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最強の問題児と最弱の神人少女  作者: 鈴夢 リン
第二章 加入編
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第十一話『少女は、仲間か復讐を選択する……』1

 どうして私はこんな気持ちになっているのでしょうか……?

私――七瀬唄は自分の部屋の天井を見ながらそう疑問を感じていた。

 司君と別れた後、私は今の状況に恐れてその場から逃げてしまった。司君の眼を見た瞬間、自分は間違っていることをしていると思ってしまった。

だから、あの時銃を下したのだろう。今までの私には出来ない行動だった。

 神人の復讐をするために私は手段を択ばない人だったはずだ。それなのに司君や柊さんと出会ってから私は変わった。

今までしてきたことが馬鹿馬鹿しく思えてきた。全てが間違っていたかもしれないとそう認識始めていた。

 本当の私は神人を復讐したくないのでしょうか……?

いや、それは違う。私はいかなる時も神人の事を許していない。

 それなのに、私の中には神人を復讐したくないという気持ちが存在している。

 やはり今の私はどこかおかしいです……。

 私は視線をベッドの方へ移し、ベッドに寝転ぶ。

そして枕に顔を当てる。すると、

「……? 何でしょう急に……眠気が……襲って……」

 余程疲れていたのか私は眠くなってしまう。

きっと睡眠を取れば、この気持ちもすぐに無くなりますよね……。

 そんな風に考えながら私は目を閉じた。



 × × ×



「ううっ……。う~ん、あれここは……?」

 私は目が覚めると自分の部屋ではなく車の中に居た。

「起きたか、唄?」

「おっお父様!? いったいこれはどういうことですか……?」

 助手席からお父様の声が聞こえて、つい私は驚いてしまった。

どうやら私はお父様に連れられたようだ。

 ひとまずは安心した。けれど、どうしてお父様は私を……?

一番の疑問が浮かんでくる。

「実は唄に見せたい場所があってな。それで、お前の部屋に行ったところ唄が寝ていた。変な形で連れて来てしまい、すまんな」

「いえ、それなら構いません。その……私に見せたい場所とは?」

「まあ、外見れば分かるさ」

 外を見れば分かる……?

私はお父様の言われた通り車の窓から外を見る。

 辺りを見渡す限り大きな開発施設が広がっていた。

「分かったか、唄?」

「はい」

「今からそこに連れて行くからな」

 お父様はそう答え口を閉じた。

 ここの開発施設は私はもちろん初めてだ。

だけど、この施設が神の作り手ゴッドメーカーのものだという事はすぐに分かった。

 そもそも私はその一員なのですから、理解出来て当然でしょうね……。

私は一人でそんなことを心の中で呟いた。

 昔からこんな状況が多かったせいもあるかもしれない。

私にはお父様しかいなかったから。誰も私達を助けてくれなかったから。

 色々な苦難が重なって私達は何事にも精一杯だった。

でも、今は違う。

 今、私達の目的を果たそうとしている。そんな機会があること自体感謝するべきなのに、ついには神人の復讐出来るなんて……。

だからきっと私の行っていることは正しいはず。気持ちなんかで左右されない。そう、左右されない……。

『俺達は絶対にお前を傷付けたりしないから』

 ふと、彼の言葉を思い出す。

他にも彼の楽しそうな表情などが浮かんできた。

 どうして私は、彼の事ばかり思い浮かぶの……?

 彼、司君はただ私達の計画の為に利用するだけだったはずです……。

それなのにどうしてまたこんな気持ちになってるの、私は……。

 結局今日感じていたものは消えていなかった。

 私は少しでも気を紛らそうと、車の窓をもう一度見た。

もうあと少しのようだ。

 開発施設に近付いてくると外装がはっきりと見えた。

だいぶ綺麗な外装をしている。余程秘密な場所なのだろう、ここは。

 建物を眺める限りそう感じる。

「唄、もう着くぞ」

「はい、分かりました」

 お父様が降りる準備を促し、私も降りる準備をする。

 数分後。高級車に乗っていた私達は開発施設の前で降りた。

「これは……」

 私は近くで眺めてきた時の施設の大きさに度胆を抜かれる。

まさかここまで巨大な施設は本当に初めてだ。

 その様子を見ていたお父様は少し嬉しそうだ。

久しぶりにお父様の嬉しそうな表情を見た気がする。

「どうだ、凄いだろう?」

「はい、感激しました」

「じゃあ、中に入るぞ」

 そう言い、自動式のドアにお父様は振れる。

どうやら認証を行っているらしい。

 数秒後ドアが両側に開く。私も中に入っても大丈夫そうだ。

 私はお父様に続き、施設の中へと入る。

いったい何が待っているのでしょう……?

「……!! まさかこれは……」

 中に入って視界に入ったのはあり得ないものだった。

もしかしてこれはクローン……?

 沢山の従業員がクローンらしきものを開発していたのだ。

「分かるか。これは神人を復讐するための道具。神人いやそれ以上のクローンだ」

「お父様……」

 まさかこのためにあの謎の男の力を借りて……。

私はただクローンが出来る瞬間を眺めていた。

「唄、私はやったんだ。ついに最終段階に突入したのだ。これで神人を復讐出来る」

「……」

 その時の今までのお父様とは思えないほど怖く恐ろしい表情をしていた。

私はお父様の計画は想像以上のものだと改めて理解するのだった。




 

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