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最強の問題児と最弱の神人少女  作者: 鈴夢 リン
第三章 奮闘編
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第十五話『決意と奮闘の中で……』4

 俺と七瀬は自分達の意思により、柊の傍にいることにした。

一応、瀬那生徒会長に事情を話し了承してくれた。

 まあ、傍にいると言っても俺達はただ見守っているだけにしか過ぎないが。

 それでも、俺達は傍に居たかった。

 理由は言うまでもない。

柊が仲間だからだ。大切な仲間だから、傍にいるのは当たり前だ。

 前の借りもあるしな。

 柊が俺を見守っていた時のように俺もそうしたい。

まあ、本当の事を言えば、柊は俺が起きた頃には寝ていたけどな。

 そこはあえて言及しないでおこう。

「……よし。これでいいわね」

 俺があれこれ考えていると、瀬那生徒会長は柊の治療を終えたようだ。

 瀬那生徒会長は背伸びをした後、

「もう、心配は無用よ。今はただ寝ているだけだから」

 俺達に笑顔を向けながら、そう言った。

 確かに先ほどに比べればだいぶ良くなったみたいだ。

俺は心の中でほっとする。

 隣で七瀬も安心したように肩を落としている。

「ありがとうございます、瀬那生徒会長」

「私からもありがとうございます」

「礼には及ばないわ。生徒会長として当たり前の事をしただけだから」

 少し恥ずかしそうに瀬那生徒会長は答えた。

とはいえ、瀬那生徒会長も少し嬉しそうだった。

 今の柊の状態を見れば喜んでもおかしくない。

それなのに、冷静な表情をしているあたりはさすが生徒会長さんだ。

「私はそろそろ他の人に当たらないといけないから、移動するわね」

「はい、お疲れさまです」

「気遣い、ありがとうね。じゃあね、司君と七瀬さん」

 瀬那生徒会長は俺と七瀬に挨拶をして他の者達の場所へ移動していった。

 このエリアにいるのは俺と七瀬と寝ている柊だけになる。

 窓を見ると、そろそろ日が落ちようとしていた。

少しの間、静寂な空気が流れる。

「あの、司君」

「ん? 何だ、七瀬?」

「すっすっすいませんでした!!」

「ど、どうした急に?」

 俺は急に七瀬が謝罪をしたので、驚いてしまった。

しかも七瀬は頭を下げるほどだ。

 俺には七瀬がどうして申し訳なそうにしている理由が分からなかった。

「あっ、柊さんのことです……」

 七瀬は俺の驚きを見て、慌てたように説明を加える。

「柊のことで何かあったのか?」

「はい、そうです。

 実は、訓練兵の異常には私も柊さんもすぐに気が付いていたんです」

「気が付いていた……?」

 俺は七瀬の最後の言葉に少し引っかかった。

まあ、そんな疑問もすぐに解消されるだろう。

 俺は七瀬の話に耳を傾ける。

「本当はすぐに司君のもとへ行こうとしていたんです。行こうと……していたんですが……。

 柊さんが『司は呼ばないで。私が何とかする』と言って一切助けを求めなかったんです……」

 七瀬は少し後悔しながら、そう話した。

でも、七瀬は間違っていないはずだ。七瀬はギリギリのところまで柊を信じていたのだ。

 仲間だから。

 それが理由に決まっている。

「そんな顔するな、七瀬。お前の判断は間違っていないさ」

「……!! ありがとうございます、司君。

 でも、やはり心が痛いです。今回は一大事にならなかったとはいえ、もし最悪の場合はどうなっていたか……。

 だから、本当にすいませんでした」

「気にするな、七瀬。むしろ、俺は安心した」

「……?」

 俺の言葉を聞いた七瀬は少し不思議そうな表情を浮かべた。

どうやら、安心という言葉に疑問を抱いているようすだ。

「柊は俺や七瀬に助けを求めなかったんだろう。ということはさ、自分自身で選んだ選択だろう?

 だったら、別に心配する必要なんかないじゃないか。柊はしっかりとした目標があるんだからな」

「柊さんに目標……ですか」

「ああ。もちろん、詳しい事は知らないし柊の気持ちを全て理解しているわけではない。

 だけど、今の柊のやってることが間違いだとは俺は微塵も思わない。むしろ誇っていい事だと思う。

 だから、俺は安心したって言ったんだよ」

「なるほど、そういう事ですか……」

 とりあえず、納得してくれたみたいだな。

「そういう事だ。とりあえず、俺達に出来る事は柊が起きたら温かく迎える事だ。

 それは七瀬も分かっているだろう」

「はい!! もちろんです!!」

「なら、良かった」

 その後、俺と七瀬に会話はなかった。

けれども改めて仲間の強さを感じられた。

 きっと柊とも強い絆があるはずだ。

 だから、俺は柊が目を覚ますまで傍に居る事にしよう。

 そんな事を誓いながら、ただ目を覚ますまでその時を待った。

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