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最強の問題児と最弱の神人少女  作者: 鈴夢 リン
第四章 決断編
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第十八話『不思議な出会い』1

 皆さん、お待たせしました!! いや、誰も待っていないと思いますが……ごほんごほん。とりあえず、投稿再開しましたのでこれからもよろしくお願いします!!

 梅雨が過ぎ去り、そんな様子を感じさせないほどの晴天に恵まれる今日。

こんな日は散歩やお出かけがいいだろう。

 しばらく雨で退屈していた生徒達にとっては嬉しい限りだ。

 そんな充実した生活を送れるに違いない休日に俺は……俺は……。

「どうして掃除なんかしなくちゃいけないんだ!!」

 人がいないせいか、俺の声が廊下中に響き渡る。

他の生徒は休日のため、外に出かけたり真面目な奴は訓練場で鍛錬に励んでいるだろう。

 そんな中、俺は左手に雑巾、右手にバケツを持ちながら窓ふきをしている。

 今どきの時代に人間や神人の中で窓ふきをしている者は俺くらいだ。

 神人によって急激に成長した科学技術によって、床拭きしか不可能だったお掃除ロボットが壁も歩行出来るようになる。

壁掃除も今やロボットの仕事となっている。

 なのに……なんだこの罰は……。

 今まで何とも思っていなかった窓にこんなにもストレスが溜まるとは予想外だ。

 というかどんだけ窓あるんだよ……。

ああ、最悪だ。

 まあ、全て自業自得なんだけどな。

 あいつの為だといえ少しやり過ぎた。

おかげで俺は噂だけの問題児ではなく、本当の問題児になってしまった。

 なんて不幸だ……なんて理不尽だ。

 今更嘆いても仕方がないことではあるが、それでも納得がいかない。

せめてあの時瀬那せな先輩に捕まらなければ良かった。

 本当に鬼のような顔をしていて恐ろしかった。幼馴染みに向ける表情ではないな、あれは。

 涼風司すずかぜつかさの休日は残念なものである。

 さて、変な自分語りはここまでにしよう。

「あと、どのくらいだ?」

 俺は今拭いていた窓が綺麗になったのを確認すると、視線を廊下全体に移した。

見た様子だと……半分くらいだな。

 かれこれもう三時間ほどこの作業をしていた。

 さすがに肩が痛い。

 とはいえ、ここでサボると瀬那先輩あくまに殺されるので我慢しよう。

 雑巾を絞り、次の窓ふきをする。

もちろん、水拭きだけでなく乾拭きも隅々までやる。

 いや、本当にロボットがしてくれ……。

「はぁ……」

 窓を綺麗にする度に俺の情けない顔が映る。

 ゴシゴシ……ゴシゴシ……。

 閑散とした廊下に窓を拭いている音だけが聞こえる。

これぞ無意味な時間なのだろう。

 時間が経つにつれ何だか悲しい気分になってくる。

 今日はどれくらいため息を吐いただろうか。

 これが終わっても新たに瀬那先輩から仕事。

 そんな俺が諦めるように作業を続けていると、

ガタンっ!!

「……?」

 何かが崩れた音がした。

またこの音か……。

 そう、この何かが崩れた音はここ一週間ずっと聞いている。

 もちろんこの音の原因は俺ではない。他の人物だ。

つまり、俺が言いたいのは誰かに見られているということだ。

 最初は風かなんかで何かが倒れたのかと思っていたが、そうではない。

 冗談ではなく、本当に誰かに見られているのだ。

決して俺が自意識過剰なわけではないからな。決してな。

 俺以外でも気付くぞ、多分いや絶対な!!

 どうして俺は自分で墓穴を掘っているんだよ……。

 まあ、そんなこといい。

 確かめればいいだけのことだ。

そんなわけで俺は声を出してみる。

「お~い!! そこに誰かいるのか? いるなら出てきてくれないか?」

 さあ、どうだ。

「…………」

 しかし、何も返答がない。

 え、マジで。

 いやいや本当に俺が自意識過剰で可哀想な子になるから、お願いします。

「…………」

 なぜだ。

 すいません、訂正します。

俺の勘違いで――え?

 その瞬間、

ガタンガタンガタンっ!!!!

 今まで以上に何かが崩れる音がした。

 良かった……。

 内心、ほっとしてしまう。

ここまでの大きな音ならどこにいるか居場所が分かる。

 さっきの音は……廊下の向かいだな。

よし、捕まえてやる。

 俺は音がした方へ走る。

 その場所に移動すると、凄いことになっていた……。

「うわぁ……とんでもないな、これ」

 辺りに段ボール箱が散乱していた。

ここから続く道に足を踏み入ることが出来ないほどだ。

「やっぱり誰かに見られていたか……」

 ある一箱に足跡が付いているのを見つけた。

 これで俺が見られていたのは証明出来たな。

まあ、俺を監視していた本人はいないようだが。

 とりあえず、段ボール箱を並べるか……。

 完全に邪魔だしな……。

 俺は一つ一つを廊下の邪魔にならないように並べる。

 散らばっていた廊下を綺麗にするのは、そんなに時間はかからなかった。

「さて、これで終わり……? これだけ重いぞ……?」

 最後の段ボール箱を持ち上げた時、なぜか重さを感じた。

他の段ボール箱はそんな事はなかった。

 まったく……商品入っている物を使うなよな……。

 そう思いながら、最後の段ボール箱を並べた。

「無駄な時間を過ごしてしまったな……。さっさと窓ふきを終わらせよう」

 呟きながら段ボール箱が並べてある場所から離れた。

さあ、窓ふきもあと少しだ。

 頑張るとするか!!

 すると、

ガサガサ……。

 何かを漁る音がした。

 またですか……。まあ、特にないからいいか。

 そう考え、窓ふきを再開させた。

 このとき、まさか最後の段ボール箱に俺を覗いていた人物がいるとは知る由もなかった……。

 

 

 しばらく連日投稿を予定しています!!

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