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最強の問題児と最弱の神人少女  作者: 鈴夢 リン
第三章 奮闘編
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第十四話『神人少女の切なる思い』1

今回は割と短めです……。

 さて、どうしてあいつが……。

 俺は一応時間を確認する。時刻は五時過ぎだ。

人の家に尋ねる時間にしてはあまりにも早すぎる。

 というかそもそもどうして柊が俺の家を知ってるんだ……?

 恐らく誰かに聞いたのだろうと思うが。

 まあ、いい。

直接聞きだせばいいだけだ。

 今も非常にあたふたしているがそんなのは関係ない。

 俺は玄関に移動する。そして扉を開け、

「おい、柊」

「ひゃあ!!」

「驚きたいのはこっちだ、柊」

 俺は手をこまねき柊を玄関まで誘導させた。

柊は途中壁にぶつかっていたが、まあ気にしないでおこう。

 まったく、どうしたのだろうか。

「どうして俺の家が分かったんだ?」

「えっと……それは瀬那先輩に教えてもらったのよ。私が頭を下げたらすぐに教えてくれたわ。とりあえず……その……ごめん」

 やっぱり瀬那先輩か……。

幼馴染みとはいえ、勝手に個人情報を言いふらすのは止めてほしい。

 まあ、柊はどうしても俺の家に来なければいけない理由があったみたいだからここは我慢しよう。

「別に謝る必要ない。ただ気になっただけだ。それよりも俺の所に来た理由は何だ?」

「つっつっ司!!」

 俺が理由を尋ねると柊は俺の手を強く握ってきた。

何だ、こいつ。近い近いから。

 俺は少し恥ずかしい気分になってしまう。

「おっおう。急にどうした?」

「お願い、司!! 私を鍛えてください!!」

「鍛えてって……いつも学園で鍛えているだろう」

 急に改まるもんで少し俺は引いてしまう。

「学園だけじゃ足りないの。それ以外でも私は鍛練を積まなければいけない。だから、お願い!!」

 柊は必死な表情で俺に頼み込んできた。

様子からみるに相当本気のようだ。

 やる気があるのは良いことだがそれとはまた違うものだった。

「お前が本気なのはよく分かった。だが、どうしてそこまで必死そうなんだ」

「前に話した神人のトーナメント戦の事は覚えている?」

「まあ、覚えている」

「私はどうしてもそのトーナメント戦の一回戦は勝たなくてならないの」

「どうして?」

 俺が尋ね返すと柊は黙ってしまう。

どうやら聞かれたくない話のようだ。

 理由は詳しく教えられないけれど鍛えてほしいか……。

 まったく、身勝手だな。

 普通なら手伝いたくない話だ。そもそも俺は朝からの指導は誰にもしたことがない。

俺は恐らく柊じゃなかったら断っていただろう。

 なぜなら今の柊の目は強く決意した力強いものだったからだ。

 つまり、俺は今の柊なら鍛えてやってもいいと思った。

「ごめん、司。理由はまだ話せない。でもどうして勝たないといけないの。だからお願い。

 最弱な私を鍛えてください」

 柊は俺に対して何のためらいもなく頭を深々と下げた。

 ふっ。面白いじゃないか。

 俺は心の中で柊に対して期待が生まれた。

これで柊もまた強くなれる。

 なら、俺が拒む理由は何もない。

「分かったよ、柊。俺が相手してやる」

「本当に!? 良かった……」

 俺の返事を聞いた柊は喜びつつも安心した表情を浮かべた。

 そんなに一大事なお願いだったのか……。とりあえず、良かった。

「ただし、いいか? 学園で訓練よりも一味も二味もきついぞ。それでも柊はやれるか?」

「ええ、大丈夫よ。しっかりと覚悟出来ているわ」

「そうか。なら、いい。ちょっと待っててくれ。支度するから」

「うん!! ありがとう、司!!」

 そう言った後、柊はそっと微笑んだ。

 こういう時の柊は案外可愛いかもな。

そんな事を思いつつ俺は外に出るための支度を始めた。

 

 

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