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第6話:華帝国の帝、その②


今回はちょっとシリアス。


お兄ちゃんの過去編(ちょっとだけ)。


 ではお楽しみいただければ嬉しいです(^-^)

 「花乃衣に近しい肉親はいなかったはずだ」

 花乃衣と蒼の消えた空間をじっと見つめ、帝は苦々しくつぶやく。


 「私と暮らしている間に彼に会うことはなかった・・・と思います」

 帝の問いに答えたのは満だ。

 この屋敷の特異な結界を知っているものならば、どんなモノであろうとも侵入することができないことを分かっているはずなのに。

 ここに訪れるものがどれだけ「特別な」存在か・・・

 少なくとも、満の記憶の中の花乃衣には、「特別な」存在がいる気配はなかった。


 帝の心に、蒼の存在が快くあるはずがなかった。

 花乃衣の中に存在する男は、どんな関係であれ、自分だけでよい、と、本気で思っているのだから。


 浮の世界において、稀なる存在である『召喚師』

 7つの大陸のそれぞれに1、2名ほどしかいない。

 それぞれがその大陸の有力な国家の「お抱え」になっていることが多い。


 花乃衣は、母親同様、華帝国のお抱え術師である。

 皇帝直属の組織で、術師を統括する『術師省じゅつししょう』の管轄下におかれており、彼女は術師省の中でも特に高い地位にある(本人は特に頓着していないが)。本来その身柄は帝都にあるべきなのであるが、彼女の出自が特殊なため、これまで「人外魔境」とまでよばれている大森林の中で暮らしてきたのだ。


 焔帝は花乃衣と母を同じくする兄妹だ。

 花乃衣の母親である女性は、花乃衣と同じく『召喚師』であった。


 北方の大陸の人間の血を引いたという彼女の顔は、華帝国の人間とは少々趣の異なる顔をしていた。

 青白い肌。

 すらりとした肢体。

 髪と瞳の色だけが、かろうじてこの大陸の人間の特徴を残していた。

 大輪の、花のような女性。


 花乃衣の母親は、麗花れいかと呼ばれていた。

 その気性も容貌も、華やかな花のような女性であった。

 召喚師という類稀な存在であったとしても、驕らず、飾らず。

 一部の人間からは「アニキ」とさえ呼ばれていた・・・なんだか、おかしな表現ではあったが、そのくらい、彼女は男女の枠を超えて、様々な人、種族に愛されていた。

 華帝国の皇帝・・・焔帝の父『炎華えんか帝』も、そのうちのひとりであった。


 どういう経緯か花乃衣は知らないが、焔帝は、自分の出自をとっくの昔に知っていた。

 父が母を無理矢理犯し、自分が出生したのだと。

 母が花乃衣の父と婚姻を結ぶと聞いたとき、どうしても母が欲しかった父が、狂った『竜』の力を利用し、母を陥れたのだと。


 幼い頃から口の軽い宮廷女達の口の端に乗せられる自分の出自にまつわる「噂」。

 自分を溺愛する父。母の存在は知らない。

 私は何者なのか?


 花乃衣は、そんな自分を愛する唯一無二のものだ。

 彼女は、私を捨てない、裏切らない。

 この世で唯一の「兄妹」だから。

 彼女の「唯一」であろうと、彼女から両親を奪ってしまった(おとこ)の罪を知っていても止めなかった自分が愛する、ただひとつの、もの。

 「花乃衣は私のものだ」


 焔帝は、誰とはなしにつぶやいた。


 どでしたでしょうか~?


 お気に入りとか登録していただきホントーに天にも昇るキモチです~

 (うきうき)


 ちと暗くなってしまいましたが、次は主人公ズのターン~

 (多分お笑い?)

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