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最強の問題児と最弱の神人少女  作者: 鈴夢 リン
第二章 加入編
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第十二話『笑顔をみるために』2

 学園の外に出ると三台の軍事用自動車が待っていた。

 その中の一台の自動車に乗っていた男性が俺達に気付き降りてくる。

「暁教官!!」

「待たせたね、司君」

 以前、俺の家に訪問してきた時とは違いしっかりとした軍服を着ている。

俺は暁教官に頭を下げる。

「司君、隣に居る者達は……?」

「すいません、紹介が遅れていました。こちらは俺の学園の友達と生徒会長と風紀委員達です」

「なるほど、司君の協力者か。君達もこの事件に巻き込んで済まない」

 暁教官は少し申し訳なそうにそう言った。

 すると、瀬那生徒会長が俺達より一歩前に出て、

「いえ、気にしないでください。私達はしっかりと目的があってここに来ていますから。それに私は妹の借りがありますので」

「……というと、もしかして君が?」

「はい、私は女神コスモス学園の生徒会長の瀬那麻里です。瀬那真央の姉です」

「そうか、真央君の件は聞いている。必ず成功させよう」

 暁教官は強い目で瀬那生徒会長を見ながら、握手を求めた。

「はい、必ず」

 瀬那生徒会長も決意したように握手をする。

 握手をし終えると、瀬那生徒会長は一歩下がった。暁教官は俺達を力強く見て、

「君達の意思はよく分かった。だが、ここからは命の危険もある辛い橋を渡る事になる。それでもなお、君達は私達についてくるか!!」

「「「「はい!!!!」」」

 みんなの声が重なる。

 全員が考えている事は一緒なのだ。そしてみんな自分の目的を成し遂げる為に戦うつもりだ。

俺もそのつもりでいる。絶対に神の作り手ゴッドメーカーの計画は止めてみせる……!!

 俺は心の中でそう決心する。

「よろしい。では、配属を伝える!! 司とその友達と生徒会長は私と同じ第一号車へ。他の者達は順に第二号車、第三号車に乗ってくれ!! 以上だ、心してかかれ!!」

「「「はい!!!!」」」

 暁教官の指示のもと、全員配属された号車へと移動する。

 俺達も第一号車へと足を運ぶ。

 第一号車は暁教官、俺、七瀬、柊、瀬那生徒会長の順に乗る。第二号車は生徒会と暁教官の部下、第三号車は風紀委員と残りの部下が乗っている。

 中はさすが軍事用だからか、武装を意識した造りになっている。

「さて、みな乗ったようだ。司君、場所は分かっているな?」

「はい。その為の協力者です。そうだよな、七瀬」

「私は神の作り手ゴッドメーカーの一員です。場所なら頭に入っています」

「なら、頼もしい限りだ。では、出発するぞ」

 俺達はシートベルトを着用する。そしてそれと同時に第一号車は走り出した。

後ろにいる第二号車、第三号車も出発した。

「なぁ、七瀬。ここからお前の言う施設にはどれくらいかかる?」

「そんなに遠くありません。車で十五分という所でしょうか? すぐに着きます」

「この学園の近くにあるのか……」

 まったく物騒だな、最近。

 どうでもよいような感想を持ちながら七瀬に再び尋ねる。

「七瀬、施設はいったいどこにあるんだ?」

「はい、あちらです」

 そう言って、七瀬は窓の外を差す。

「山沿いか……。暁教官、敵の施設は山沿いにあります」

「そうか、分かった。今からそちらに向かう」

「頼みます、暁教官」

 暁教官は山沿いへと運転の方向を変えた。

 ここらへんのエリアは俺も中々来ない場所だ。

まあ、敵地としては最適だと思うけどな。

「それにしても参ったものだ……。山沿いは確か閉鎖されたままだったはずなんだが」

「そのことに関してはすいません。私も最近施設の存在を知ったばかりなので……」

「構わないさ。案内だけしてくれればいい」

「はい、そうさせていただきます」

 七瀬との会話の間に閉鎖されたはずの山沿いのエリアに突入する。

「ここが閉鎖されていたと思えないわ」

 あまりの発展ぶりに柊からそんな言葉がこぼれる。

「確かにな。閉鎖されていたなんて嘘みたいだな」

「こんなに発展するまで気付かないとは……。私はまだ未熟者だな」

「いえ、暁教官は十分優秀だと思いますよ」

「そう言ってもらえると助かる」

 暁教官は少しばつが悪いように答える。

 後ろもしっかりとついて来ているようだな……。

俺は窓からそれを確認した。

「それにしても大変なことになってきたわね……」

「どうした、柊? まさか怖気づいたのか?」

「違うわよ、バカ。ただ気持ちを引き締めようとしただけよ」

「なら、いいけどな」

 多少は動揺しているがいつも通り話せているし柊も大丈夫そうだ。

「瀬那生徒会長」

「あら、司君。どうしたの?」

 珍しい。名前を呼んでくれたな……。

 心の中で驚きつつも話を続ける。

「今回は色々と助けていただきありがとうございます」

「も~うやめてよ。そういうのは死ぬ前の人が言う言葉よ」

「大丈夫ですよ。俺は最強ですから。それに俺も瀬那先輩の借りを返さなければいけないですし」

「……なるほどね。あの子、司君を気に入る理由が分かったわ」

 瀬那生徒会長は納得した面持ちで俺を見る。

「そうですか? 俺にはただ銃で撃たれる的としか思われていないように感じますが」

「あら、意外とこういうのには鈍いのかしら? でも、それはそれで面白いわね……」

「あの、瀬那生徒会長?」

「あっ、ごめんね。興味深い話だからね。とにかく真央の気持ちも少し考えてあげて」

「瀬那先輩の気持ちですか……」

 急にそう言われても困る話だ。

 でも瀬那先輩が俺の事を嫌っているわけではないので良かった。

だったら、なぜに銃を放ってくるのだろうか……? まさか、俺のことを気にしているわけはないよな……瀬那先輩。

 余計にわけが分からなくなってきた。

「まあ、今は考えるだけでいいわ。でも、いつかは……」

「あの、近づいてきましたよ!!」

 瀬那生徒会長の言葉は七瀬の声によって途中で遮られた。

 俺達は七瀬がそう声を掛けたので、窓から外を見た。

「ここが神の作り手ゴッドメーカーの……」

「第四支部七瀬グループの開発施設です」

 見た感じで想像していたよりも何倍も大きい。

学園よりは劣るものの、それでも十分なほどの大きさだ。

「そろそろ着くぞ。準備はいいか?」

 俺達は強く頷く。

「さて、私も気持ちを入れ替えている暇ではないわね。……!!」

「どうした、柊?」

 ふいに柊は険しい表情に変わる。

 いったい開発施設の入り口に何かあったのだろうか。

 俺は入り口を入念に見つめる。

…………これは!!

「暁教官!! どうやら気付かれていたようです……」

「何だって!!」

「入り口に防御プログラムが張られています」

「それはまずい事になったな……。どうする、司君?」

「一分で考えます」

 距離としてはまだある。考えるんだ、俺。

 入り口に防御プログラムがある。それに突っ込んだら間違いなくこちらがやられる。

 どうすればいい……? 防御プログラムを消すには……。

……待ってよ。消す……。

 そうか!!

 何で俺は忘れていたんだ。俺にはこれがあるじゃないか。

「時間がない!! 急いでくれ!!」

「はい、任させてください」

 俺は自動車の窓を開ける。

 ぎりぎり動かせるな……。さすが軍事用自動車だ。

 隣にいる柊が驚いた顔をしている。

「何をするつもりなの……?」

「おいおい、俺は何者か忘れたか? 俺は最強だぞ。特に能力を打ち消すことに関してはな!!」

 俺は入り口に向かって技を放った。

――能力粉砕スキルインパクトを。

 頼む、通ってくれ。

 技が入り口を通り過ぎる。その瞬間。

「よし!!」

 防御プログラムを打ち破ったのだった。

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