第十六話『動き出す絆』8
みなさん、改めてまして明けましておめでとうございます!!
今年も最強の問題児と最弱の神人少女をよろしくお願いします!!
勝利は見えた。
今の私なら勝てる……!!
私はもう屈する気はない。
「行くわよ、茉依!!」
「……!!」
「超加速――ハイダッシュ!!」
私は加速魔法を使い、素早い攻撃を仕掛ける。
反射の弱点を考えればこれが一番良い手だ。
茉依が予測出来なければ、リフレクトは使えない。
ならば、予測できないほど速くなればいい。
「はあぁぁぁぁ!!!!」
「かはっ!!」
当たった……!!
初めて茉依が細剣の攻撃を受ける。
茉依は攻撃を受け、後方に移動する。
意識するのよ……私。
今までの司との訓練を思い出しながら、私らしい戦い方を作り出す。
「どうして……跳ね返せないのよ……」
今の茉依は明らかに動揺している。
恐らく今の攻撃は茉依には一切見えていなかっただろう。
だから、今がチャンス。
私は再び攻撃体勢に入る。
「ねぇ、茉依?」
「な、な、何よ……?」
「私は茉依と戦えて良かったと思っているわ。だって、やっと茉依としっかりと対話出来たんだもの」
「……!!」
今までは言葉だけで何とか茉依と通い合おうと思っていた。
でも、それは違う。
私にはそれ以外の方法がある。
このレイピアだ。私のレイピアで気持ちを最初から伝えれば良かった。
どんな壁にぶつかったってレイピアは一緒だったから。
レイピアは私の分身ともいえるぐらい大事なのだ。
だから、
「茉依、私と真剣勝負をして」
「……ふん。なるほどね。少しは期待を裏切らないみたいだわ。
もちろん、その勝負受けるわ!!」
そして茉依はあの頃のように笑った。
とても懐かしくて、とても暖かいそんな笑顔だった。
これでこそ、親友よね。
私は心の底からそう思った。
「ありがとう、茉依。じゃあ、行くよ!!」
「掛かって来なさい、成実!!」
「はああっ!!!!」
レイピアと共に風を起こすように茉依に迫る。
加速魔法はまだ残っている。
これなら勝てるはず!!
私は力強くレイピアを振り下ろす。
「同じ手には引っかからないわよ!!」
茉依は私のレイピアの攻撃を受け止めた。
さすがは茉依ね……。
私の攻撃をいとも簡単に破ってしまうとは。
そう考えると、同じ手は何度も通用しないということになる。
私が剣技を使えるのを知らないとはいえ、一度でも避けられたらそこで終わりだ。
一発で決める必要がある。
だけど、それを無理かどうか考えている暇はない。
それを可能にする。それが私の勝利のカギだ。
「今度は私からよ、成実!!」
茉依が私よりも先手を取る。
逃げるだけでは駄目だ。
リフレクトがあっても私は受け止める!!
「はあぁぁぁぁ!!!!」
「……!!」
キイィィイィン……。
闘技場内に大きな鈍い音が響き渡る。
だけど、先ほどのような痛みを感じない。
「茉依……?」
「あなたが言ったじゃない……真剣勝負をしようって。
だから、私は小細工は使わない。剣技だけで成実に勝つ!!」
茉依は本気で私と向き合ってくれている。
なら、答えなければ……!!
「私も剣技で茉依に勝つわ!!」
「望むところよ!!」
そして、茉依は私から離れる。
剣技を発動するつもりだ。
雷の鉄槌が来る!!
私は茉依に目掛けて走る。
「今度こそ、くらいなさい!! 雷の鉄槌!!」
恐らくこれをまともに受けたら私は負ける。
でも、これを避ければ私の勝ち。この剣技は放った後は硬直があるはずだ。
だから、そこで決める。私の剣技で。
「はああぁぁぁぁぁぁ!!!!」
たった数秒でいい。
ただ避けることだけに集中する。
私は今真正面を走っている。どちらに避ける……?
左か、右か。考えるのよ……必ず避けられる方を。
『茉依はいつも右から攻撃するよね』
はっ!! ふと昔の出来事を思い出す。
そうか、茉依には癖があった。
でも、今でもその癖があるとは限らない。
どうする……?
ええい、私らしくない。
一か八かやってみるしかない!!
「……!!」
サンダーインパクトが頭上に近付く。
「今!!」
右に逃げようとする。
「甘い!!」
茉依は想定済みだ。
だけど、
「まだ癖が残っているよ、茉依」
「……!?」
私は左に移動した。
「くっ!! しまった……!!」
茉依は硬直で動けなく。
「これで、終わりよ!!」
もう茉依に逃げるすべはない。
私は剣技を放った。
光速切り(シャイニングブレイク)――。
「かはっ!!」
茉依はダイレクトにその剣技を受ける。
でも、これで終わりじゃない。
「受け取って、私の思いを!!!!」
私の剣技、星光切り(ホーリースラッシュ)を放った。
茉依は最後に清々しく笑い、その剣技を攻撃をもらう。
「成長したね……成実……」
そう言い残し、茉依は倒れた。
気が付くと、闘技場内の空気は静まり返っていた。
審判も呆気に取られている。しかし、気を取り直し、
「勝者、柊成実選手!!」
「「「「「「「おおぉぉおぉぉっ!!!!」」」」」」」
辺りから盛大な歓声と拍手が巻き起こった。
最初はあまり実感が沸かなかった。
だけど、徐々に……喜びが溢れてくる。
やった……私は勝ったんだ!!
ついに茉依に勝利出来たのよ、私。
嬉しい、本当に嬉しい。
でも、喜びの束の間私の目の前が暗転する。
「あれ……?」
体の力が抜けていく。
遠くから声がする。
結局こうなるのね……。
分かってはいたけれど、情けないわ。
状況が飲み込めた私は少し肩の力を抜く。
もう、最後くらいカッコイイ所決めなさいよ……。
私はその後気を失ってしまった。
新年早々に、拙い戦闘シーンをすいません。この話だけ異様に長くなってしまいました……。次回で第十六話が終わると思います。
追記
明日、投稿予定です!!




