここはどこだろ?」

土の天井が見える。あーそうだ、ここは異世界なんだ。


「おぅ、起きたか?」

「はい、おはようございます」

「ぐぅ~」

「腹が減ったか、これでも食べなさい」

「げぇっ、ありがとうございます。いただきます。」

「武の口には合わなかったか」

 昨日と同じ野菜スープをくれた。

 こんな状況で出されて物にケチつけるのは悪いけれど、この野菜スープは、お湯に草を入れたかんじだ。

 どっからどう見ても、草。草にしか見えない。僕は我慢して草を食べた。



 今日は、フィットおじさんと役場に迷子を捜してる人はいないか聞きに行く事と、買出しに下層まで行く事になった。


「うわ!草が生えている」

「それは今日食べた野菜スープに入ってたネリだよ」

「そうなんだ!」

 家の横には草・・・ではなく、ネリが均等に植えてあった。


 最下層は、大よそ高さ2m幅1mの道があり、間隔を空けてドアがついていた。

 大きな窓がついてる所は、闇市だそうだ。

 闇市といってもこっちの世界でいう変なものは売っていなくて、最低限の野菜屋とか雑貨屋。要は、税を逃れる為だそうだ。


 最下層に住んでる人は、大よそ100世帯。大半は7年前の事件の関係者が住んでいる。後は7割の税が払えなくて財産が没収された人達が住んでるそうだ。

財産没収された人でも人格に問題があり、騎士に告げ口をする可能性が高い者には、最下層の存在を教えて貰えず下層で野宿してるそうだ。


 「ここだ」

 僕たちは木のドアを開けその家に入り中にある梯子を上り天井の上の板を外した。

 ここは木で出来た小屋だ。そこから出ると下層だ。


 下層は木で出来た手作り感ある住宅街。

 別の所には、畑や家畜が区切られている。大きさは100㎡くらいの敷地だ。

 

 「ここが役場だ!入るぞ!」

 1層の建物はどれも2・3層の建物に比べると大きいが一際ここの建物は大きい。

ちなみに、1番大きいのが、下層騎士の建物で、2番が役場だ。 


 受付にはお姉さんがいた。

「この坊やが迷子みたいなんだ。記憶がないそうなんだが、迷子を探している人はいませんか?」

「はい、お調べしますね!」


「お調べ致しましたが、現在迷子の届けが出ている人はいませんね。上の層からも連絡は来てないみたいですね。残念ですが・・・。」

「わかりました」


 とりあえず、迷子登録はした。おじさんが言うには、貧しくて育てられなくなって捨ててしまったんだろうだと、オブラートに言われた。僕はここには家族はいないとは知ってるけど、状況的に悲しそうな顔をした。フィットおじさんは慰めてくれた。


「フィットおじさん、僕・・・」

「大丈夫だよ。好きなだけいていいから!もうお前は俺の息子さ!」

 自然と涙が出てきた。こんなに優しいおじさんを騙して悪い気持ちと、フィットおじさんの愛と、日本から離れての孤独で泣いた。

 おじさんは抱きしめてくれた。

「ありがとう!僕頑張る!」

 僕はフィットおじさんが少しでも楽になるように頑張ろうと誓った。

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