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運命の人はあなたですか?  作者: ゆめ猫
8/14

大切な親友と大切な恋

 お昼休み祐ちゃんと食堂に行くと、前田君がもう来ていた。


「祐!こっちこっち!」


 見ると曜も一緒にいた。


「こちらは涼風曜君!ま、有名過ぎるけどな!A組の高橋祐希さんと柑菜月華美さん!今日からよろしく!」


 席につくと石田君がやって来た。


「どんどん増えて楽しいですね」

「何故か石田君もいるんだよ」


 前田君が曜に笑いながらそう言った。


「いいじゃない、同じF組でしょう」


 祐ちゃんは優しいから石田君をかばった。


「涼風さんはじめまして!祐ちゃんって呼んでくださいね〜」

「ちゃんって柄かね〜」

「じゃ、祐でもいいけど……、今は涼風君と話してるの!」


 やっぱり二人は仲が良い。


「ご一緒いいかしら」


 そこへ佐々原さんが現れた。


「なんでお前まで来るんだよ!」


前田君のその言葉を無視するかのように、イスをグイグイ曜の隣に運んだ。


「私はF組の佐々原朋香(ともか)です。皆さんよろしくね」


 皆圧倒されて黙ってしまった。


「こちらから挨拶したんだから、挨拶を返すのが礼儀じゃない?」

「高橋祐希」

「柑菜月華美です。よろしくお願いします」


「クラスは?」

「あ、二人ともA組です」


 私が慌てて答えた。祐ちゃんは露骨に嫌な顔をしていた。


「え、A組?!なんで揃いも揃ってF組がA組なんかと食べてるのよ?」

「A組なんかとはなんだよ、失礼だろ」


 前田君が言い返した。


「あら、だって本当の事じゃない。一番頭の悪いクラスだもの」

「人を見下すのは良くないと思います」


 石田君が珍しく怒ってそう言った。


「悔しかったらF組になりなさいよ」


 佐々原さんは挑発的にそう言った。


「頭が良いだけで心はブスですね!」


 祐ちゃんが怒ってそう言った。かなり腹が立っているようだった。


「あー、そうかも知れないな!」


 前田君が祐ちゃんの味方をした。


「なんですって!」


 佐々原さんも怒って席を立った。



「やめろ。佐々原、嫌なら他で食べればいい」


 曜はお弁当を食べながら、静かにそう言った。


 佐々原さんの顔がみるみる歪んでいき、お弁当を片付け移動して行った。


「なんなの?あんな人だと思わなかった」


祐ちゃんが呆れてそう言った。


「ま、気にしないっと!楽しく食べようぜ!」


 前田君はそう言って、皆を交えて楽しく語りあった。

 私は佐々原さんにヤキモチを焼いていた事があったけど、今回の件で曜は何とも思っていない事が分かった。それだけでも私は嬉しかった。



    ♡    ♡    ♡



数日後、終業式を終え祐ちゃんと教室で話していると、前田君がやって来た。


「お疲れぇ〜、やっと冬休みだな!」

「お疲れさま、楽しい冬休みだね。涼風君は?」

「バイトがあるみたいで急いで帰ったよ」

「そっか、残念」

「俺だけじゃダメなのかよ?」

「だってねぇ〜、華ちゃん!」

「え、いえ……」

「華ちゃんは本当に内気なんだな!祐と大違いだ。よく友達になったな、こんなうるさいのと!」


前田君はそう言って祐ちゃんの頭を叩いた。


「痛いなぁ〜、華ちゃんにはうるさくしてません!ちみだから合わせてんだよ!」

「あー言えばこういう!華ちゃんをちょっとは見習え!」

「大きなお世話です〜」


 祐ちゃんは前田君にアッカンベーをした。


「本当に仲良しだね、羨ましいよ」

「それより、華ちゃんの事!どうかなぁ?」

「曜に女の影はないな、ま、好きな人までは分からないけどな」

「え、私の事?」

「そう、元にいろいろ聞いて貰ってたんだ。勝手にごめんねぇ」

「ううん、いいよ。と言うかありがとう」

「この際華ちゃん、告ってみるか?案外上手くいくかもよ?」

「え……」

「まだ早いよ、怖いよね〜」

「うん……」

「アイツさぁ、心の扉は誰に対してもオープンなんだよ。だが付き合っていくうちに奥にもう一枚扉がある事に気づいた。その扉は誰にも開けないんだ」

「そんな難しい例えしないでよ!」

「いや、本当にそうなんだってー。自分の事はあまりペラペラ喋らないしな!優しいようでクールなところがあるんだ」

「複雑な人なんだね!誰かと大違いだ」

「ハイハイ、俺は単純な人間です」


「華ちゃん、バイトまで時間あるでしょ?家に来なよ!」

「いいの?」

「うん!行こう!」

「えっと、俺は?」


 祐ちゃんは私の手を掴んで、引っ張って歩いて行く。


「元またね〜」

「チッ、なんだよ!ボルダリング行く時LINEしろよー!」

「分かったー!」



    ♡    ♡    ♡



 祐ちゃんは何だか焦っているように、私の腕を掴んだまま家に入った。


「この時間誰もいないから気を使わないでいいよ」


 そして祐ちゃんの部屋に入り、私の肩に手をあてた。


「祐ちゃん、どうしたの?」

「あたしさ、気づいたの!さっき元が涼風君の話してたでしょ?扉が2枚あるって!」

「うん、それが何?」

「華ちゃんにもあるような気がしたのよ」


 祐ちゃんはそう言うと床に座った。私も祐ちゃんの前に座った。


「そうかなぁ、そんなつもりないよ」

「じゃあ、あたしに隠してる事ない?」


 あ、そういう事か……。言えないから黙ってたけど隠してる事になるんだ。


「ほら、あるでしょ?あたし華ちゃんは大切な親友だと思ってる。だからお願いあたしには隠し事しないでよ、あたしも華ちゃんには何でも言うからさっ」


 祐ちゃんは必死に訴えてくれた。しかも悲しそうだった。


「びっくりしないでね」

「うん!」

「誰にも言わないでね」

「もちろんだよ」


 私は俯きながら言った。


「実は……、訳あって涼風君と今一緒に住んでるの」

「え……、ごめん、びっくりした」

「うん、びっくりするよね」

「前からの知り合い?」

「ううん、全く知らない人といきなり同居になって……、最初は嫌だったんだけどいろいろ話してたら、どんどんどんどん好きになっちゃって。もうどうしたらいいのかわかんないよ!」


 涙が溢れた。やっと祐ちゃんに言えた事でホッとしたのかな。いや、違う。まだ私は暗いトンネルの中にいた。


「そっか……、言ってくれてありがとう。告白してダメだったら辛いだけで済まないね。同居してるんだもんね」


 祐ちゃんは言いながら必死に考えてくれているようだった。


「まずこうしよう!一つずつ片付けよう!石田君に好きな人がいる事を明かす。んで、涼風さんにはまだ告白しない。今後告白してダメなら、一緒には住めなくなる。だから今の楽しい時間を大切にするの。思いっきり大切にして思い出を増やすの。同居はせっかくのチャンスだと思ってさっ!ねぇ〜どう?あたしならそうする」

「そうだよね……、好きな人と毎日会えるんだもん。すごいチャンスだよね」

「どう?考え方を変えるだけで、楽になると思うんだ!できそう?」

「うん!できそう」

「良かった!ちょっとは楽になった?」

「すごく楽になったよ」

「ヤッター!」


 祐ちゃんは自分の事のように喜んでくれた。大切な親友。私は幸せ者だ。


「これからもいろいろと教えてね、あたし力になるからさっ」

「祐ちゃん、ありがとう」

「でもいつか、いつかね。華ちゃんのタイミングで告白はするんだよ?思い出いっぱい作って、もう大丈夫って思えた時。そうじゃないと姫那ちゃんの言ってたように後悔するよ」

「うん、分かった。そんな日がいつか来ると思う」


 そういつか来る。振られても離れても構わない位になる日がきっと。大切な人で大切な私の初めての恋だから、その想いは口に出して伝えなきゃね。



 

ここまで読んで下さって本当にありがとうございます☆最後までお付き合い頂けると幸いです<(_ _)>

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