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最強の問題児と最弱の神人少女  作者: 鈴夢 リン
第一章 結成編
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第四話『問題児と神人少女は勝利を目指す……』5

 第四話は5パートでは終わらないみたいです……。

 伊吹の試合終了後、俺と柊は第四訓練場にいる。

 第四訓練場は第六訓練場のように広さを重視しているわけではなく、主に実践を重視している部屋だ。

ここも第六訓練場に比べれば、そんなにではないがそこそこ人気な所だ。

 だが、今日も団体戦のおかげで使用する事が出来る。

よし、これで俺の訓練が出来る……。

「それにしても、本当に勝つなんてね……」

 柊は突然思い出したかのように呟く。

伊吹の戦い方が余程記憶に残っているのだろう。

 ちなみに、伊吹はさすがに試合の後に訓練は厳しいので、休んでもらう事にした。

伊吹自身、それでも訓練したいと言っていたが、俺は駄目だとはっきりと言っておいた。

 恐らく、今日は鶴川達と一緒にいるだろう。

「言っただろう、俺の言葉は嘘じゃないって」

 俺は伊吹の試合を思い出しながら、そう答えた。

「何か気にくわないのは、私の気のせいかしら……? まあ、いいわ」

 一瞬俺に対しての視線が冷たくなった気がしたが、すぐに元に戻った。

俺は何か、気にくわない事を言ったのか。

 少し考えてみるが、心当たりがないのですぐに思考するのを止める。

そんな事より、今日は俺にとって重要な事がある。

「それより、今日の訓練は?」

 柊が俺に尋ねる。

俺の返答に驚くかもしれないが、しょうがないだろう。

 それが、目的でもあるしな。

「その訓練についてだが、今日は俺の訓練だ」

「えっ? それってどういう……」

 柊は少し表情が強張る。

「柊、俺に魔法を教えてくれ……」

「……!! あなた、本気なの!?」

 俺は頷く。

 それを聞いた柊は、俺を睨む。

――魔法。

 それは、人間と神人の中でタブーになってきたものだ。

今までに神人が人間に魔法を教えるなんて一例はない。

 神人だけが学習している魔法。

それを急に教えろと言われてもしょうがないのだ。

 だが、俺は魔法が必要だ。

俺はダメ元で柊を説得してみる。

「俺は柊に対して数日間だが、色々な事を教えた。その見返りが必要だと思わないか?」

「それが、魔法を教えることとは話は別でしょ?」

 駄目だな、これでは柊を逆上させるだけだ。

何とかならないものか……。

「確かに、魔法は神人しか学習していないし、知らない。だが、それはおかしいとは思わないか? 人間が魔法を使えないなんてって誰が決めたと言うんだ」

「それはそうだけど……。でも、魔法を学習したとしてあなたは何に使うの?」

 柊は俺に魔法を学習するのは拒んでいるみたいだ。

人間には一切の知識はない。だから、命の危険にさらされる事もあるかもしれない。

 柊の中でそんな思いがあるから俺にそう尋ねるのだろう。

何に使うか……そんなの俺の中には一つしかない。

「守る為だ」

「……!!」

 俺の返答に柊は動揺している。

どうやら他の答えだと思っていたらしい。

「安心しろ、別に悪いようにはしない。それに、今回の団体戦ではたとえ魔法を学習出来ても使わない。それは約束する。魔法はどうしても俺にとって必要なんだ!! 事情は話せないが、何とか頼む!!」

 俺は自分なりの言葉でお願いをする。

柊は少し考える動作を見せ、笑顔で答えた。

「……そう……。ならいいわ」

 どうやら分かってもらえたみたいだ。

良かった……。

 正直、無理かと思ってた。

「本当か!! 本当に構わないんだな?」

「ええ、でも……」

「ん、どうした?」

 少し恥ずかしそうに柊はこう聞いてくる。

「私、教えるのは初めてだから……上手く教えられないけど……大丈夫?」

 何だよ、そんな事か。

俺も柊達に教えるのが、初めてだし変わらない。

「そんなの気にしないから、大丈夫だ」

 俺はそう言った。

「なら、魔力分析――マジックアライズ!!」

 柊はそう言いながら、俺の体に右手をかざす。

言葉から読み取ると、魔力があるかどうかチェックしているようだ。

 まあ、あるはずはないが。

「う~ん、やっぱり魔力はないみたいね……」

 やはり、魔力はないらしい。

それ以前に俺には質問があるが。

「なぁ、魔法に魔力が必要なのか?」

「まあ、そうね。魔法には、魔力が必要不可欠だわ。それに、魔力は消費するわ。今のだって、少し私の中の魔力を消費してるのよ。魔法によって、消費魔力は異なるわ。魔力はある程度休めば回復するわ」

 なるほどな、魔法には魔力が必要。

そして魔力は消費もするから休憩しなければいけない。

「魔力はどうしたら得られるんだ?」

「魔力を得る為には、やはり剣技などのように訓練が必要よ。神人は元々魔力があったわけではなく、どの神人も魔力を得る訓練をして魔法を使えるようになっているわ。もちろん、私もね。まあ、私はそんなに魔力はないからさっきのような魔法系統しか使えないわ」

 そうか、それが柊が最弱と呼ばれている理由か。

柊自身、そこに対しては悔しいだろうな。

 俺はそう思った。

「その、魔力を得る為にはどんな訓練をすればいいんだ?」

「一つだけ、魔力を消費しない魔法がある」

「そんな魔法があるのか?」

「ええ、直接見てもらった方がいいわね。魔力変換――マジックコンバート!!」

 そう言い、一瞬柊は目をつぶる。

見た様子、変わった事はない。

「今ので、いいのか?」

「ええ、これで魔力を得られたわ」

 何だ、意外と簡単かもしれないな。

俺はその時、思っていたが柊の次の言葉でそんな思いは消える。

「ただし、得られる魔力は1万分の1……。つまり、1万回これをやってようやく1魔力を獲得よ」

「一万分の一!! それ、本当にか?」

「ええ」

 柊は真剣な表情で答える。

まさか、それだけとは……。

「ちなみに、私が魔力分析をした時の消費は3よ」

 つまり、今の魔力変換を三万回って事か……。

とても気が遠くなりそうだ。

 神人も色々と苦労してるんだな……。

「これしか、魔力を得る事は不可能だわ」

「そうなのか……」

「どう? 魔法の大変さは分かったかしら?」

「ああ、痛い程分かったよ。まあ、でも試しだ。俺もやってみる。えっと……魔力変換――マジックコンバート!!」

 そう言い、俺は目をつぶる。

すると、

『ビリビリっ!!!! バンッ!!』

 一瞬、大きな力が備わったように感じた。

「きゃあ!!」

「ん? どうした!?」

 柊の小さい悲鳴を聞き、急いで目を開ける。

「ええ、少し驚いただけよ。でも、あなたに一瞬大きな魔力が入ったように感じたわ」

「大きな魔力が?」

 確かに、そんな気がした。

だが、本当に備わったのか?

「ちょっといい? 魔力分析――マジックアライズ!!」

 柊はまた俺に右手で触れる。

「……!! 嘘っ!! こんなの、ありえない……!!」

「ありえないって……?」

「魔力が1万魔力もある……私の百倍以上の魔力……」

「なっ、1万!!」

 まさか、俺は1万分の1じゃなくて一万の魔力を一回だけで得たのか……。

どうなってるんだ、これ。

 柊も相当困っている。俺自身、本当に困惑している。

「なあ、1万魔力ってそんなにやばいのか?」

「やばいっていう次元じゃないわ。どんな優秀な神人でさえ1万魔力もないわ……。それをどうして人間であるあなたが!?」

「常識は当てにならないと言うわけだな」

「常識とかの問題じゃないわ!!」

「分かった分かった。でも、これで俺も魔法を使えるようになったんだろう?」

 俺はそう問いかける。

「確かにそうだけど……。もう、訳が分からないわ……」

 柊は考える事を止める。

まあ、それもそうか。

 あまり考えすぎるのも良くない。認める事も大事だ。

俺もそうしてるしな。

「とにかく、私なりに魔法の事をしっかり教えるわ……」

「ああ、よろしく」

 俺の魔法訓練は下校時間ギリギリまで続いた。


 

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