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最強の問題児と最弱の神人少女  作者: 鈴夢 リン
第一章 結成編
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第五話『決戦』3

「ふむふむ……なるほどね……」

 ようやく話から解放されたのは初めてから三十分後だった。

皐月は満足げに頷いている。

「いくらなんでも根掘り葉掘り聞き過ぎだぞ……。もう、勘弁してくれ……」

「ホント、それは同感ね……」

「もう、何も聞かないでよ……」

 俺たちは皐月にちょっと話から恥ずかしい話まで全部話し、疲れていた。

さすがに、好きな人とかは無いだろう。途中からそればかりだった。

 答えなければ、解放してくれない雰囲気だった。

分かったのは、皐月はそういう面白い話が本当に好きだという事だ。

 試合もあるのに、何か精神的に疲れてしまった。

くそっ、もう少し高い料理頼むべきだった。

 今更、悔やんでもしょうがないか。

「ごめんごめん、ついね。私の悪い癖ね」

「全然謝る気ないだろう、お前」

「えへへ、そうだね」

 そう言って、皐月は笑う。

まったく、こいつはこんな事を知って何がしたいんだよ。

『まもなく団体戦一回戦最終日第三試合を始めます。出場生徒は急いで闘技場前に集まり下さい』

 俺がそんな事を思っていると、ようやく解放とでも言うべきアナウンスが流れた。

俺たちの試合は最終日第三試合、つまり今アナウンスされた試合だ。

 俺達の試合方法は二本取り式だ。

 代表式とは異なり、その名通り二回試合をする。

一試合目はペア同士の対決だ。勝った方に一ポイントが入る。二試合目はシングル同士の対決になる。勝った方には二ポイントが入る。

 まあ、つまり二試合目に勝てば勝利は確定すると言うわけだ。それだと、一試合目が意味なく感じられるが試合をしている人はあまり気にしないらしい。

俺は結構気にするけどな。とりあえず、柊には頑張ってもらないといけないな。

「さて、じゃあ俺達試合だから行くな」

「うん、試合頑張ってね」

「ああ、ありがとう」

 俺は皐月に一応お礼を言いながら、柊と伊吹と一緒に闘技場へと向かった。



 × × ×



 闘技場の前に着くと、俺たちの対戦相手らしい人達が待っていた。

その人達の中には瀬那先輩の姿や荒井先輩の姿があった。

「司、助けて……」

「先輩達、相変わらずですね……」

 瀬那先輩はまた荒井先輩に捕まっていた。

今にも逃げ出したそうだ。

「私とこいつを一括りにするな!! 頼むから、助けてくれ……」

「うん、そういう真央ちゃんも可愛いよ!!」

「止めろ、気持ち悪いぞ!! 司、助けてよ……」

 ごくっ。

またキュンって来てしまった。

 これは助けなければ……。

今の気持ちはもちろん心の中にしまっておく。

「荒井先輩、せめて俺達を倒してからにしてください。そもそも、負ける気はありませんが……」

「ふっ。言ってくれるね、司君。では、紹介しようこれが僕たちのチームだ!!」

 荒井先輩がそう言うと、後ろからぞろぞろと近づいてくる。

少し荒井先輩に対して呆れた表情を浮かべながら、自己紹介をする。

「初めまして、僕は昴恵すばるけいです。よろしくお願いします」

「おう、よろしく。俺は涼風司だ」

 俺に握手を求めてきたのは、俺と同じくらいの身長で顔立ちもよく整った男子だ。

見た感じでいかにも優しそうな雰囲気が漂っている。

 どうやら、俺と伊吹の対戦相手のようだ。

「君が伊吹さんね。うん、思ってたより可愛いね~」

「はっはっはい!! あまり、可愛いって言わないで欲しいな……」

 次に挨拶に来たのは毛先が丸まっているロングヘアが特徴的でとても清楚な女子だ。顔立ちも中々悪くない。

そんな女子に話しかけられて、伊吹は恥ずかしそうにしている。

「ごめんごめん、私は青葉梓あおばあずさよ。よろしくね」

「うん、よろしく。僕は伊吹雫だよ」

「うんうん、見た目にあった可愛らしい名前だね~」

「もう、あまりからかわないで……」

 青葉は伊吹のほっぺを突いたりしている。

伊吹は顔を真っ赤にしている。伊吹も見た目は女子でも中身は男子なんだな。

 それがよく分かった。

「えっと、私は柊成実よ。よろしくね」

「…………よろしく。……私は、紫月葵しづきあおい

 青葉と対照的で少し陰気そうな少女がどうやら柊の対戦相手らしい。髪がぼさぼさであまりそういうのは気にしないタイプのようだ。

まさに正反対だな。

 紫月の反応に柊は少し戸惑っている。

「うん、よろしくね」

「……よろしく……」

「あっ、もうちょっと話を……」

 紫月は一言そう言い、柊の元から離れて行く。

柊はもう少し話したかったようだが、去ってしまい微妙な気持ちになっている。

 これで、一通り自己紹介はしたのか。

「さあ、どうだね? 僕のチームは?」

「どうでしょうね……」

 そんなドヤ顔で聞かれても困る。

俺は適当に流す。

「すいません。あの人、いつもあんな感じなんで」

 俺の対戦相手である昴が謝る。

やはり、優しい人だった。

「そうみたいだな、特に瀬那先輩がいるときは」

「真央ちゃん、もうじき僕たちは恋人になるんだよ~。どこに行こうか?」

「どこに行かない!! 絶対に貴様だけは恋人にしない!!」

 相変わらず、荒井先輩は瀬那先輩の事が好きみたいだ。

「もう、ツンデレだな~。まあ、そこも好きだけどね」

「貴様は何でもありか!? もう、勘弁してくれ!!」

 荒井先輩が瀬那先輩に猛アピールしていると、審判員が闘技場の扉から出てきた。

どうやら、いよいよか。

「では、団体戦出場者は中にお入りください」

 そう審判員が言い、闘技場の扉を開ける。

中には大勢の生徒達がいるだろう。なんせ、これが一回戦最後の試合だからな。

「さあ、勝ってきなさい!!」

「絶対お前たち勝てよ!!」

「「「「「「はい!!!!」」」」」」

 六人の声が重なり、そして俺たちは闘技場の中へと入って行った。


 次回こそ決戦です……。何度もすいません。

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