第十六話『動き出す絆』1
文章が長かったり短かったりするのは、まあ作者の未熟さと思うのであまり気にしないでください……。
「……きて。起きて、司!!」
「……!!」
俺は突如上から声がして、驚いてしまい飛び起きた。
そして、ゴチン。
「はぅ!?」
その人物と俺は頭をぶつける。
声からして女の子だな……。
でもどこかで……ってあれ?
だんだん視界がはっきりとしてくる。
「ひっひっ柊!? どうして、お前がいるんだよ?」
「そんなの決まってるでしょ!! 司を起こしに来たのよ!!」
「えっ、俺を?」
一瞬何を言ったのか理解出来なかったが、柊の表情を見る限り嘘ではないらしい。
「ほかに誰がいるのよ!! まったく……。頭が痛い……」
俺とぶつかった衝撃で柊は頭をすりすりとしている。
いや、俺も正直痛かったぞ。
まあ、口にはしないが。
「一応、ありがとう。でも、俺を起こす理由が全く分からないんだが」
「……!! 明日からまた訓練しようって約束したじゃない!!」
ああ、そういえばそうだったか……。
見た様子、特に異常はないから訓練は出来そうだ。
ここは正直に謝っておくか。
「すまん、すっかり忘れていた。次から気をつけ……っておい。
どうして、そこで細剣を出す。おい、まさか――」
「この問題児が!!!!」
「ぎゃああぁぁぁああ!!!!」
俺は朝から柊にぼこぼこにされた。
実に理不尽だ。
頭だけでなく全身が痛いなんてどんな日だよ、今日は。
「ふん。先、闘技場で待ってるから。早く来なさいよ」
「それが人に頼む――」
再び俺に細剣が向けられる。
「もう一度やってあげようか?」
顔が笑ってないんですけど……!?
本当に恐ろしいな、まったく。
「すいません、何でもないです……」
「よろしい。じゃあ、先に行ってるわね」
そう言い残し、柊は俺の前から去っていった。
まだ朝の六時じゃないか……。
柊が俺の前からいなくなった後、時計をチラリと見たら何とも言えない時間帯だった。
昨日、全然寝てないんだぞ……。
こんな事になるんだったら、瀬那先輩達に頼めば良かったな。
「はぁ……。朝から最悪だな……」
深いため息を俺は漏らした。
体がまだ柊のせいで痛むが仕方がない。
そう思いながら俺は体を起こした。
近くにある洗面所に移動して俺は眠気覚ましに顔を洗う事にした。
とはいえ、ほとんどは目が覚めているけどな。
まあ、気分転換だ。
俺は水を出し、顔を洗う。
朝にやる顔を洗うのは本当に気分がいい。
まあ、今は俺の情けない顔が映ってしまうので微妙な感じだ。
まだ、痛い……。どんだけ力を入れたんだ、あいつ。
限度の知らない女の子には困ったものだ。
よし、これで大丈夫だな。
一通り整えた所で鞄の中身を確認する。
調べたところ、特に変わったことはないな。
昨日使っていた訓練用の木刀も入っている。
さて、闘技場に行くか。
いよいよ柊が出る神人のトーナメントも明日なんだな。
俺も明後日には団体戦三回戦か。
いつになったら休めるのか、分からない。
さっさと、片づけてしまおう。
そんな事を思いつつ、目的の場所に急いだ。
途中、瀬那先輩に会ったが挨拶をしてすぐに闘技場に向かった。
「遅い、司」
少し不機嫌いや拗ねている柊が俺を待っていた。
「悪い、柊。結構急いだつもりなんだが……」
「遅いわよ、まったく」
「そうか」
とりあえず、元気そうではあるから良かった。
俺は鞄を下ろし、木刀を取り出す。
「ほれ、柊」
「あ、ありがとう」
「一々、恥ずかしそうにするなよ……俺もやりにくいだろう……」
「わっわっ悪かったわね!! 恥ずかしそうにして!!」
「まあ、いい。それよりさっさと訓練しようぜ」
俺は木刀を構える。
それを見かねた柊も木刀を構える。
「そうね、始めましょ」
「ああ、行くぞ!!」
朝の訓練がこうして始まった。




