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最強の問題児と最弱の神人少女  作者: 鈴夢 リン
第三章 奮闘編
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第十五話『決意と奮闘の中で……』6

 もう夜か……。

 柊の傍に居る事を決めてからだいぶ経ち、時間は十時を過ぎていた。

 目が覚める気配はあまりしないが、それでも気持ちが良さそうに柊は寝ている。

とりあえず、安心していいだろう。

 まあ、俺はただ柊の顔を見たりしていた。

いや、別にやましい気持ちはないからな。確かに柊の寝顔は可愛らしく思うが。

 いかん。このままでは俺が本当に問題児になってしまう。

それだけは阻止しなければ。社会的に俺は終わってしまうからな。

 とにかくそれだけ余裕があるという事は柊はもう大丈夫だという事だ。

途中寝返りを打ったりしていたしな。

 特に心配する要素はないはずだ。

 後は目が覚めてくれれば全てが丸く収まるんだが……まあ、仕方がない。

 さて、柊が大丈夫そうな事が分かったし気晴らしに飲み物でも買いに行くか。

 俺は拝借していた椅子から立ち上がる。

ちなみに今この場にいるのは俺と柊だけである。

 七瀬は家の用事があるという事で、先に下校した。

とても申し訳なさそうな顔をしていたが、俺は一人で大丈夫だからと言って帰らした。

 俺は一応弟のなぎさに今日は帰れないと伝えてある。

 だから、俺も柊も学園に泊まるようになっている。

しっかりと瀬那先輩達から許可をもらっているから、そこは心配はいらない。

 どちらにせよ、そんな空気だったしな……。

 それは置いておくとして今の目的は気晴らしに飲み物を買いに行くことだ。

 俺は保健室から出る。

そして、近くにある自動販売機のもとへ向かった。

 食堂でも飲み物は販売しているが、さすがに今の時間帯は開いていない。

「さて、何にしようか……?」

 自動販売機の前に来た俺は、飲み物をどれにしようか悩む。

何となく気晴らしに来たものの、別に喉が渇いているわけではない。

 あくまで気晴らしに外に出たかっただけだ。

まあ、正確に言えば屋外には出ていないが。

 それはいい。

 とりあえず、どうしようか……?

 俺は左端から飲み物を見ていく。

「う~ん……」

 しばらく悩んだ末、俺は缶コーヒーにした。ブラックではない。

 この時期には似合わない温かさだ……。

缶コーヒーを自動販売機から取り出しながらそう思った。

 もうここに用はないよな……。

 俺は自動販売機から離れようと思ったが、

「せっかくだし、柊の分も買っていくか……」

 お節介だと思われるかもしれないが、たまにはいいだろう。

いつも一緒に訓練してきた仲間だしな。

 柊の好きな飲み物は知らないが、一応健康に良さそうな紅茶を買った。

 さて、戻ろう。

 俺は保健室に飲み物を持って向かった。

中に入り、柊が寝ているベッドまで移動する。

 ベッドの所まで行くと、

「何だ、起きたのか」

「ひゃっ!? 誰……?」

「おいおい、俺を忘れたのかよ……」

「えっ……。何だ、司か……」

 先ほどまで寝ていた柊が目を覚まし、外を眺めていた。

少し偶然過ぎる気もしたが、まあ気にしない。

 それにしても俺ってそんなに怖がられるのか……。

 柊に驚いた表情をされて少し落ち込んでしまう。

「あっ、ごめん!! 別に司のことを傷付けようとしたわけじゃないわ……本当だから!!」

 俺のそんな様子を柊は手を大きく振りながら訂正した。

まあ、大丈夫だ。そう、大丈夫……たぶんな。

「そうか。なら、いい。それよりも調子はどうだ?」

「おかげさまで平気よ。傷とかも一切無くなってるし全然大丈夫だわ」

「それは安心した。ほれ、これ」

 俺は先ほど買ってきた紅茶を柊に渡す。

「あっ、ありがとう……」

 柊は少し恥ずかしそうに紅茶を受け取り、紅茶を飲んだ。

どうやら喉が渇いていたらしくすぐに紅茶を飲み干してしまった。

 飲み干した後、柊が、

「そういえば、どうして司がここにいるの?」

「おい、誰が柊をここまで連れてきたと思っているんだ」

「ま、ま、まさか司が私をベッドに寝かしてくれたの……?」

 答えづらい質問をするな、柊。

まあ、事実だから嘘は吐かない。

「ああ、そうだ」

「そう、やっぱり……」

「やっぱりってどういうことだ?」

「いや……その……温かい感触が……あって……別に変なこと言ってないからね!!」

「ホントか……?」

 俺はモジモジしながら柊が言った言葉に少し恥ずかしくなってしまう。

すると、俺の方に何も入っていないペットボトルが飛んできた。

 いや、本当に理不尽だ。

「分かった、そのことはもう追及しないから物を投げるのは止めてくれ」

「ごめん……少しやり過ぎたわ」

「分かってくれたならいい」

 俺はそう言いながら、残った缶コーヒーを飲み干した。

 それにしてもどうして柊はこんなに顔が真っ赤なんだ。

色々な意味で噴火しそうで心配だ。

「ありがとう……」

「どうした、急に?」

 俺の方を見つつも恥ずかしそうにする柊は、なぜかいつもより可愛く思える。

「だって、司は私の為にずっとしばらくの間ここに居たんでしょ……?

 単純に嬉しかったから……」

「そっそっそうか……。俺もそういう風に言ってくれて嬉しい」

 俺もそんな正直に言われると照れてしまう。

しまった、ごまかす為の缶コーヒーがない……!!

「本当に感謝しているから。たぶん、迷惑だと思っていたかもしれないし……」

「迷惑……? それは愚問だな。

 俺は柊の事を迷惑だなんて一度思ったことないぞ」

 七瀬だってそんな事は思ってないはずだ。

「司……。でも、今回は司達に相談しなかったせいでこうなったのよ?

 やっぱり迷惑だったでしょ……」

「そんな事ない。別に柊に決断は悪くないと思ったからな。

 しっかりとして目的があるんだろう?」

「……うん。私には大事な目的があるわ」

「だったら、別に俺は構わないさ。

 柊がやってきたことは間違いじゃないから。これからも柊の意思で動いていい」

「司、本当に――」

「でも、」

 俺は途中で柊の言葉を遮った。

そして、自分の気持ちを柊に話す。

「困っている事があったら言えよな。俺達、仲間だからさ。

 その時は俺が助けてやるから」

「うん、本当にありがとう」

 柊はとてもすっきりとしたような笑顔を俺に見せた。

そう、これがいつもの柊だよな。

「それじゃあ、今日はもう休め。俺も空いている場所で寝るから」

「明日からまた訓練お願いね」

「ああ、もちろん」

 柊は俺の言葉を聞き、再び眠りについた。

 さて、俺も寝る事にしよう。

とはいえ、俺は寝る場所を探すのにだいぶ時間がかかり、寝たのは夜中の十二時だった。

 


 


 さて、これにて第十五話は終了です。いかがでしたか? 何だかくどい気もしましたが、そこはあまり突っ込まないでいただけると幸いです。次回は第十六話です。

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