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最強の問題児と最弱の神人少女  作者: 鈴夢 リン
第三章 奮闘編
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第十五話『決意と奮闘の中で……』3

 また、だいぶ期間が開いてしまいました……。本当にすいません。

 俺は柊を背負いながら七瀬と急いで保健室へと向かった。

扉の前に来ると、やけに生徒達で騒がしい様子になっていた。

「どうしたのでしょうか?」

 七瀬が俺に尋ねる。

「まあ、恐らく俺達と同じ用だと思うな」

 俺は七瀬の質問に返答しながら、保健室の扉を開けた。

 保健室に入ると大勢の生徒達がいた。生徒の中には泣いている生徒や深刻そうな表情をしている生徒もいる。

やはり柊と同じ状況になっているのだろうか。

 そうなると学園全体で問題があったと考えられる。

 この学園の保健室はすぐには数えきれないほどのベッドと診察室がある。

そんな保健室にこんなにも生徒がいるのだ。

 明らかに異常事態である。

 俺が辺りの見渡しながらそんな事を考えていると、奥の方から見覚えのある声がした。

「司、七瀬!!」

「あっ、瀬那先輩」

「奥に行きましょうか」

「そうだな」

 俺と七瀬は声の主である瀬那先輩がいる場所まで移動する。

移動している間に見た生徒達の中にはやはり傷だらけの生徒がいた。

 少し気にしつつも目的の所まで急いだ。

 すると、

「あら、司君と七瀬さんじゃないの」

「瀬那生徒会長もいたんですか」

 瀬那先輩だけでなく瀬那真央せなまおの姉であり、学園の生徒会長の瀬那麻里せなまりが生徒の治療をしていた。

 俺と七瀬は軽く会釈をした。

「瀬那先輩、この生徒も訓練兵にやられた生徒ですか?」

「生徒もという事はお前達もか……」

 俺の質問を聞いた瀬那先輩は難しい表情を浮かべる。

どうやら正解だったみたいだな。

「司の言う通り、この生徒いやこの保健室にいる生徒達は全員訓練兵にやられた者だ」

「そうですか……」

「司達は大丈夫だったか?」

 確認を終えた俺達に瀬那先輩は心配そうに尋ねた。

「私と司君は大丈夫です。ただ……」

 七瀬がその後を答えずらそうだったので、俺は柊の様子を瀬那先輩に見せた。

「そうか……。隣のベッドが空いている。そこに柊を寝かせてやってくれ」

 俺は瀬那先輩の指示通り、隣のベッドに柊を寝かせた。

少し苦しそうだ。

「瀬那先輩、今回の問題の原因は分かりますか?」

「ああ。その原因はよく分かっているさ。実はだな、今日は訓練兵をグレードアップさせる為のテストがあったんだ」

「テストですか……?」

「お前達は知らないと思うが、女神コスモス学園は人間や神人をより鍛えるために、日々訓練兵を改良しているんだ。

 なんとなく心当たりはあるだろう?」

 瀬那先輩の問いに俺と七瀬は頷く。

 確かに言われればそうだな……。

 四月に比べ訓練兵は明らかに速さ、動きともに向上していた。

ただ、サンドバックではない事は俺以外の者達も分かっているだろうはずだ。

「今回のテストでは何を改良するためにしたのですか?」

「訓練兵が動き、対処するための機能だ。まあ、例えるなら人工知能に近いな」

「やはりそうでしたか……」

 まさか、本当に予想が当たっていたとはな……。

自分の勘が恐ろしいな、まったく。

 まあ、そんな事はいい。

 瀬那先輩は呆気にとられた表情をしているので、俺は説明することにした。

「実はですね、俺も訓練兵五体と戦いました」

「ごっごっ五体とか!?」

 その話を聞いた瀬那先輩は飛び上がるように俺を見た。

少し驚きつつも質問に答えた。

「はい、そうです」

「相変わらずだな……話を続けてくれ」

「分かりました。訓練兵五体と戦っている途中、俺は違和感を覚えました。

 それは訓練兵の動きが規則的ではなく、不規則的だったのです」

 今までの訓練兵はしっかりとした規則性があったのだ。

それはモニターから指定することができ、左なら左重視の動き、反対に右なら右重視の動きとなっていた。

 だが、今回は相手の動きや状況に応じて動きや速さを変えていった。

 明らかに普通の訓練兵では無理な動きだ。

 しかし、それが出来た。

まあ、理由はすでに瀬那先輩が言っていた人工知能に近い機能のはずだ。

「正直言って、俺も最後の二体は苦戦しました。俺の死角を突く攻撃でしたから、本当に驚きました。

 以上の事から俺は瀬那先輩が言っていた機能が入っているな思いました」

「なるほどな。それにしても五体を相手するとは……私でもその数は無理だぞ」

「そうですか? 俺はまだまだいけますが……」

「まあ、伊達に最強を名乗っているわけではないか。とりあえず、原因は分かっている。

 分かっているからこそ心が痛い。直接的ではないとはいえ、私達にも責任はある。

 本当にすまなかった」

 瀬那先輩は風紀委員長というだけあって責任を強く感じているようだ。

そんな責任感がなければ俺にまで頭を下げないだろう。

「そんな深刻そうな顔をしないでください。瀬那先輩たちも別に悪い事はしていないじゃないですか」

「そう言ってくれるならありがたい」

「司君は優しいのね」

 生徒の治療を終えた瀬那生徒会長は俺達の話に入ってくる。

「俺はただ事実を言っただけですよ」

「意外と謙虚なのね。そういうのも私は嫌いじゃないわ」

「そうですか」

「まあ、それよりも今回の件についてだけど。システム関係の人に相談して今度からしっかりと告知するようにするわ。

 司君は気にしないでいいと言ってくれたけれど、それでも私達には責任があるから。

 とにかく今は治療に専念するわ。柊さんもしっかりと治療するから、心配しないで」

「感謝します、瀬那生徒会長」

 俺がお礼を言うと瀬那生徒会長は軽く微笑んで柊のベッドへと向かった。

「姉さんの言う通り、心配ないだろう。だから、司と七瀬は先に帰るといい」

「いや、俺は残ります」

「私もです」

 俺は瀬那先輩の提案をすぐに断った。すると、七瀬も同じく断った。

どうやら考えている事は変わらないようだ。

「そうか……。なら、見守ってやってくれ」

 瀬那先輩は驚きつつも受け入れてくれた。

 俺と七瀬は頷き、柊のベッドへと移動した。



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