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最強の問題児と最弱の神人少女  作者: 鈴夢 リン
第一章 結成編
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第三話『問題児の策略』2

 気付けば、1000PVを超えていました……。ありがとうございます!!

「ああ~だるいな、今日」

 HRホームルーム終了後。

俺は柊との訓練で疲れてしまい、机に突っ伏していた。

 まさか、あそこまで生真面目だったとは正直意外だった。

まあ、育てがいがあるから別にいいけどな。

 とはいえ、やはり柊は常識にとらわれ過ぎている。

少しくらい肩の力を抜いてもいいと思うくらいだ。ここの所はすぐに改善出来そうにないな……。

 はぁ~……骨が折れるな、これは。

「どうしたの、司? 今日はやけに疲れているね」

 俺の前の席に座っている伊吹が声を掛けてくる。

伊吹は俺の事をいつも心配してくれて、本当に良い友達だ。

 今もとても心配そうな顔をしている。

恐らく、伊吹が女子だったら一瞬で恋に落ちているだろう。

 今日の伊吹も天使だった。そして俺の心は今日も和んでいる。

「まあ、ちょっとな。気にする必要はない」

「そう? なら、いいけどたまには僕にも頼ってよね」

 少し顔を膨らませながら、伊吹は俺に言う。

頼るか……。

 その考えも悪くないな。一つの方法としておこう。

「そうか。ありがとうな、伊吹」

「うん、どういたしまして」

 こんな風に会話出来るのは伊吹ぐらいか。

俺は伊吹の笑顔を見て、そう思った。

「おっ。今日も二人は仲良しだね~」

「面倒くさい奴が来たな……」

「ちょっと、聞こえてるわよ」

 俺と伊吹の会話に水を差してきたのは、赤い色のポニーテールが特徴の女子皐月美花さつきみかだ。

皐月は実力だけ見れば、俺や伊吹に劣らないくらいある。

 ただ、後先を考えないで行動するのが皐月の欠点だ。

まあ、つまり柊とは正反対のタイプだな。

「な~にそんなに私の事を見つめて? もしかして、惚れちゃった?」

「そんなわけあるか。皐月に惚れるぐらいなら、まだ伊吹に惚れる方がマシだ」

 今、結構問題発言したな。

俺は心の中で後悔する。

 伊吹も皐月も俺の発言で固まっている。

そして、皐月が先に動き出す。

「だってさ、良かったね雫ちゃん」

「全然良くないよ!! それに僕は男子だよ!!」

「でも、可愛いよ~」

「もうっ!! からかわないでよ!! 僕はそう言う趣味はないからね」

「いや、俺もないぞ」

 俺も一応訂正をしておく。 

さすがに可愛いからって伊吹にそういう気持ちはない。

 まあ、今顔を膨らませて拗ねている伊吹は可愛いが。

 それにしても皐月は人によくちょっかい出してくるな。

話題を変えないと堂々巡りだな。

「皐月、お前は俺たちに何か用があって来たんだろう? それとも本当にちょっかいしに来ただけか?」

「うんうん。しっかりとした要件があるに決まってるじゃない」

「なら、さっさと話してくれ」

「相変わらず、冷たいな~司は。まあ、いいや。今日のHRホームルームで聞いたでしょ?」

 HRホームルームで何か聞いたか? 確かやけに今日は長かった記憶がある。

俺は疲れていてあまり聞いていなかったので、ほとんど覚えていない。

「確か、団体戦の事だよね」

 伊吹がそう言う。

ああ、団体戦の事か。

「そうそう、団体戦の組み合わせが発表されたでしょ。その件でね……」

 そっかもう団体戦の時期か。

 四月終盤から七月中盤にかけて団体戦のトーナメントがあり、今日がその組み合わせの発表日だったらしい。

ちなみに、団体戦は一年二回あり、二回目は九月中盤から二月終盤にある。

 二回目の方が色々と盛り上がっており、一回目はその前座みたいなものだ。

その為、色々とルールも異なる。

 俺もチームを組んだが、人数も足りないし二回目からの参加だろう。

俺にとっては別に関係ないので、適当に頷いておく。

「それでね、今回面白いチームがいてさ」

「何、面白いチームって?」

 伊吹が皐月にそう尋ねる。

これも適当に聞いて流すか。

 そう思っていた。

皐月の言葉を聞くまでは……。

「そのチームね、人間と神人が組んだチームらしいよ」

「えっ!? すまん、もう一度言ってくれ」

 俺はつい聞き返してしまった。

「だから、そのチームは人間と神人が組んでいるんだって」

「そっそっそうか……」

「どうしたの、司? やけに焦っているみたいだけど?」

「ぜっぜっ全然大丈夫だ!! たったっ楽しみだな~そのチーム」

 まずいな、動揺し過ぎだ。

とはいえ、これは動揺せざるを得ない。

 唐突過ぎるぞ、それは。

まさか、瀬那先輩はこれを了承したのか。

 チームも揃っていないのにか? 

「「……?」」

 俺の方を見て、二人は首をかしげている。

追及されたら、困るぞ。

 俺がその心配していると、チャイムが鳴り、

『まもなく、一限目を始めます。生徒の皆さんはお座りください』

一限目の始まりのアナウンスが流れる。ナイスだ、アナウンス。

「うわっ。もうか~。この話はまた後でね」

 そう言い残し、皐月は自分の席に戻っていく。

「ふぅ~……」

「? どうして、ほっとしてるの?」

「なっなっ何でもない!! 気にするな」

 アナウンスのおかげで、何とか質問攻めにならずに済んだ。

さて、今日も忙しくなりそうだな……。

 俺はそれを強く予感するのだった。



 

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