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最強の問題児と最弱の神人少女  作者: 鈴夢 リン
第二章 加入編
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第九話『信頼と迷い』4

「ふぅ……お腹いっぱい」

「伊織、さすがに食べ過ぎよ……」

 満足そうに伊織は自分の椅子に座り込む。

どれだけ食事を抜いてたのよ……。

 私はもう呆れるしかない。食堂から帰って来た途端これだもんね。

まあ、伊織だから仕方が無い。多少の苦労は我慢しよう。

「まあ、一日料理を口にしてなかったからね……」

「一日!? 少し自分の事を心配しなさい」

「次から気を付けるよ……」

 そう答えると、伊織は近くに置いてあった水を飲む。

私も気分を落ち着かせる為に、水を飲んだ。

 うん。透き通っていて綺麗な水はやっぱり違うわね。ってそんな事より……。

「ねぇ、伊織? 今度こそ頼みたい事が……」

「ああ、さっき言ってたやつね。いいよ、聞く」

 たらふく食べたからか、先ほどより口調が元気そうね。

伊織は私に優しい笑みを向ける。

 これなら、頼めそうね……。

「あの、これなんだけど……」

 私は手の中にあった欠片を伊織を見せた。

伊織が興味深そうに欠片を眺めている。そして、真剣な眼差しで私を見た。

「これ、どこで見つけたの?」

「えっ? 女神コスモス学園だけど……」

「成実が通っている学園でね……。どうしてこんなものが……」

 伊織は先ほどよりも強く欠片を凝視している。

そんなに大事な物なの、これは?

 もし、そうだとしたらどうしてそれを七瀬が持ってるのよ……。

私には想像がつかなかった。

 しばらく伊織が私の欠片を見た後、パソコンに視線を移した。

何やら、調べているみたいだ。

「もしかして、これを知ってるの?」

「分からない……けど、心当たりはある」

 私の質問に伊織は答えながら、検索を続ける。

それから数秒後。

「あったわ……」

「見つかったの!?」

「ええ、これを見て」

 伊織は私にパソコンの画面を見せた。

何やら七瀬が持っていた円盤の説明が書かれていた。

「浮遊型訓練機……浮遊円盤フロートディスク。制作会社は神の作り手ゴッドメーカー……」

 私は気になり口に出して読んでいた。

神の作り手ゴッドメーカー……名前くらいは知ってるよね?」

「ええ。確か最先端医療や最先端の施設など生み出している会社よね……」

「表向きは、だけどね」

「えっ!? 表向きなの……?」

 伊織は強く頷いた。

まさか、この会社と七瀬が関係しているっていうの……?

 私の驚いた様子を見た伊織は再びパソコンに視線を落とした。

「あんまり、ここには侵入したくないけど……仕方が無いわ。成実に真実を教えてあげる」

 そう言うと、伊織はキーボードを素早く打ち始めた。

 私は気になり、伊織のパソコンを覗いた。

「……!! あなた、何をしてるのよ!?」

「言ったでしょ、侵入って。……前より侵入が難しくなっているわね……」

 伊織は少し難しいそうな顔をする。

天才プログラマーである伊織でさえ、侵入が難しいなんて……。いったい、何を隠しているの……?

 私は伊織が神の作り手ゴッドメーカーのサイトに侵入する瞬間まで固唾をのんで見守った。

「……よし、これで最後ね!!」

 伊織は大きくエンターキーに向かって指で押した。

すると、プロテクターがあったサイトが開く。

 私はパソコンの画面に表示されたものに目を見開いた。

「……何なのよ、これ」

 最先端医療や最先端の施設の開発なんて嘘じゃない……。

そこに書いてあったのは、神人を超える力の開発……そして神人を虐殺するための兵器開発だった。

 私は落ち着いていられなかった。

「今すぐ、中止させないと!!」

「待って!! 落ち着いて、成実一人じゃ無理よ……」

 伊織に止められ、私は少し冷静になる。

「そうね、一人では無理ね……」

 これが真実なんて私は認めたくなかった。そんな感情が私を死に走らせようとしたのだろう。

伊織がいて良かったと今強く思った。

「これで、分かった? 神の作り手ゴッドメーカーは一種のテロリスト集団なの。既に私達の学園がサイバー攻撃で襲われているわ……」

「……!! そんな事があったなんて……。でも、どうして公表されないのよ」

「それは権力よ」

「権力……!!」

 伊織は悲しそうにそう語った。

権力や武力を神人を超える為に利用しているのね……。

 くっ。どうして私は何も出来ないの……?

私は今の自分の不甲斐なさに嘆いた。

「私たちの学園は攻撃されただけで済んだけど……成実の学園はもしかしたら……いえ、今は変な事を考えるのは止めるわ。とにかく、成実が持っているその欠片は一種の爆弾よ」

「これはそんなに危険な物なの……?」

「ええ。ちょっと待って……」

 私の質問を答えた後、伊織はとある支部のページをクリックした。

「あったわ。これは……成実?」

 私は言葉を失った。

……嘘よ……どうして……七瀬がそこに映ってるのよ……。

 神の作り手ゴッドメーカー第四支部……七瀬グループ。そう書かれていた。

そして、七瀬の顔がそこに映っていた。



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