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最強の問題児と最弱の神人少女  作者: 鈴夢 リン
第三章 奮闘編
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第十四話『神人少女の切なる思い』2

 だいぶ投稿するのが遅くなりました……すいません。

 俺は準備を終えた後、柊とともにとある場所に来ていた。

「ここは…………河川敷?」

 柊は不思議そうに呟く。

まあ、それも無理ない。

 今の時代神人によって発展したことによって河川敷のような所が残っているのは本当に一握りだ。

その一つがここ神庭かみば町西エリアにある。

 俺にとってここは丁度良い特訓場所だ。

「ああ、そうだ」

「河川敷なんて初めて見たわ……」

 柊は橋と川を眺めながら感慨深そうに感想を漏らす。

「そうなのか? てっきり神庭町の事なら何でも知ってると思ったけどな」

「私がここに来たのは今から二年前だわ。だからまだ知らない所も沢山あるわ」

「そうか。俺は昔からここにいるから、今度案内してやるよ」

「ええ、お願い……って、えっ!?」

「どうした、急に」

 俺の言葉を聞いた瞬間、柊は顔を赤く染めて驚いた。

まったく、柊は時々よく分からないな。

 そんなに驚く事があったか、今。

「いや、全然!! だっだっ大丈夫よ、気にしないで」

「本当に大丈夫か? まあ、大丈夫ならいいが」

「それで、司。ここでいったい何の訓練をするの?」

「ああ、そうだな。とりあえず、ここに立っていても仕方がないし降りるか」

「ええ、そうね」

 俺と柊は近くの階段から下に降り、ベンチの上に荷物を置いた。

 大丈夫そうだな……。

見た感じ誰も使っていないみたいだ。

「さて、と……」

 俺は自分の鞄から二本の木刀を取り出す。

「ほい、これ」

 そして、俺は一本の木刀を柊に渡した。

柊は少し疑問を感じつつも素直に受け取る。

 さっさと、説明するか。

「分かっていると思うが、それは木刀だ。その木刀を使って俺と真剣勝負をする」

「司と真剣勝負するってつまり……」

「ああ。柊と俺は技無しの本来の身体能力での勝負するということだ。もちろん、俺も木刀は使うけどな」

 そう、俺と柊がする訓練は身体能力の確認、そして強化だ。

技や魔法に頼り過ぎない為だ。

 柊は技などに頼っている部分がある。だから時々柊には隙が出来てしまう。

自分がどのくらい力があるのか柊はまだ理解していない。

 それを気づかせる訓練でもある。

 まあ、そんな意図に柊がすぐに気が付くはずはないが……。

 柊は俺の訓練内容を理解していた様子で頷いていた。ただ、少し疑問はあるようで、何だか納得がいっていない様子だ。

「内容は分かったわ。けれど、技の訓練をするって前に言ってたわよね? どうして、技の向上の為の訓練をしないの?」

 ほら、柊は分かっていない。

まあ、想定済みだけどな。だから訓練する意味があるのも間違いない。

「あのな、柊。学園で技の訓練をしているのに他でもする必要があるか? それに柊はそれ以外に問題がある」

「問題? 私は特に何もないわよ」

「まあ、それもそうだな。今まで訓練だけじゃ気が付けるはずがない。どうしてか、分かるか?」

「どうしてって……今までの訓練と今しようとしている訓練に何か違いあるということ?」

「まあな。一つだけ根本的に違うものがある」

「根本的に違う?」

「分からないか……まあ、いい。それも気づかせる為にもこの訓練をしようとしているんだしな」

 俺はそう言い、木刀を構えた。

「柊、木刀を構えろ。柊のどこに問題があるか、教えてやるよ」

「分かったわ」

 柊は俺から少し離れた後、俺と同じように木刀を構えた。

姿勢はしっかりとしているな。

 となると問題はその後か。

 俺は柊を眺めながら問題点を探した。

 まあ、とにかくここからやってみないと分からないな。

「じゃあ、始めるか。ルールは簡単だ。どちらかの木刀が持ち主の手から離れるか、持ち主の体の一部に触れた方が勝ちだ。

 それで、いいよな?」

「ええ、大丈夫よ」

「よし、なら今度こそ始めるぞ。俺の手にあるコインが地面についた瞬間、勝負開始だ。いくぞ、柊!!」

 俺はコインを上に向かって投げた。

俺達はその行方を見つつも木刀をしっかりと構える。

 少しの間静寂に包まれた後、コインが地面につく。そして、

「はあああぁぁぁぁ!!!!」

 柊が物凄い速さで俺に攻撃を仕掛けた来た。

先ほどの動揺を見せないような力強い動きだ。

 ガンっ!!!!

 俺の木刀と柊の木刀に強い衝撃がかかる。

さすが神人だな、身体能力もやはりずば抜けている。

 だけどな、こんなもんで俺は負けるつもりはない!!

 俺は柊の攻撃を弾いた。

「……!! 嘘でしょ!?」

「重心を上手く使いこなせていないぞ。もう少し全身を意識しろ」

 思うに柊の身体能力はまだ完全に出しきっていない。

だから所々に無駄がある。

 今も俺に攻撃を仕掛ける時、わずかに足に力が流れていた。

 おかげで俺は柊の攻撃を理解し、弾く事が出来た。

 俺が今思っていることを柊が気づいてくれれば嬉しいけどな。

「さあ、もう一度だ!!」

 柊は俺の言葉に頷いた後、再び凄まじい攻撃を仕掛けてきた。

 ガンっ!!!!

 再び木刀に大きな衝撃が加わる。

先ほどよりは少し威力が増したか……。

 だが、

「今度重心を前にかけ過ぎだ!! ただ、突っ込んでるだけじゃ意味がないぞ!!」

 俺は柊にそう言いながら再び木刀を弾いた。

「そんな……また、弾かれた……!!」

 二度柊は俺に弾かれ落ち込んでしまい、その場を動けなくなっている。

俺に攻撃が当たると思っていたのだろうか。それとも技や魔法がなければ俺に勝てると思ったのだろうか。

 まあ、そもそも初めて戦った時俺は何も技や魔法なんて使っていないが。

「まったく、仕方がないな。柊、お前は技や魔法に頼り過ぎなんだよ」

「……!! まさか、根本的な違いってそういうことだったの?」

「ああ、そうだ。ようやく気が付いたか。この訓練は技や魔法ではないお前自身を強くするためのものだ。

 だから、柊は俺と真剣勝負だ。柊はお前の全力を俺にぶつけろ。その時何度でもどこがいけないか、教えてやる。

 そんなに落ち込むな、柊。俺はお前が強くなれるって信じてるから」

「……分かったわ。なら、何度でも私は司を攻撃するわ」

「ああ、その意気だ!! じゃあ、続きを始めるぞ!!」

「うん!!」

 そう、俺と柊の訓練はまだ始まったばかりだ。






 

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