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最強の問題児と最弱の神人少女  作者: 鈴夢 リン
第二章 加入編
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第十話『思いが交差するとき』6

「柊!!」

 俺は店の中に突入すると、大声で柊に向かって叫ぶ。

「司……? 来てくれたのね……」

「私を忘れてもらっては困りますねっ!!」

 柊に近くにいた黒いフードの男が柊に襲い掛かる。

一瞬、油断していた柊が何とか細剣レイピアで攻撃を防ぐ。って俺は見ている場合じゃない。

 俺も柊に参戦しようと能力消滅剣スキルキラーを構える。

 だが、

「来ないで!!」

「どうしてだ、柊?」

「うるさいっ!! とにかく、伊吹や瀬那先輩を避難させなさい!!」

「柊……」

 どうやら柊は自分で事を片付けたいらしい。

くそっ……!! 柊の奴、勝手なことを言うなよ……。

 でも、今はそんな事より伊吹達だ。

俺は辺りを見回す。

「……。伊吹!!」

 店の端に青ざめた伊吹が座り込んでいた。

とりあえず、見た様子だと怪我はなさそうだ。

 俺は伊吹の元へ駆け寄る。

「……司……司なの……?」

「伊吹、ここでいったい何があったんだ!!」

 俺が伊吹に急いで尋ねると、弱々しい声が返って来た。

「き……急にここが爆発して……それで瀬那先輩が……」

「まさか瀬那先輩が……」

 伊吹が酷く辛そうな顔を浮かべながら後ろに視線を移す。俺も同時にそこを眺める。

伊吹の後ろにいたのは気を失っている瀬那先輩だ。よく見ると右足に何かが刺さった後がある。

 血は止まっているが重傷なのには変わりがない。

「瀬那先輩は僕達を守ろうとして……こほっ」

「もう充分だ、伊吹。後はここで待っていてくれ」

 伊吹の真っ青な表情を見て、俺は話を切った。

 ふざけやがって……。

 どうしてこいつらまで巻き込まれるんだよ……。

俺の中で怒りがこみ上げてくる。

 必ず柊達を守って見せる。俺はそう決心した。

「いいか、伊吹? ここから一歩も動くなよ、頼むぞ」

「……うん……分かった」

 伊吹は俺の言葉に必死で頷いた。

「じゃあ、待ってろよ」

 俺は一言そう言い放ち、その場を去る。

そして、柊と黒いフードの男の元へと迫る。

「中々やりますね……。この速さはもしや……あなたは神人ですか?」

 戦いの中でその男は柊に尋ねる。

柊はそれに攻撃を払いながら、答える。

「ええ、そうよ!! だから黙って倒されなさい!!」

 柊は反撃を仕掛けるように男に細剣レイピアを向けた。

すると、それをあざ笑うように男は話を続ける。

「くっくっ……。どうやら私がここに来て正解だったようです。ちょうどよい力を手に入れられそうです……」

「……力ですって?」

「はい、力です。私の固有スキルは威力吸収パワースイーパーというものです……つまり……言いたい事は分かりますね?」

「あなたも神人でしかも固有スキル持ちの……」

「おやおや……まさかあなたはスキル無しでしたか。でも私には分かりますよ。あなたには強大な力が眠っている。それを私がもらってあげましょう」

「もらうっていったい何をする気なの……?」

「言ったではありませんか。私は力を吸収できるのです」

「……!!」

 柊の驚きに男はにやりと笑う。

まずい……。こんな所で聞いている場合じゃないな。

 俺は再び剣を構え直す。

その時、先ほどの柊の言葉を思い出す。

 確かに俺は柊のことを幾度か助けている。でもだからって……責任感を感じる必要ないはずだ。

俺はただ大切な仲間として助けたいだけだ。

 俺は間違っていない。助ける事は絶対に間違いじゃない。

俺はそれを信じる。

「ご理解頂けましたか? それでは、あなたの力をもらうとしましょう」

「えっ? 動かない、体が!!」

「もちろん、動けないようにしていますよ。さて、茶番は終わりです。私の力となってもらいますよ!!!!」

「させるかっ!!」

 俺は何とか相手のスキルを消滅させた。

あっ危なかった……。

「司、来ないでって――」

「そんなの守れるか。死んだら意味ないだろう。お前は俺の大切な仲間なんだから」

「司……」

 俺の言葉を聞き、柊は申し訳なそうな表情をしている。

「あらあら、邪魔者が来てしまいましたか……」

「悪い、俺は最強なんでな」

「ふっ、面白い……。なら、私に見せて下さい」

「ああ、見せてやるよ」

 俺は男が襲い掛かる瞬間の間にこの武器だけの技を放った。

「なぁ!? いったい何が……」

 男はその場に崩れ落ちた。

「言っただろ、俺は最強だってな」

「くっ……体に力が入らない」

 俺は男に剣を向ける。

「もう二度と柊達を巻き込むなよ!! いいなっ!!」

「ふっ。ふはっふはっ!!!! そうですね、分かりました。巻き込みません、今は……」

「……!! お前、ふざけ――」

「また、どこかでお会いしましょう」

 俺が言葉を放つ前に突如黒い煙が発生する。

俺と柊は必死で煙を払う。

「くそっ!! 逃げられたか……」

 目の前にいた男はいなくなっていた。

こんな古典的なのに引っ掛かるなんて。俺は今の状況を生み出したことを悔いる。

「司、ごめん。私……みんなを」

「お前のせいじゃない、気にするな」

 俺は柊を慰める。

そう、柊のせいじゃない。全ての俺の責任だ。

 俺がもっと早く気付いていればこんなことには……。

 俺は自分の不甲斐なさに近くの柱を拳で強く叩いていた。

 だいぶ投稿スピードが落ちてきていますね……。なるべくこれ以上遅くならないように頑張ります。

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