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最強の問題児と最弱の神人少女  作者: 鈴夢 リン
第三章 奮闘編
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第十五話『決意と奮闘の中で……』2

 俺は七瀬の案内を受けながら、柊のいる第五訓練場に向かった。

「ここです……」

 七瀬が立ち止まり、第五訓練場の扉を指差した。

 ここか……。

 頼む、どうか無事でいてくれ……。

 そう懇願しながら、俺は扉に触れた。

俺の手に反応した扉はシュッと横にスライドする。

 俺と七瀬はただ静かに中へと入った。

「……!! 柊!!」

「大丈夫ですか、柊さん!!」

 中にいた柊は全身がボロボロで今にも倒れそうな状態だった。

柊は何とか細剣レイピアを使って立つことが出来ている。

 それに比べ柊の前方にいる戦闘兵は平然と動いている。

 やっぱり、訓練兵か……!!

 俺の予想は当たっていたみたいだ。

 それよりも早く助けないといけないな。

 それにどうやら俺達の声が届いていない。

まさか、まだ戦うつもりなのか……?

 明らかに無理だ。

 俺は心配になり、柊の傍に駆け寄ろうとした。

だが、

「邪魔しないで!!」

 そう力強く言い張り、柊は目の前にいる訓練兵を睨み付ける。

俺は立ち止まってしまう。

 どうして、逃げようとしないんだ。

 俺には理解出来ない。

 柊も何か様子がおかしい。

「柊さん、止めてください!! このままではあなたの身体は……」

「大丈夫よ……!! 私は絶対・・勝つから……!!」

 七瀬が心配そうに声を掛けたが、柊はそれを受け入れなかった。

そして、柊は細剣レイピアを構えた。

 まずい、止めないと……。

 だが、それ以外に俺はある言葉に違和感を覚えていた。

柊は絶対・・と言ったか……?

 柊から絶対という言葉は今まで一度も聞いた事がない。

俺が知らなかっただけかもしれないが、それでもやっぱり何か変だ。

 俺は柊の表情を見る。

 焦っている……?

 何かに心を奪われた感じと言ってもいい。

柊の中に決意があるのは分かる。

 だが、今の決意ではない単なる焦りだ。

 自分の弱さを自覚し、必死に強くなろうとしている。

 それ自体は間違っていない。けれど……。

 いや、そんな事を考えている暇はない。

 そうこうしていると、

「さあ、行くわよ。覚悟しなさい……!!」

 柊が訓練兵に攻撃を仕掛けた。

しかし、その攻撃は不発に終わる。

 途中で柊が床に倒れたからだ。

「柊さん!! 司君、早くしないと……」

「ああ、分かってる」

 俺は今度こそ柊に近寄ろうとする。

だが、また……。

「邪魔しないで、言ってるでしょ!!!!」

「……っ!! 柊……」

 柊はふらふらになりながらも、立ち上がる。

また、細剣を構えなおす。

 もう根気だけで戦っている状態だ。

 これは訓練だ。

 なのに、どうして柊は止めようとしない……?

『どうしても勝たないといけないの』

 ふと、今日の朝言っていた言葉を思い出す。

 詳しい事情は知らない。

だけど、柊には大きな目的があることに気が付いた。

 それが柊として達成しなければいけないのだろう。

 だから、今こうしてこんなにボロボロになってまで戦っているのか。

「柊さん!! もう止めてください!!」

「大丈夫……大丈夫だから」

 柊は一歩ずつ訓練兵に近付き、そして細剣で攻撃を加えようとした。

だが、それより先に訓練兵が動いた。

「柊さん!!!!」

「……!!」

 その瞬間、俺は柊の方へと走っていた。

 柊が何をしようとしていたのか分かった。邪魔をしてほしくない気持ちも。

 でも、俺は……。

柊を助けたい!!

「柊!!!!」

 俺は瞬時に能力消滅剣スキルキラーを出し、訓練兵が柊に襲い掛かる前に訓練兵を貫いた。

何とか間に合った。

 訓練兵の剣は柊の肌に触れる寸前だった。

 俺の剣に貫かれた訓練兵はすぐに消え去った。

「司……」

 気が抜けたのかそのまま柊は倒れてしまった。

「柊……無理するなよ」

 俺は柊を支えながらそう言った。

 それを見た七瀬は少し泣きそうになりながら近付いてきた。

 七瀬も柊の事を本当に心配していたようだ。

「柊さんは……大丈夫なんですか……?」

「ああ。今は気を失っているだけだ。とにかく保健室に連れて行こう」

「そうですね……。行きましょうか」

 七瀬は第五訓練場の扉を開ける。

 俺は柊を背負いながら訓練場の外に出た。

そして、保健室へと向かった。

 

 追記

 明日こそ投稿します……。

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